6年

6年「わたしのせいじゃない」【公正、公平、社会正義】の指導案はこうする!

公正、公平、社会正義

こんにちは。
今日は『6年「わたしのせいじゃない」【公正、公平、社会正義】の指導案はこうする!』
このテーマで教材解説をします。

道徳の学習指導要領が改訂されましたが、
その目玉は「いじめ対策」です。

大津の中学生いじめ自殺事件をきっかけに、
道徳の教科化の議論が一気に進みました。

教科化になる上で強化されたのが、
「いじめ対策」なのです。

「友情、信頼」や「親切、思いやり」
そして「公正、公平、社会正義」といった
いじめに関連する内容項目は
どの教科書会社も、特に力を入れて
編集しました。

今回扱う教材も、
まさしく「いじめ」を題材にしたものです。

では、解説です!

1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ

順番に解説します。

1 教材について

C 主として集団や社会との関わりに関すること
「公正、公平、社会正義」
5・6年の目標・・・・
誰に対しても差別をすることや偏見をもつことなく、公正、公平な態度で接し、正義の実現に努めること。

6年生「わたしのせいじゃない」(日本文教出版)

あらすじ
 ※割愛します。
 レイフ・クリスチャンソン著
「わたしのせいじゃないーせきにんについてー」
の内容が掲載されています。

2 内容項目と教材

大前提として、この教材を扱う際は、児童の実態をよく考えましょう。
同じような思いをしている子がクラスにいるかもしれないからです。
そんな状況でこの教材を扱うと、いじめを助長する可能性があるからです。

今はするべきでないと判断したときは、指導計画をずらして、あとにしても構いません。
教科書教えることが目的ではなく、教科書教えることが目的だからです。

いじめが題材なので、デリケートに扱いすぎてちょうどいいくらいです。
しかし、やると決めたら、勇気をもって扱いましょう。

 

題名から「他責思考」が伝わる教材です。
14人の主張が書かれていますが、どれも「自分が悪い」という自責思考ではなく、「わたしのせいじゃない」という他責思考です。

14人全員がいじめをして、人のせいにしている。
みんなでいじめるのはダメだ、という結論は浅いです。

そんなことは子どもは知っているし、子どもの心に響きません。

ではどうすればいいのでしょうか。

この教材の授業づくりのポイントは2つです。
①他責思考を深堀りする
②集団心理について議論する

順番に解説でします。

①他責思考を深堀りする

14人の主張をよく聞いてみると、質が異なることに気付きます。

まずは1つ目のパターン
「はじめたのはわたしじゃない」
「おおぜいでやってた」
これ、だれのせいにしていますか?
いじめをした他の人に責任を押し付けてますよね。

自分はちがう。みんなが先にしたんだ。
(だから自分もしたけど、後からだから悪くない)
という主張です。

2つ目のパターン
「おもしろくない子」
「その子がかわってるんだ」
「ひとこともしゃべらなかった」
これは、だれのせいにしていますか?

いじめられた男の子のせいにしていますね。

自分がいじめたのは理由がある。
それは、その子がみんなとちがうからだ。
という主張です。

いずれの主張も、いじめた理由として上位にあがるものです。
このように、主張を分類することで、いじめの深刻さを議論を通して子どもは心に植え付けていきます。

①〜⑭のだれに、どんな声をかけるかを考える活動もいいのですが、それだと自分の主観だけで考えが広がりにくいです。
いじめを扱う授業は、全員で真剣に考えたいものです。
①〜⑭の主張を分類し、どんな質のちがいがあるかを考えることで、自分の心にも向き合えるのです。

 

②集団心理について議論する

このいじめの構図は、大勢対1人です。
いじめに限らず、大勢でいると人は集団心理が働きます。

・みんながいるから、「自分じゃない」という言い訳が通る。
・自分ぐらいはバレないだろうという気持ちが出てくる。

特に、日本人は「みんながやっている」という雰囲気には染まりやすいと言われているので、集団心理は働きやすい国民と言えます。

さらに、1対1での文句や暴力はケンカの可能性があるが、
1対2以上はもういじめだと思って間違いないのです。

大勢でのいじめは、雪だるま式に増えていきます。
①〜⑤の子は、きっと何もしていません。
いわゆる傍観者の子たちです。
でも、主張を聞くとまるでいじめに加わっているかのように聞こえますよね。

この教材は、読者がいじめられた男の子の視点に立つようにできているので、
①〜⑤の子たちが「なにもしていない」と言っても、いじめに加担していると思ってしまいます。

本当になにもしていないのでしょう。
でも、集団のいじめは、その「なにもしない」ことですら悪になってしまいかねません。

集団心理が働く、ということを議論できれば十分です。

 

かといって、
「大勢でのいじめはやめよう」
「見ているだけはだめだから、見たら止めよう」
という行動のまとめになるのは、あまりよくないですね。

それは授業前にすでに子どもたちが知っていることですし、
改めて45分かけて確認することではないです。

 

いじめは、人のせいにしてしまう可能性が高い。
「自分ぐらいいいか」という気持ちを人はだれでももっている。

このような、人の心に焦点を当てたまとめだと、子どもは生活場面で思い出すことになり、マルチに使えるまとめとなります。

道徳は、行為ではなく行為を生む心を考える教科です。
そのことをくれぐれも忘れないようにしましょう!

3 導入

T:教師 C:子ども

T:今日は「いじめ」について考えます。
 中途半端に考えては困るし、みんなの学校生活にとても深く関わっていることです。
 いじめについて考えることは、みんなが楽しくて安心な学校生活を送ることにつながります。
 みんなで真剣に考えていきましょう。

※ときどき、このように子どもとのキャッチボールの導入ではなく、
教師の語りで導入を終えることも、1つの手法で有効です。

4 発問

・なぜ、14人もいてだれも「自分が悪い」とは言わないんだろう。
・なぜ、みんな人のせいにするのだろう。
・それぞれ、「どの人」に責任を押し付けているかな。

・このクラスはいいクラスだろうか。
・男の子とみんなは、もともと友達だったのだろうか。
・自分は15人目だったら、なんと言うだろうか。

・14人をグループに分けるとしたら、どんな分け方ができるだろうか。
・本当は男の子が悪いのではないか。

5 まとめ

いじめは、人のせいにしてしまう可能性が高い。
「自分ぐらいいいか」という気持ちを人はだれでももっている。

このような、人の心に焦点を当てたまとめだと、子どもは生活場面で思い出すことになり、マルチに使えるまとめとなります。

行為・行動をまとめの言葉にしないようにしましょう!

はい、ということで今日は
『6年「わたしのせいじゃない」【公正、公平、社会正義】の指導案はこうする!』
このテーマでお送りしました!
また明日もお楽しみに。

 

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例 : はしの上のおおかみ

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