5年

5年「のりづけされた詩」【正直、誠実】の指導案はこうする!

のりづけされた詩

こんにちは。
今日は『5年「のりづけされた詩」【正直、誠実】の指導案はこうする!』
このテーマで教材解説をします。

正直と誠実、よく似た言葉ですね。
この2つは、どうちがうのでしょうか?

2つの言葉の違いを説明できる人は、
道徳マスターと言っていいでしょう!

この2つの言葉の違いを押えると、
「正直、誠実」の内容項目の
授業づくりが一気に楽しくなります。

正直と誠実の違い、
考えていきましょう!

では、解説です!

順番に解説します。

もくじ
  1. 1 教材について
  2. 2 内容項目と教材
  3. 3 導入
  4. 4 発問
  5. 5 まとめ

1 教材について

5年生「のりづけされた詩」(日本文教出版)

A 主として自分自身に関すること
「正直、誠実」
5・6年の目標・・・・誠実に、明るい心で生活すること。

「のりづけされた詩」あらすじ

和枝のクラスでは、学級文集を作ることになった。
題材は決まっているが、書き出しがうまく表現できない。
すると、手に取った本に、タイトルも出だしの2行も、
和枝が表現したいものにぴったりなものがあった。

そのまま使うつもりはなかったのですが・・・。
結局、和枝は本で読んだそのままの表現を使い、
文集は完成します。

和枝は、思い切ってそのことを先生に打ち明けました。
「わかった。」とだけ言った先生。
あることを思いついた和枝。

次の日、みんなの机の上には、
和枝のページに、えんぴつで書かれた別の詩が
1枚1枚のりづけされた文集が置いてありました。

2 内容項目と教材

・正直、誠実それぞれどのような意味でしょうか。
それぞれ広辞苑では次のような意味です。

正直・・・心が正しく素直なこと
誠実・・・真面目で真心がこもっていること

・うーん、言葉の意味はこのようになっていますが、
この言葉をどのように授業で使えばいいのでしょうか。

・結論を言います。順番が大切なのです。
正直は、行動→言葉
誠実は、言葉→行動なのです。

・正直とは何でしょうか。
「正直に言いましょう。」等と使いますね。
これは、自分の行った行動を、
ウソいつわりなく言葉で表現しましょう、という意味です。

・これは、行動が先にあって、そのあとに言葉がある。
行動→言葉ですね。

・もっと具体的に考えてみます。
ある日、教室でAくんが花瓶を割ってしまい、
先生に見つかりました。

・先生は「何があったか正直に言ってごらん。」と言います。
するとAくんは
「遊んでいて、手が当たって花瓶を割ってしまいました。ごめんなさい。」
と言いました。
Aくんは正直でしょうか?

