6年

6年「杉山の声を聞く画家ー豊田三郎ー」【感動】の指導案はこうする!

感動、畏敬の念
「植林の森」の写真

こんにちは。
今日は『6年「杉山の声を聞く画家ー豊田三郎ー」【感動】の指導案はこうする!』
このテーマで教材解説をします。

Dの内容項目は、
「価値の広がりを目指す」
ものではありません。

A~Cの内容項目は,広がりを目指すものです。
例えば、親切は「何かをしてあげること」だ
と思っていた子どもたちが、
授業で議論をすることで、
「何もしない親切もある」と気付いたら、
それは見方が広がったと言えるでしょう。

しかし、Dの内容項目はそのような広がりは
ほとんど期待できません。

そもそも抽象的なものが多く、
議論で広がったとしても、
さらに抽象的なものになってしまうからです。
そうなると余計に
「道徳は難しい!」と考える
子どもや先生を増やすだけです。
そうではなくDだけは、
ゴールまでの道を太くするイメージで
授業をしましょう。

では、解説です!

1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ

順番に解説します。

1 教材について

D 主として生命や自然、崇高なものとの関わりに関すること
「感動、畏敬の念」
5・6年の目標・・・・美しいものや気高いものに感動する心や人間の力を超えたものに対する畏敬の念をもつこと。

6年生「杉山の声を聞く画家ー豊田三郎ー」(日本文教出版)

あらすじ
「杉の画家」と呼ばれた豊田さんは、107才で亡くなるまで自然にふれた感動を描き続けました。
福井の農家で生まれ育った豊田さん。画家になる夢を親に反対されていました。しかしあきらめきれず絵を学び続け、故郷の福井に戻ってからふるさとの自然を描くようになりました。
81才のときにフランスの国際的な展覧会で大賞を受賞。豊田さんの絵は「トヨタグリーン」と呼ばれました。
豊田さんは。絵を描く前にかならず杉に向かってぼうしと取って、深々と頭を下げます。
「絵は感動するから描くのです。感動とは、描く人の心と自然の心とがふれ合ってスパークした瞬間の状態のことです。」
「杉山の杉たちの話し声が聞こえる。」
「杉の木におおわれた山の姿は、一面の緑の世界を支配する王者のようだ。無限の広がりをもつ。緑のベールをすかして見ているように感じられたとき、思わず『美しいなあ。』と立ち止まりたくなる。」
豊田さんは、亡くなるまで多くの人に絵を教え「自然に愛情をそそぎ、活力ある絵を。」と言いつづけました。
「柔らかいガスの中の光と杉林」の写真

2 内容項目と教材

Dの内容項目とは

Dの内容項目は、「価値の広がりを目指す」ものではありません。
A~Cの内容項目は広がりを目指すものです。
例えば、親切は「何かをしてあげること」だと思っていた子どもたちが、
授業で議論をすることで「何もしない親切もある」と気付いたら、それは見方が広がったと言えるでしょう。

しかし、Dの内容項目はそのような広がりはほとんど期待できません。
そもそも抽象的なものが多く、議論で広がったとしてもさらに抽象的なものになってしまうからです。
そうなると,余計に「道徳は難しい!」と考える子どもや先生を増やすだけです。
そうではなく、Dだけはゴールまでの道を太くするイメージで授業をしましょう。

言葉にすると安っぽい

Dの内容項目は、言葉にすると安っぽいものです。
例えば以下のとおり。
「命は大切」
「美しいものに感動する」
「自然は大切」

これを見て、どう思いますか?
知っていることばかりではありませんか?

そうです。
これがDの内容項目の難しいところです。
授業をしても、上の結論は変わりません。
しかし、授業で子ども達が議論をすることで、その理解が深くなるのです。
先ほどお伝えした「ゴールまでの道を太くする」ですね。

では、なぜDは言葉にすると安っぽいのでしょうか。
それは、Dの内容項目は「言葉にできないもの」だからなのです。

『感動』とはなにか言ってください。
と聞かれたら,あなたはなんと答えますか?

・心を動かす体験。
・涙が自然と出てくる感情。
・これまでに味わったことのない、心の奥からくる波のような感情。

なんかどれも「的確な表現だ!」とは言えません。
それが、Dの内容項目や「感動」の難しさなのです。
つまり、Dの内容項目は、無理に言葉にしてまとめる必要はありません。

「苔生すた八ヶ岳の森に差し込む光」の写真

「感動」の授業は、感動させるのではない

「感動」を扱う時の鉄則は、
感動させるのではなく、感動を生む心について考えよ
です。

感動させることは道徳の時間ですることではありません。
道徳は、行為を生む心を考える教科です。

なぜ心が動くのか。なぜ、美しいと思うのか。
その本質的な部分を考えていく活動が道徳です。

しかし、その活動の出口は、言葉にしなくてもいいのです。
余韻をもって終わる授業にチャレンジしてみましょう!

豊田さん・絵・杉山のつながりを考える

豊田さんは、杉に魅せられて絵として表現をしました。

なぜ、杉の美しさを絵で表したのでしょうか。
豊田さんは、絵を描きたかったのだから、杉でなくても他のものを描いても同じように素晴らしい作品を残せたのではないでしょうか。
例えば人物画、花の絵など。

なぜ、故郷の、福井県の、杉山を描き続けることを選んだのでしょうか。

ここを、子どもたちと考えたいですね。

また、豊田さんの絵が掲載されているので、その絵について感じることを言い合ってもいいですね。
芸術とは正解がありません。
感じたまま、自分の解釈を言っていいものです。

文章のように筆者の意図を感じ取るものではありません。
絵画は、見たまま感じていいのです。

言語化して、その子どもの感想をまとめるだけでも、十分「感動」の授業として成立します。

「延命水の湧水」の写真

3 導入

T:教師 C:子ども

T:この絵、なんの絵でしょう?
(豊田さんの絵を見せる)
C:山の絵
C:森?

T:この絵を描いたのは、豊田三郎さんという人です。
今日は豊田三郎さんについて考えましょう。

4 発問

・豊田さんは幸せだったのだろうか。
・豊田さんは、杉山でないものを描いてもよかったのではないか。
・もし杉がしゃべれるとしたら、豊田さんになんと言うだろうか。

5 まとめ

繰り返しますが、無理にする必要はありません。
「人の心は、いろいろなもので動かされるんですね。」
と一言だけ言って終わりで充分です。

はい、ということで今日は
『6年「杉山の声を聞く画家ー豊田三郎ー」【感動】の指導案はこうする!』
このテーマでお送りしました!

また明日もお楽しみに。

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例 : はしの上のおおかみ

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