5年

5年「名前のない手紙」【公正、公平、社会正義】の指導案はこうする!

公正、公平、社会正義

こんにちは。
今日は『5年「名前のない手紙」【公正、公平、社会正義】の指導案はこうする!』
このテーマで教材解説をします。

道徳の学習指導要領が改訂されましたが、
その目玉は「いじめ対策」です。

大津の中学生いじめ自殺事件をきっかけに、
道徳の教科化の議論が一気に進みました。

教科化になる上で強化されたのが、
「いじめ対策」なのです。

「友情、信頼」や「親切、思いやり」
そして「公正、公平、社会正義」といった
いじめに関連する内容項目は
どの教科書会社も、特に力を入れて
編集しました。

今回扱う教材も、
まさしく「いじめ」を題材にしたものです。

では、解説です!

順番に解説します。

もくじ
  1. 1 教材について
  2. 2 内容項目と教材
  3. 3 導入
  4. 4 発問
  5. 5 まとめ

1 教材について

5年生「名前のない手紙」(日本文教出版)

C 主として集団や社会との関わりに関すること
「公正、公平、社会正義」
5・6年の目標・・・・
誰に対しても差別をすることや偏見をもつことなく、
公正、公平な態度で接し、正義の実現に努めること。

「名前のない手紙」あらすじ

理科のテストの点数が思ったよりもよかったわたし。

それがきっかけでクラスのみんなから
仲間はずれにされます。

杉田さんの指令のようでした。

わたしの手紙には、名前のない励ましの手紙が
たびたび入っていました。

ある日、吉野さんが転校することになった。
そのあいさつで、
「仲間はずれをしていました、ごめんなさい。」と
言われました。
他の子もあとに続き、わたしのひとりぼっちが終わりました。

2 内容項目と教材

・「みんな同じ」と学校ではよく聞きます。
では、なにが「みんな同じ」なのでしょうか。

・関わり方? 友達の数? 接する態度?
細かい部分では、「同じ」ではないのに、
学校では「みんな同じ」を求められます。

・その「みんな同じ」という平等の意識が、
偏見や差別を生んでいるのかもしれません。

・大前提として、この教材を扱う際は、
児童の実態をよく考えてください。
同じような思いをしている子が、
クラスにいるかもしれないからです。
そんな状況でこの教材を扱うと、
いじめを助長する可能性があるからです。

・今はするべきでないと判断したときは、
指導計画をずらして、あとにしても構いません。
教科書を教えることが目的ではなく、
教科書で教えることが目的だからです。

・いじめが題材なので、
デリケートに扱った方がいいです。

・この教材では、杉田さん(ミッコ)が
井上さん(わたし)を仲間はずれにするように
みんなに指令を出しました。

・その行動自体は、決して許されることではありませんが、
その『絶対正義』のもとに授業が進んでは、
正解ありきのつまらない道徳になってしまいます。

・こんな難しい問題だからこそ、
これまで育ててきた「多面的・多角的な見方」を
フル活用しましょう!

・杉田さんは、なぜ仲間はずれにしたのか。
杉田さんのよいところはなにか。
井上さん(わたし)のよいところはどこだろう。
などと、視点をちょっと変えるだけで、
人に対する見方が変わります。

・実は人の一面しか見ておらず、
その一面を偏見という目で見て、
その人を「○○な人だ」と決めつけてしまう。
こういう感情から、
いじめが始まることもあるのです。

・「多面的・多角的な見方」ができて、
その見方が子どものスキルになれば、
人を多面的・多角的に見ることができるように
なっていきます。
そうすれば、いじめの種は、子どもたちの間で
自浄されていくようになると、私は信じています。

・この教材の読者である教師・子どもも、
杉田さんを一面的に見ないことが、
授業の広がりをもたせるコツです。
杉田さんにもなにか思いがあったのかもしれません。
本当に悪いのは、杉田さんではないかもしれません。
「わたし」の悪いところがあるかもしれません。

・このように言葉にすると、ややきつい感じがしますが、
私が言いたいのは「視点を広げるために必要な考え方」ということです。
決して、「いじめる側にも原因がある」と言っているわけではないことを
念押しでお伝えしておきます。

・ここでは「勇気をもって正義を実現する」ということが
主題として捉えられていますが、
なかなか現実的にはできるものではありません。

・正義を実現するために大切なことを考えるよりも、
実際のいじめの状況をいろいろな見方で見て、
議論をして多くの考えに触れることで、
それぞれの立場を考える力が伸びて、
心の内側から「いじめはやっぱり許せない」と
いう思いがわきでて、ちょっとでも行動することが、
結果的に「正義の実現」につながっていくのです。

3 導入

・「『仲間はずれ』ってどういうこと?」
☆仲間に入れないこと
☆いやな人と関わらないこと
・「では、どうして仲間外れをするんだろう?」と
さらに聞きます。
このように、一般的な話から入るように努めます。

・「仲間はずれをしたことがある人?」と
生活経験を聞くと、建前の答えしか返ってきません。
過去のことだろうと、先生にそんなことを言いたくないからです。

・今回扱う「いじめ」という題材は、
デリケートなものなので、
常に『教材を通して自分を考える』ことを大切にしましょう。
「自分だったらどうする?」と
安易に自分ごととして捉える問いかけはしないことです。

4 発問

・杉田さんは、なぜ仲間はずれにしたのだろう。
・杉田さんのよいところはどこだろう。
・井上さん(わたし)のよいところはどこだろう。

・いい点数をとって調子に乗ることは、ダメなことなのだろうか。
・このクラスはいいクラスだろうか。
・だれも抗議できない杉田さんは、本当にクラスのリーダーだろうか。

・この話のなかで、だれと友達になりたい?
・吉野さんが転校しなかったら、仲間外れはずっと続いたのだろうか。
・吉野さんが最後に謝らなかったら、仲間外れはずっと続いたのだろうか。

・手紙の差出人は、杉田さんではないのだろうか。
・このあと、井上さんと杉田さんは仲良くできるだろうか。
・手紙は、なぜ、胸の中に明かりがポッと灯ったように感じるのだろう。

・「友達」って必要だろうか。

5 まとめ

・重点項目なので、
今回で全てを結論づける必要はありません。
しかし、「いじめ」について
結論づけておくことは大切です。

☆相手の気持ちを考える。
☆先のことまで考える。
☆困っている人の力になるには、勇気が大切。
☆どんな理由があってもいじめはいけない。
☆相手がイヤだと思ったら、それはいじめ。

などなど、学級の実態や授業者の考えに合わせて、
結論の言葉は変えてください。

・道徳のまとめで、教師が結論づけることは
私はあまり推奨していませんが、
今回の「いじめ」という題材は、
実際にいじめが起きたら教師が盾になる必要があるため、
教師のメッセージを強く伝えておく必要があります。

・「教師の説話」として、
いじめはだめ、というメッセージを伝えることが
授業のよいシメになるでしょう!

はい、ということで今日は
『5年「名前のない手紙」【公正、公平、社会正義】の指導案はこうする!』
このテーマでお送りしました!