2年

2年生『ぐみの木と小鳥』の指導案はこうする!

こんにちは。Kishです。
今日は道徳の教材について詳しく書きます。
多くの教科書に掲載されている

『ぐみの木と小鳥』

この教材についてお伝えし、
あなたのこれまでの授業を変える
道徳イノベーションを起こします!

目次です。
・「親切、思いやり」は重点を決める
・発問例
・板書は「関係整理型」
・教材を「多面的」に見て,親切を「多角的」に見る

では本題です。

もくじ
  1. 「親切、思いやり」は重点を決める
  2. 発問例
  3. 板書は「関係整理型」
  4. 教材を「多面的」に見て,親切を「多角的」に見る

「親切、思いやり」は重点を決める

『ぐみの木と小鳥』の内容項目は
「親切、思いやり」です。
2つの違いについては別な記事でお話ししていますので、
詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
簡単に言うと、
親切は行為、思いやりは心です。
親切な行動、とは言いますが
思いやりの行動とは言いません。
「思いやりのある」行動と言いますよね。
つまり思いやりは心です。

この内容項目は、
どちらか重点を決めて授業をしましょう。
つまり、

「親切」か「思いやり」か

重点はどちらなのか、教材から考える
ということです。
「親切、思いやり」の教材は
その両方を追究するようにはなっていません。
どちらかに軸足が必ず置かれています。
それをどちらなのか、考えましょうということです。

『ぐみの木と小鳥』では、
親切に重点が置かれていると考えます。
かといって、「思いやり」に重点を置いて
間違いと言うわけではありません。
「授業者が重点を決める」ことが大切なのです。

発問例

次に、発問例を挙げます。

まずは子どもの思考を狭める
「場面を区切る発問」です。

【場面を区切った発問】
・小鳥は、ぐみの木を飛び立った時、どんな気持ちだっただろう。
・小鳥は、りすさんが喜んでいる姿を見て、どんな気持ちだっただろう。
・小鳥は、嵐の中飛び立つ前、どんな気持ちだっただろう。
・小鳥は、元気になったりすさんを見て、どう思っただろう。

これらは、子どもの思考を狭める発問です。
それぞれの質問で、異なる3つの視点から意見を言えますか?
ある程度答えの幅が限定される発問になっていませんか?
これらの発問は、
結局のところ、子ども達は同じようなことを言うだけの
言葉遊び的時間になり、道徳性が深まりません。

では、次に、
教材全体を捉えて、
多面的・多角的に考える発問を紹介します。

【多面的・多角的に考える発問】
・りすさんは、ぐみよりもどんぐりの実の方が喜ぶのではないか?
・小鳥は、なぜ大変な仕事を引き受けたのだろう。
・小鳥が運んだものは何だろう。
・ぐみの木が運んだものは何だろう。
・りすさんが受けとったものは何だろう。
・りすはぐみの木とどういう関係だろう。
・誰と友達になりたいですか。
・一番親切なのは誰ですか。
・ぐみの木は、なぜ小鳥に頼んだのだろう。
・りすとぐみの木が仲良くなっただけで、小鳥は損をしているのではないか。
・ぐみの木は小鳥を巻き込んで、大きなお世話をしているのではないか。
・りすさんが喜んでくれなかったら、小鳥のしたことは無駄だったのだろうか。

いかがでしょうか。
それぞれ、考える価値のある、
深い発問です。
大人でも難しい発問ですよね。
「子どもには無理だ」と思っていますか?
全て、私は2年生に投げかけたものです。
全てに、立派な考えを言いましたよ。
「無理だろう」は、
頭の固くなった大人のエゴで、
実は
頭の柔らかい子どもは、
道徳性を深める素地は充分あるのです。

しかし、とはいってもすぐに考えを言えません。
子どもにとっても難しいものです。
1つ発問をしたら、
シーンとなります。
必ずシーンとなります。
それは、「答えられないシーン」のではなく
「考えているシーン」なのです。
その時に聴いてみてください。

「時間をかけて考えたい人?」

きっと多くの手が挙がるでしょう。
そこで、
「(ノートに)書いてみましょう。」
「友達と話してみましょう。」
ということで、
書くことや話し合いが
有意義なものになるのです。

