こんにちは。
今日は『2年「あぶないよ」【節度、節制】の指導案はこうする!』
このテーマで教材解説をします。
この内容項目は「節度、節制」です。
『分かっているようで分かっていない』と
よく言われる内容項目です。
子どもが、じゃありません。
教師がです。
節度と節制の違いってなんでしょうか?
どちらが大切なのでしょうか?
そもそも、節度って何・・・?
今日は、これらのことについて、
考えていきましょう!
では、解説です!
1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ
順番に解説します。
1 教材について
A 主として自分自身に関すること
「節度、節制」
1・2年の目標・・・・健康や安全に気を付け、物や金銭を大切にし、身の回りを整え、わがままをしないで、規則正しい生活をすること。
2年生「あぶないよ」(日本文教出版)
スーツを着た男の人が車から降りてきて、スーパーへの道を聞いてきました。
道を説明しますが、男の人はよくわかりません。
「この車に乗ってスーパーまで連れて行ってくれませんか。」と言われて、
ぼくは、お母さんの「知らない人の車に乗ってはいけませんよ。」と言う言葉を思い出しましたが、男の人に「はい。」と答えました。
2 内容項目と教材
本音と建前
シンプルな4コマ漫画の教材ですが、
子どもたちにとっては印象に残る教材になるでしょう。
いろいろと言いたくなることがあるからです。
きっと子どもたちは、この教材を読んで、
「ついていくのはよくない。」
「車に乗ってはいけない。」
「あぶない目にあうよ。」
と思うことでしょう。
それは、これまでにも学習で似たような教材で
安全教育について学習しているからです。
教材の中の話だから男の人についていっているけど、
自分は実際にはそんなことはしない。
という考えの上で出る意見は、建前の意見しかなく、
授業は盛り上がりません。
「実際に自分の身に起きたら、自分はそんなことはしない。」と、
他人事のように考えてしまい、道徳の授業中だけの意見になって
生活に結びつかないことになってしまいます。
年間で約1200人の子どもが行方不明になっている
しかし現実問題として、多くの子どもが行方不明になっていることがデータからわかります。
下の表では、平成30年(2018年)には、
9歳以下の子どもの行方不明者数は1,216人となっていることがわかります。
なんと、1年で約1,200人以上もの子どもが行方不明。
かなりの数ですね。
子どもが誘拐されたり、事件に巻き込まれたりする可能性は
だれにでもあるのです。

引用元:https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki/fumei/H30yukuehumeisha_zuhyou.pdf
未来を想像する
「ぼく」は、どんな点がマイナスだったのでしょうか。
それは、「想像力」です。
この先、自分が思うように行動したらどうなるだろう。
「もし、男の人が悪い人だったらどうしよう。」と先を考えることが足りなかったと言えます。
「節度、節制」の核は、想像力です。
先のことを考えて、どうなるか想像することで
自分の身を守ることができる可能性が高まるのです。
事象ではなくポイントで考える
とはいっても、この教材で授業をするとなると、
「知らない人の車には乗ってはいけない」という
狭いまとめしか出てこない可能性があります。
そうではなく、「節度、節制」の核である『想像力』が伸びるように、
もっと抽象度を上げたまとめをしてみましょう。
例えば、次の場合はどうでしょうか。
②ちょっと公園で、わたしの特技を見てほしい。
③「『鬼滅の刃』のマンガで、教えてほしいことがあるから家まで来てほしい。」と言われた。
こんなことが実際に起きたとしたらどうでしょうか。
「知らない人の車に乗ってはいけない」という学びだけでは
不十分なことがわかりますよね。
教材と、上の①〜③の事例で、全てに共通する学びとはなんでしょうか?
子どもたちと考えたいですね。
すでに述べたように、やはり「想像力」が大事になってきます。
先のことを考えて、危ないと思ったらついて行かない。(受け取らない。)
大丈夫そうだと思っても、人が多いところで話す。
大丈夫そうだと思っても、いつでも逃げられるようにしておく。
「大丈夫だろう」と思っても、完璧なことはありません。
かといって、「道を教えて」と言われて教えないのも変な話です。
2年生であろうが、「自分の身は自分で守る」が鉄則です。
しかし、怪しいことは全て遮断する、という考えでは人間関係が成り立ちません。
知らない人でも、知っている人でも、
想像力を働かせて、先のことを考える。
危ないと思ったらやめておく。
大丈夫だと思っても、もし失敗した(思ったこととちがうことになった)としても、
対応策を考える。
これらのことがポイントになってきます。
2年生にとっては言葉は難しいですが、
「先のことを考えて行動する」と言葉を平易なものにすれば、
概念は理解できるはずです。
恐れずに、子どもたちに「身を守る力」を身につけるために、
考えが深まる発問をしていきましょう。
3 導入
T:教師 C:子ども
T:知らない人に道を聞かれたらどうしますか?
C:教える。
C:教えない。
T:どうして教えるの? どうして教えないの?
C:知らない人は怖いから(教えない)
C:困っている人は助けたほうがいいから(教える)
T:今日は、知らない人と会ったとき、どんな心をもっておけばよいか考えましょう。
4 発問
・「ぼく」は悪い子だろうか。
・本当に男の人は悪い人だろうか。
・(4コマ目の吹き出しを隠して)男の人はどう思っているだろう。
・道を教えることが悪いことなのだろうか。
・知らない人には道を教えるのも、あいさつをするのもだめなのだろうか。
・もし、男の人が家の人の知り合いだったら、ついていった方がいいのではないか。
・なぜお母さんは、「知らない人の車にのってはいけません。」と言ったのだろう。
・車に乗るぐらいなら、別にいいのではないか。
・道を聞かれたら、すぐに逃げるのがいいのだろうか。
5 まとめ
『先のことを考えて行動する』
このことを「想像力」をキーワードにして、
子どもの言葉でまとめていきたいですね!
はい、ということで今日は
『2年「あぶないよ」【節度、節制】の指導案はこうする!』
このテーマでお送りしました!
また明日もお楽しみに。
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