2年

2年「ある日のくつばこで」【善悪の判断】の指導案はこうする!

善悪の判断

こんにちは。
今日は『2年「ある日のくつばこで」【善悪の判断】の指導案はこうする!』
このテーマで教材解説をします。

内容項目は「善悪の判断、自律、自由と責任」です。
比較的、分かりやすくて授業をしやすい項目でしょう。

いいことと悪いことの区別を
「教える」という意識が先行してしまいますが、
区別するべきことを「教える」のではなく、
自分はいいと思うか悪いと思うか
「考えて答えを出す」ことを大切にします。

強いて教えることをあげるとすれば、
「自分の判断基準(ものさし)をもつことの大切さ」です。
まずは、この意識をもって、授業に臨んでくださいね!

では、解説です!

1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ

順番に解説します。

1 教材について

A 主として自分自身に関すること
内容項目・・・・「善悪の判断、自律、自由と責任」
1・2年生の目標・・・よいことと悪いことの区別をし、よいと思うことを進んで行うこと

2年生「ある日のくつばこで」(日本文教出版)

あらすじ

まり子さんととしおさんは、同じクラスのかずみさんがくつばこにいるのを見かけました。
声をかけようとした時、くみこさんのくつをかずみさんが隠しているのを見ました。

かずみさんは、「さっきくみ子ちゃんとけんかしたの、誰にも言わないでね。」
と二人に言いました。

としおさんは、「あ、そうだ。元通りにしてあげよう。」と、くみ子さんのくつを元に戻しました。

まり子さんは、なぜか心がくもっていました。
そのとき、お母さんがいつも言っている言葉を思い出しました。
「正しいことができる人が、一番ゆうきがある人なのよ。」

「そうだ、ゆうきを出そう。」
まり子さんはそう決心して、心が晴れてきました。

2 内容項目と教材の解説

「善悪の判断、自律、自由と責任」は、次の3つに分けて考えます。
①善悪の判断
②自律
③自由と責任
それぞれ、似ていますが解釈が異なるので、
この内容項目では授業をする教材が、
①~③のどれに当たるかを考える必要があります。

「ある日のくつばこで」は、①善悪の判断になります。
①から③の順で、難易度が高くなります。
つまり、①に比べて③は難しい内容項目ということです。

この教材は、明確な答えが書かれておらず、モヤモヤしますよね。
しかし、実際の生活場面は、このようなあいまいな状況がとても多いのではないでしょうか。

子どもたちがイメージしやすい、いい教材だと言えます。

こういったオープンエンドな教材は、
「どうすればよかったのか。」
「この後、どのような行動をすればいいか。」
と、行動に特化した発問を考えがちですが、
それだけでは不十分です。

なぜなら、道徳は行為ではなく、行為を生む心を考える教科だからです。

まり子さんの正しい行為を「べき論」で議論しても、あまり効果はありません。
なぜなら、正義は知っていても、行為に移すことが難しいからです。

・まり子さんは、その場でかずみさんに注意をするべきだった。
・体育の授業の前に先生に報告するべきだった。
・この後、くみ子さんに言いつければいい。
・体育の授業の後、かずみさんに勇気を出して注意をすればいい。

これらは、どれも正解です。
否定の余地はありません。

ですがこの正義感にしたがって、子どもたちは実生活で行動を、
本当にできるのでしょうか?

正しい行いを道徳で知って、それを実践できるのであれば、
これまで数十時間の道徳の授業を受けてきた高学年や中学生は、
もはや聖人君子だらけになっていないとおかしいです。

でも、残念ながらそんな状態にはなっていません。

なぜなら、知っていても、行動に移すことが難しいのは、
人間の性(さが)だからです。

「つい」とか「なんとなく」とか、
悪いことをしてしまった人が言いますよね。

悪いことや犯罪を肯定するつもりはないですが、
その場の雰囲気に流されて、自分の正義感は認識しつつも
「つい」やってしまうのが人間なのです。

正しい行為を道徳で突き詰めても、
建前が立派な子をつくるだけです。

繰り返しますが、道徳の時間は、
行為を考えるのではなく、行為を生む心を考えましょう。

なぜ、まり子さんはその場でかずみさんに注意をすることができなかったのでしょうか。
なぜ、としおさんはその場で注意をせずに、かずみさんがいなくなってから、くつを戻したのでしょうか。
なぜ、としおさんは当然のようにくつを戻したのでしょうか。

