4年

4年生『ブラッドレーの請求書』の指導案はこうする!

こんにちは。Kishです。
今日は道徳の教材について詳しく書きます。
多くの教科書に掲載されている
『ブラッドレーの請求書』
この教材についてお話し、
あなたのこれまでの授業を変える
道徳イノベーションを起こします!

この『ブラッドレーの請求書』は、
教科書会社によっては
「お母さんの請求書」として
題や登場人物が変わっていますが、
内容は同じです。
その際は、ブラッドレーを主人公に変えて、
この記事を読んでください。

目次です。
・「家族愛」は点ではなく線で考える
・発問例
・板書は「二項対立型」
・教材を「多面的」に見て,家族愛を「多角的」に見る

では本題です。

もくじ
  1. 「家族愛」は点ではなく線で考える
  2. 発問例
  3. 板書は「関係整理型」
  4. 教材を「多面的」に見て,家族愛を「多角的」に見る

「家族愛」は点ではなく線で考える

『ブラッドレーの請求書』の内容項目は
「家族愛」です。

この内容項目は、
点を線につなげるつもりで授業をしましょう。
つまり、
現在の出来事だけを考えるのではなく、
育ててくれた両親のこれまでの苦労や、
両親から子どもを見たときの目線、
どんな子どもになってほしいかという願い、
を考えます。
授業者が過去、未来に目を向けることが大切です。

発問例

次に、発問例を挙げます。
まずは子どもの思考を狭める
「場面を区切る発問」です。

【場面を区切った発問】
・ブラッドレーが請求書を渡した時、お母さんはどんな気持ちだっただろう。
・ブラッドレーは、お母さんの笑顔を見た時、どんな気持ちだっただろう。
・お金を受けとった時、ブラッドレーはどんな気持ちだったのだろう。
・お母さんの請求書を受け取った時、ブラッドレーはどんな気持ちだったのだろう。
・ブラッドレーが涙を流した時、どんな気持ちだったのだろう。

これらは、子どもの思考を狭める発問です。
それぞれの質問で、異なる3つの視点から意見を言えますか?
ある程度答えの幅が限定される発問になっていませんか?
これらの発問は、
結局のところ、子ども達は同じようなことを言うだけの
言葉遊び的時間になり、道徳性が深まりません。
考えるのは簡単ですが、
その分、浅い意見しか期待できないでしょう。

では、次に、
教材全体を捉えて、
多面的・多角的に考える発問を紹介します。

【多面的・多角的に考える発問】
・どちらの請求書が値打ちがあると言えるだろうか。
・この請求書は、いつから続いているのだろうか。
・この請求書のルールは、これからも続くだろうか。
・ブラッドレーがしたことは、間違っているのだろうか。
・ブラッドレーの涙には、どんな意味があるのだろう。
・お母さんの請求書にはどんな意味があるのだろう。
・請求書がないと、ブラッドレーは頑張れないのだろうか。
・請求書を作る前は、ブラッドレーは何を目標に家事をしていたのだろう。
・お母さんはなぜ0円の請求書をわざわざ渡したのだろう。
・ブラッドレーとお母さん、どちらが相手を大切に思っているだろうか。

いかがでしょうか。
それぞれ、考える価値のある、
深い発問です。
大人でも難しい発問ですよね。
「子どもには無理だ」と思っていますか?
全て、私は4年生に投げかけたものです。
全てに、立派な考えを言いましたよ。
「無理だろう」は、
頭の固くなった大人のエゴで、
実は
頭の柔らかい子どもは、
道徳性を深める素地は充分あるのです。

しかし、とはいってもすぐに考えを言えません。
子どもにとっても難しいものです。
1つ発問をしたら、
シーンとなります。
必ずシーンとなります。
それは、「答えられないシーン」のではなく
「考えているシーン」なのです。
その時に聴いてみてください。
「時間をかけて考えたい人?」
きっと多くの手が挙がるでしょう。
そこで、
「(ノートに)書いてみましょう。」
「友達と話してみましょう。」
ということで、
書くことや話し合いが
有意義なものになるのです。

板書は「関係整理型」

黒板の使い方は、フリースタイルです。
縦書きで川流しが悪いわけではないですが、
子どもの思考を広げる観点では、
そうでない場合が有効なことが多いです。
多くの板書の型がありますが、
『ブラッドレーの請求書』は「二項対立型」がいいでしょう。