板書は「関係整理型」

黒板の使い方は、フリースタイルです。
縦書きで川流しが悪いわけではないですが、
子どもの思考を広げる観点では、
そうでない場合が有効なことが多いです。
多くの板書の型がありますが、
『ぐみの木と小鳥』は「関係整理型」がいいでしょう。

図のとおりです。

このように、関係図を書くことで、
見えてくるものがあります。
「この矢印の意味は何だろう。」
「足りない矢印はあるかな?」と聞くことで、
教科書に書かれていない
道徳的価値に気付くことができます。
それが、「多面的・多角的に見る」ということなのです。

教材を「多面的」に見て,親切を「多角的」に見る

道徳は教科になり、「特別の教科 道徳」となりました。
新学習指導要領では、「多面的・多角的な見方」が大切となります。
多面的・多角的な見方について詳しく知りたい方は、
この記事を読んでください。

『ぐみの木と小鳥』では、
発問をすることで、
教材を「多面的」に見ることができます。
そして、多面的な見方から見えた考えを
友達と突き合わせることで、考えの幅が広がります。
その議論を重ねることで、
内容項目の重点に決めた「親切」を
多角的に見ることができるのです。

さて、この授業をすると、
どんな考えが出ると思いますか?
授業の流れを一例として書きますが、
この通りになるとは限りません。

いえ、むしろなるはずがないでしょう。
それは、先生と子ども達が違うんですから。
どんな授業がよいとか悪いとかではなく、
先生と子どもで、唯一無二の授業を作ってください。
それが何より、尊いのです。

イメージをもってもらうために、
授業の流れの例をお話しします。

先:先生 子:子ども

先:りすさんは、ぐみよりもどんぐりの実の方が喜ぶんじゃないかな?
子:うん、そうだと思う。
子:いや、ぐみの方が喜ぶと思う。
先:なるほど。どうしてぐみの木の方が喜ぶの?
子:ぐみの実は、ぐみの木の優しさも入っているから。
先:ぐみの実は、優しさも入っているの? そう思う人?
子:(半分ほど手が挙がる)
先:どう思ったか言える人?
子:だって、りすさんとぐみの木さんは、今まで友達だった。
だから、りすさんを心配する気持ちがぐみの実に入っていると思う。
先:どんぐりの実は、どんぐりの木さんの思いが入っているよ?
どんぐりの実の方が、りすさんは好きなんじゃない?
子:どんぐりの方が好きだと思うけど、おいしさじゃなくて優しい味が
りすさんの体にいいと思う。
先:なるほど、人の思いは食べ物にも入るんですね。
そういえば「料理は愛情」って言葉がありますね。これも同じ?
子:よくわからないけど、お母さんが作ったご飯は、おいしい!
先:なるほど、お母さんのご飯は、お母さんの優しさが入っているんだ!
優しい気持ちは、何かをしてあげること以外でも伝わるんですね。
子:先生、手紙も気持ちが伝わると思う。
先:なるほど! 思いが伝わるのは、食べ物だけじゃなくて物も同じなんですね!
先:(まとめを書く「優しさは、食べ物や物を通しても伝わる」

いかがでしょうか。
これは考える時間や脱線も省いていますので、
こんな台本のようなすっきりしたやりとりにはなりませんが、
大まかな流れはこの通りです。
たまたま、「優しさは物を通しても伝わる」という
流れになりましたが、
他にも親切や思いやりを
多面的・多角的に見たまとめならよいでしょう。
大切なポイントは、

子どもの言葉を使う

ということです。
先生がかっこつけて、大人の言葉でまとめると
子どもは興ざめです。
無理に大人の言葉に変換しなくてもいいです。
子どもの言葉は純粋さの塊です。
子どもの言葉を紡いで、授業を作り上げていきましょう。

私は、「特別の教科 道徳」の授業のあり方は
変わるべきだと考えます。
これまでの場面ごとに区切る授業から、
多面的・多角的に考えられる授業へと転換すべきです。
時代が多様性を求めているのですから、
道徳も時代に合わせて変わるべきです。
令和の教師は、令和道徳をしましょう。
時代に合わせて変化する人が、
時代に淘汰されずに生き残る人です。

ということで、「2年生『ぐみの木と小鳥』の指導案はこうする!」
このテーマでお話ししました。
また次回をお楽しみに!
分析・解説してほしい教材があれば、
リクエストしてくださいね!