まり子さんは、かずみさんに「言わないでね。」と言われているのだから、言わない方が友情は続くのではないでしょうか。
まり子さんのモヤモヤは、なにとなにの心が混ざって戦っているのでしょうか。

こういった心の葛藤を考えるのが、道徳の役割です。

人によって考えがちがうでしょう。
だから、友達の意見を聞いて、自分の考えの幅を広げることが大切なのです。

「2年生には難しい」と思われるかもしれませんが、
もうすでに2年生も終盤です。
4月からは中学年の3年生です。
この一年で、道徳の思考力は十分高まっていますから、
ちょっとだけレベルアップした道徳の授業に挑戦することは、
子どもも、授業者もレベルアップしますよ。

 

教材の最後では、まり子さんは勇気を出すことで、心が晴れました。
何かを決心したんですよね。
何を決めたのでしょうか?

・かずみさんに注意をすること?
・言われたとおり、黙っておくこと?
・くみ子さんに言いつけること?
・としおさんが戻したくつを、さらに戻すこと?
・先生に言いつけること?
・何もせずにおくこと?

あなたはどう思いますか?

「先生に言いつける」の一択でしょ!
と決めつけていては、思考の幅が広がりません。

「もしかしたらそうかもしれない。」と立ち止まって考えることで、
子どもの思考の幅が広がります。

まり子さんの心の中は、
○かずみさんとの友情
○くみ子さんとの友情
○かずみさんに注意できなかった後悔
○としおさんが正しいことをして、自分は何もできなかった悔しさ
○これから自分はかずみさんに何を言うべきか。
○知ってしまった以上、くみ子さんに言うか先生に言うか。
○けんかの仲裁など、自分にはなにかできないか。
などいろいろなことを考えて、モヤモヤしているんですね。

そのモヤモヤを紐解くことが、今回の授業の議論の核になります。

決して、答えをはっきり出すわけではないので、
結論ではなく過程を大事にしてください。

3 導入

T:教師 C:子ども

T:友達がろうかを走っていました。あなたはどうしますか?
C:注意する。

T:なるほど。じゃあ、トイレに行きたくて友達がろうかを走っていました。
 どうしますか?
C:うーん。やっぱり注意する。

T:なるほど。では、先生に「急いで!」と仕事を頼まれたからろうかを走っている友達がいました。どうしますか?
C:うーん・・・・。
※考えが出ても、出なくてもOKです。

T:今日は、友達の行動を見たときの自分の心について考えましょう。

4 発問

・この話でよろこんでいるのはだれだろう。
・この話で正しいのはだれだろう。
・なぜ、まり子さんはその場で注意できなかったのだろう。

・としおさんは、なぜくつを戻したのだろう。
・なぜ勇気を出すと、心が晴れるのだろう。
・まり子さんのモヤモヤは、どんな心が入っているのだろう。

・お母さんは、家に帰ってまり子さんの話を聞いたら、なんと言うだろう。
・かずみさんは、悪い子だろうか。
・友達が悪いことをしたらすぐに注意する関係が、本当の友達ではないのだろうか。
・まり子のしたことは正しいだろうか。

5 まとめ

「ぽんたとかんた」と「わりこみ」のまとめの要素も入れて、
『善悪の判断、自律、自由と責任』の内容項目のまとめができるといいですね!

ポイントは、「正しいことは勇気をもつ」その前段階で、「よく考える」です。

はい、ということで今日は 『2年「ある日のくつばこで」【善悪の判断】の指導案はこうする!』
このテーマでお送りしました!

また明日もお楽しみに。

 

 

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例 : はしの上のおおかみ

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