・これは、「花瓶を割ってしまった」(行動)Aくんは、
自分の行いを謝る(言葉)という流れです。
行動→言葉の流れのことを「正直」と呼ぶのです。

・対して「誠実」はどうでしょうか。
正直と似ていますが、「正直に言いましょう。」のように
「誠実に言いましょう。」とは言いませんよね。

・これは、先に言葉があるからなのです。
例えば約束を守る人。
この人は誠実と呼べるでしょう。

・「約束をする」(言葉)行為の後に、「守る」(行動)があるという流れです。
言葉→行動、ですね。

・発した言葉やルールに基づいて行動をすることを、
誠実と呼ぶのです。

・話を戻します。指導要領には「正直、誠実」と
書いてあります。

・これは、順番が大切です。「誠実、正直」とは
なっていないことがポイントです。

・正直は、行動が先でした。
「正直」が先にくるということは、
指導要領では、「まず行動することが大切。」と言っているのです。

・まずは行動をして、言葉で後から補足する。
言葉を先に言って行動するよりも、
まずは先にいいと思うことをやってみましょう。

・動いてみて、初めて分かることがあるんです。
ここまでは拡大解釈かもしれませんが、
実際に教材研究をする際には、

「この教材は、正直に重きを置いているのか、
背実に重きを置いているのか。」を軸として考えましょう。

・1つの教材で両方を大切に扱っているものはほとんどありません。
たいていは正直か誠実、どちらかの色が濃くなっています。

・そして、正直なら正直、誠実なら誠実、重点がどちらか分かったら
その行動をしている人物に焦点を当てて、発問を作ります。

・教材を見てみましょう。
「のりづけされた詩」の和枝は、
正直でしょうか、誠実でしょうか。

・他の本の表現をまねした(行動)のちに、
先生に打ち明ける(言葉)という順ですので、
「正直」ですね。

・つまり、和枝の正直な心について考える
授業展開にすればよいのです。

・誠実はあまり考えなくてよいです。
・しかし、反対にこうも考えられます。
詩を書く約束を光子さんとする(言葉)が、
自分の作品ではないものを書く(行動)、
というようにも見ることができます。
この場合は、誠実に重きを置いてもいいですね。

・「2つあるなんて、言ってることがちがう!」と
思うでしょう。
しかし、上述した正直と誠実は、
注目している場面が違います。
どこに重きを置くかで、
教材の見方が変わってくるのです。

・ここでは、中心場面がきっと
先生とのやりとりの部分だと思われるので、
「正直」にスポットを当てました。

・では、和枝は正直に打ち明けるべきだったのでしょうか。
だれも「5年生の詩集」という参考にした本を知らなければ、
ばれなかったのではないでしょうか。

・それとも、ばれる、ばれないとは関係ないところで
和枝の気持ちが揺れ動いていたのでしょうか。

・和枝はなぜ、先生に打ち明けたのでしょうか。
モヤモヤするぐらいなら、初めからしなければよかったのに、
と思う子もいるでしょう。

・和枝は、たくさんの思いを抱えています。
☆光子さんとの約束を守りたい。
☆「詩が上手」と言われているから、上手であり続けないといけない。
☆いい詩を完成させたい、しかしアイディアがでない自分が情けない。
☆締め切りまでに提出しなければいけない。
☆人の詩をまねしてでも、上手と言われたい。

・これらを全て授業で表現することはむずかしいでしょうが、
和枝の葛藤の要素を、授業者は押えておく必要があります。

・和枝が先生に打ち明けたのは、
ばれるのが恐いからでしょうか?
それとも心のモヤモヤからでしょうか。
良心の呵責(りょうしんのかしゃく)とも言えますね。

・本当のところはわかりませんが、
和枝の気持ちになると、
両方の立場から意見が出てくるでしょう。

・どちらが正解、と結論づけることが目的ではなく、
双方の立場からの意見を聞いて、
考えの幅を広げることが目的です。

・和枝から、本当の正直な心について、
考えを深めていきたいですね。

3 導入

・「正直」ってどういうことですか?と
ストレートに聞きます。

・どんな考えが出てくるでしょうか。
・意見が出ない、もしくは少ない場合は、
辞書を使ってもいいですね!

・辞書を使った導入だと、議論の中で、
辞書の定義では不十分なところが
ほぼまちがいなくでてきます。

・辞書を越える学びが、そこには生まれるのです。

4 発問

・和枝は悪いことをしたのだろうか。
・先生は怒っているのだろうか。喜んでいるのだろうか。
・のりづけされた文集を見て、光子はなんと言うだろう。

・のりづけしている間、和枝はどんなことを考えていたのだろう。
・「いい詩だ」とほめられたのだから、素直に喜んで良いのではないか。
・全てを写しているわけではないのだから、
これはもはや和枝の作品と言ってもいいのではないか。

・新しい詩は、どんな詩だろう。内容を考えてみよう。
・のりづけする前の文集と、のりづけした後の文集、
どちらがいい文集だろうか?
・バレなければ、和枝はスッキリするのだろうか。

5 まとめ

・ポイントは1つ。
「自分の心にうそをつかない」ということです。

・正直でも誠実でも、大切になることは、
このたった1つのポイントです。

・言葉と行動が一致しなければ、
人はモヤモヤするものです。
そこに、約束などで人との関わりが入ると、
余計にモヤモヤするものです。

・言ったことは実行する、
自分の過ちはきちんと伝える、
これらのもとになっていることが、
「自分の心にうそをつかない」なのです。

・このことを、子どもの言葉で表現したいですね!

はい、ということで今日は
『5年「のりづけされた詩」【正直、誠実】の指導案はこうする!』
このテーマでお送りしました!