5年

5年「くずれ落ちた段ボール箱」【親切】の指導案はこうする!

親切、思いやり

こんにちは。
今日は『5年「くずれ落ちた段ボール箱」【親切】の指導案はこうする!』
このテーマで教材解説をします。

今日あつかう教材は、
「くずれ落ちた段ボール箱」
いわゆる『定番教材』というものです。

定番教材は、実践が数多くあり、
ある程度型が決まってきているものもあります。

もちろん、先人がその実践でうまくいったから
記録が残っているのですが、
そのまま踏襲するのではなく、
自分なりの視点も入れたいですね!

かといって、「車輪の再発明」のように
一から教材研究はせずに、
先人の功績の上に立ち、
よりよい授業を目指していきましょう!

では、解説です!

順番に解説します。

もくじ
  1. 1 教材について
  2. 2 内容項目と教材
  3. 3 導入
  4. 4 発問
  5. 5 まとめ

1 教材について

B 主として人との関わりに関すること
「親切、思いやり」
5・6年の目標・・・・
誰に対しても思いやりの心をもち、
相手の立場に立って親切にすること。

5年生「くずれ落ちた段ボール箱」(日本文教出版)

「くずれ落ちた段ボール箱」あらすじ

「わたし」は友達の友子さんとショッピングセンターへ
買い物にでかけた。

そのとき、男の子が積んであった段ボールに触って走り出し、
その後段ボールは崩れた。
男の子のおばあちゃんは、段ボールを片付けようとするが、
走り出した男の子を気にしている様子。
わたしと友子は、「わたしたちがやりますよ」と言って
片付けを代わりにやった。

すると、店員さんが2人を見て、「困りますね。」と怒ってきた。
「ちがいます」と言えなかった2人。
その後、おばあちゃんが男の子と帰ってきて、お礼を2人に言った。
「いいえ、いいんです。」と言って2人は立ち去った。

後日、学校にお礼の手紙が届いて、校長先生が全校の前で読んだ。
それは、ショッピングセンターの方からで、
事情を知らず一方的に怒ったことのお詫びと、感謝の手紙だった。

2 内容項目と教材

・「親切、思いやり」この2つは特によく似ていますね。
違いは?と聞かれて,即答できる人は少ないでしょう。

・しかし、類似した言葉の違いこそに意味があるのです。
ズバリ「親切」は行為を表し、「思いやり」は心を表すのです。

・『親切な行為』とは言いますが、「思いやりの行為」とは言いませんよね。
『思いやりのある行動』とは言いますが、「親切のある行動」とは言いませんよね。

・つまり、親切は「思いやり+行動」であるのに対し、
思いやりは心そのものを表すのです。

・どちらも相手を思うことには変わりないですが
授業で扱う教材は「親切」なのか「思いやり」なのかを判断することが大切です。

・実際の教材研究の場面では、
①この教材は「親切」「思いやり」どちらに重きを置いているのかを考える。
②例えば「親切」ならなぜその行動をしたのか、
と行為を生んだ心を考えることができるような発問を考える。
という流れで行うと、本質に向かった授業になっていきます。

・ここでもう一度、目標を確認してみましょう。
「誰に対しても思いやりの心をもち、
相手の立場に立って親切にすること。」とあります。
『相手の立場に立って』とありますね。
この部分がポイントになります。

・人は相手の気持ちを考えることができます。
相手の気持ちを考えて、自分の感情と共通する部分が見つかったり、
悲しみの気持ちや同情の気持ちが芽生えたとき、
何かをしてあげたくなります。

・それが、「相手の立場に立って」の部分なのです。
相手が求めていないのに、進んでやることは親切ではありません。
相手の気持ちを考えずに行う親切は、もはや「大きなお世話」です。

親切にもいろいろな形がある、
という多角的な見方を大切にしましょう。
そして、本当の親切とは何か、
まとめの段階で再定義をできると、
授業が締まります。

・この教材では中心場面として、
「いいえ、いいんです。」と言った2人の気持ちを考える部分が
ピックアップされます。

・「いいえ、いいんです。」は、複数の意味で解釈できます。
①本当は違うのに、誤解で店員さんに怒られた怒り
②男の子が直接2人にお礼をなぜ言わないのかという怒り
③怒られるぐらいなら親切にしなければよかったという後悔
④店員さんにきちんと説明すればよかったという後悔
⑤いいことをして気持ちがよく、清々しい。
⑥おばあちゃんからご褒美を期待していたが、なにもなくて残念。