図のとおりです。

このように、関係図を書くことで、
見えてくるものがあります。
「この矢印の意味は何だろう。」
「意味が変わった矢印はあるかな。」
「どちらが価値があるかな。」と聞くことで、
教科書に書かれていない
道徳的価値に気付くことができます。
それが、「多面的・多角的に見る」ということなのです。

教材を「多面的」に見て,家族愛を「多角的」に見る

道徳は教科になり、「特別の教科 道徳」となりました。
新学習指導要領では、「多面的・多角的な見方」が大切となります。
多面的・多角的な見方について詳しく知りたい方は、
この記事を読んでください。

『ブラッドレーの請求書』では、
発問をすることで、
教材を「多面的」に見ることができます。
そして、多面的な見方から見えた考えを
友達と突き合わせることで、考えの幅が広がります。
その議論を重ねることで、
内容項目の「家族愛」を
多角的に見ることができるのです。

さて、この授業をすると、
どんな考えが出ると思いますか?
一例として書きますが、
この通りになるとは限りません。
いえ、むしろなるはずがないでしょう。
それは、先生と子ども達が違うんですから。
どんな授業がよいとか悪いとかではなく、
先生と子どもで、唯一無二の授業を作ってください。
それが何より、尊いのです。

イメージをもってもらうために、
授業の流れの例をお話しします。

先:先生 子:子ども

先:どちらの請求書が値打ちがあると言えるかな?
子:うーん。・・・・。
先:3つのうちどれかに手を挙げてください。
1つ目、ブラッドレーの請求書に値打ちがある。
2つ目、お母さんの請求書に値打ちがある。
3つ目、どちらとも言えない。
子:(それぞれに手が挙がる)
先:何か言いたいことある人?
子:私は、お母さんの請求書の方が値打ちがあると思う。
ブラッドレーはお金を要求していたけど、
お母さんは0円でお金を求めていないから。
子:ブラッドレーの方が値打ちがあると思います。
やっぱりお手伝いだから、手伝いをした分はお金をもらうべきだと思う。
子:アルバイトと同じ!
先:なるほど。家事はアルバイトと同じということですね。
子:でも、お母さんは0円だから、いらないって言ってる。
先:本当ですね。お母さんはお仕事が好きだから、タダでいいよ、
タダでアルバイトするよって意味で0円としたのかな?
子:うーん。(そうではない気がする。)
先:何か言いたいことある人?
子:お母さんは、ブラッドレーからお金をもらわないのは、
ブラッドレーに感謝しているからだと思う。
先:お母さんがブラッドレーに感謝?
子:お母さんはブラッドレーに、生まれてきてくれてありがとうと
思っている。感謝をしているから、お金なんていらないと思っている。
先:なるほど。
子:わかった。ブラッドレーはそのお母さんの感謝の気持ちに気付いたから、
涙を流したんだ。
先:どういう意味の涙?
子:自分のことしか考えていなかったけど、
自分もお母さんに感謝の気持ちがあったって気付いた涙。
先:反省の涙ってことですね。
じゃあ家族って、「お互いに感謝している関係」ってことですね。

いかがでしょうか。
これは考える時間や脱線も省いていますので、
こんな台本のようなすっきりしたやりとりにはなりませんが、
大まかな流れはこの通りです。
たまたま、「家族は感謝し合う関係」という
流れになりましたが、
他にも家族愛を
多面的・多角的に見たまとめならよいでしょう。
大切なポイントは、

「子どもの言葉を使う」ということです。
先生がかっこつけて、大人の言葉でまとめると
子どもは興ざめです。
無理に大人の言葉に変換しなくてもいいです。
子どもの言葉は純粋さの塊です。
子どもの言葉を紡いで、授業を作り上げていきましょう。

私は、「特別の教科 道徳」の授業のあり方は
変わるべきだと考えます。
これまでの場面ごとに区切る授業から、
多面的・多角的に考えられる授業へと転換すべきです。
時代が多様性を求めているのですから、
道徳も時代に合わせて変わるべきです。
令和の教師は、令和道徳をしましょう。
時代に合わせて変化する人が、
時代に淘汰されずに生き残る人です。

ということで、「4年生『ブラッドレーの請求書』の指導案はこうする!」
このテーマでお話ししました。
また次回をお楽しみに!
分析・解説してほしい教材があれば、
リクエストしてくださいね!