・多くの視点から、「いいえ、いいんです。」の意味を考える活動です。
この解説を書くにあたり様々な実践を調べましたが、
この実践が圧倒的に多かったですね。

・ということでこのすばらしい実践を参考に、
授業を組み立ててください!
と言うのは乱暴なので、
わたしなりの展開を紹介します。

・上記の実践とはまた違った視点なので、
どちらがいいというわけではなく、
幅広い授業展開の手法を得るという意味で
お知りください。

・この教材には、親切がいくつかあります。
①2人が段ボールを片付け始める時
②おばあさんに「わたしたちがやります」と言った時
③おばあさんが2人に「ありがとうございます」と言った時
④店員さんが手紙を学校宛てに書いた時

・いずれも、単発では発生した親切ではなく、
全て『相手のこと』を考えた親切です。

・まさしく目標にある『相手の立場に立って』いる姿ですね。
では、ここで聞いてみたくなります。

・おばあさんが「ありがとうございます」と言わなかったら、
2人は親切をしたことにならないのでしょうか。
・店員さんの手紙がなかったら、2人はモヤモヤしていたのでしょうか。

・この2つ、どう思いますか?
考えてみたいですよね。

・「ありがとう」と言われたい、または「感謝の手紙がほしい」
と思って親切にしたのであれば、
見返りを求めて親切にしていることになります。

・見返りを求める親切は、親切と呼べるのか?
と新しい発問がまた出てきます。

・思いやりは、困っている相手に対して、
「なにかをせずにはいられない心」です。
2人が思わず段ボールを片付け始めたのは、
思いやりの心があったからです。

・おばあちゃんが「ありがとう」と言ったのは、
自分の代わりに片付けという大変な作業をした
2人の心を受け止める、思いやりの心があったからです。

・店員さんが手紙を書いたのは、
おばあちゃんから話を聞き、2人の思いを想像する
思いやりの心があったからです。

・こう考えると、思いやりは相手の立場に立って考えることで、
自然と湧き出てくるものと言えますし、
親切は行動はつながっていくものであると言えます。

・つまり、「思いやりはリレー」という結論も、
まとめの1つとしてありなのです。

・教材全体を通して考えると、
大事な場面が複数出てきます。
その親切が「つながっている」と実感できると
達成感のある授業になるでしょう!

3 導入

・前回の「やさしいユウちゃん」のまとめを
今回の導入にしましょう。
そうすることで、道徳の授業が積み上がっていきます。

・または、「親切ってなんのためにするの?」と
親切の意義を聞きます。
☆相手に喜んでもらうため
☆困った人を助けるため
などの意見が出るでしょう。

・「では、『ありがとう』と言われたいから親切にする、は正しい?」
と聞きます。
きっと、「うーん」となるでしょう。
・「今日の授業で『親切』について考えましょう」と言って
教材に入ります。

4 発問

・おばあさんが「ありがとうございます」と言わなかったら、
2人は親切をしたことにならないのでしょうか。
・店員さんの手紙がなかったら、2人はモヤモヤしていたのでしょうか。
・2人は怒られたとき、おばあさんをかばって
「ちがいます」と言わなかったのだろうか。

・親切にしても怒られたから、2人の行為はムダなのだろうか。
・見返りを求める親切は、親切と呼べるのか?
・手紙が2人にくれた心はなんだろう。

・おばあさんはなぜ、あのあと店員さんに2人のことを伝えたのだろうか。
・2人が片付けずにそのまま通り過ぎたら、どうなっていただろう。
・わたしと友子は、今回のことでどんな心が成長しただろうか。

5 まとめ

・一般的な展開であれば、
☆親切は、
①相手のためにする 
②自分自身のためにする
というまとめになるかもしれません。

・しかし、今回の教材はやや難しいです。
それは、親切にしたら誤解された怒られた、というものですので、
レアなケースだからです。

・それよりは、
親切にしたけど相手に伝わらず感謝されなかった
という教材の方が身近な状況としては多いでしょう。
そうなると、☆のようなまとめは有効です。

・今回のまとめは☆ではしっくりこないので、
思いやりはつながっていく。
思いやりはリレー
というまとめがいいのではないのでしょうか!

はい、ということで今日は
『5年「くずれ落ちた段ボール箱」【親切】の指導案はこうする!』
このテーマでお送りしました!