2年

2年「お月さまとコロ」【正直、誠実】の指導案はこうする!

正直、誠実

こんにちは。
今日は『2年「お月さまとコロ」【正直、誠実】の指導案はこうする!』
このテーマで教材解説をします。

正直と誠実、よく似た言葉ですね。
この2つは、どうちがうのでしょうか?

2つの言葉の違いを説明できる人は、
道徳マスターと言っていいでしょう!

この2つの言葉の違いを押えると、
「正直、誠実」の内容項目の
授業づくりが一気に楽しくなります。

正直と誠実の違い、
考えていきましょう!

では、解説です!

順番に解説します。

もくじ
  1. 1 教材について
  2. 2 内容項目と教材
  3. 3 導入
  4. 4 発問
  5. 5 まとめ

1 教材について

A 主として自分自身に関すること
「正直、誠実」
1・2年の目標・・・・
うそをついたりごまかしたりしないで、素直に伸び伸びと生活すること。

2年生「お月さまとコロ」(日本文教出版)

「お月さまとコロ」あらすじ

コオロギのコロは、自分の思い通りにならないと
すぐに怒ったり文句を言ったりします。
友達がいなくなり、今では友達はギロだけです。

ギロが遊びに誘ったり歌を教えてくれたりしましたが、
コロは「くだらないよ。」などと言ってしまいます。

ついにギロは怒り、「もうきみとは遊ばない。」
と言って帰っていきました。

その夜、コロは謝ろうか考えていると、
お月さまが出てきてコロに言いました。

「きみの顔を、草のつゆの玉で見てごらん。」

そこに映ったのはコロの暗く沈んだ顔。
コロは、胸をはって歌ってみると晴れ晴れとした気持ちになり、
「明日、ギロくんに謝ろう。」と心に決めたのでした。

2 内容項目と教材

・正直、誠実それぞれどのような意味でしょうか。
それぞれ広辞苑では次のような意味です。

正直・・・心が正しく素直なこと
誠実・・・真面目で真心がこもっていること

・うーん、言葉の意味はこのようになっていますが、
この言葉をどのように授業で使えばいいのでしょうか。

・結論を言います。順番が大切なのです。
正直は、行動→言葉。
誠実は、言葉→行動なのです。

・正直とは何でしょうか。
「正直に言いましょう。」等と使いますね。
これは、自分の行った行動をウソいつわりなく言葉で表現しましょう
という意味です。

・これは、行動が先にあって、そのあとに言葉がある。
行動→言葉ですね。

・もっと具体的に考えてみます。
ある日、教室でAくんが花瓶を割ってしまい、
先生に見つかりました。

・先生は「何があったか正直に言ってごらん。」と言います。
するとAくんは
「遊んでいて、手が当たって花瓶を割ってしまいました。ごめんなさい。」
と言いました。
Aくんは正直でしょうか?

・これは、「花瓶を割ってしまった」(行動)Aくんは、
自分の行いを謝る(言葉)という流れです。
行動→言葉の流れのことを「正直」と呼ぶのです。

・対して「誠実」はどうでしょうか。
正直と似ていますが、「正直に言いましょう。」のように
「誠実に言いましょう。」とは言いませんよね。

・これは、先に言葉があるからなのです。
例えば約束を守る人。
この人は誠実と呼べるでしょう。

・「約束をする」(言葉)行為の後に、「守る」(行動)があるという流れです。
言葉→行動、ですね。

発した言葉やルールに基づいて
 行動をすることを「誠実」と呼ぶのです。

・話を戻します。指導要領には「正直、誠実」と
書いてあります。

・これは、順番が大切です。「誠実、正直」とは
なっていないことがポイントです。

・正直は、行動が先でした。
「正直」が先にくるということは、
指導要領では、「まず行動することが大切。」と言っているのです。

・まずは行動をして、言葉で後から補足する。
言葉を先に言って行動するよりも、
まずは先にいいと思うことをやってみましょう。

・動いてみて、初めて分かることがあるんです。
ここまでは拡大解釈かもしれませんが、
実際に教材研究をする際には、

「この教材は、正直に重きを置いているのか、
背実に重きを置いているのか。」を軸として考えましょう。

・1つの教材で両方を大切に扱っているものはほとんどありません。
たいていは正直か誠実、どちらかの色が濃くなっています。

・そして、正直なら正直、誠実なら誠実、重点がどちらか分かったら
その行動をしている人物に焦点を当てて、発問を作ります。

・教材を見てみます。
コロは、「正直」のものさしで考えるほうがよいでしょう。

・「いやだ。」「気持ちが悪い。」などと
ギロに対して言っているコロは正直でしょうか?

・いやなことがあったら「いや」と言う。
これは自分の気持ちを素直に表現しているので、
コロはむしろほめられるべきではないでしょうか?

・「正直に言うこと」は、むしろ推奨されていますよね。
だから、「コロは正直に言っているから、正しいことをしているのではないか?」
という発問が考えられます。

・ですが、この発問は、「正しい」とは答えにくいです。
正直に答えることは正しいのに、コロは悪い子に映る。

・この矛盾はなんでしょうか?
なぜ、コロは正直に自分の思いを話しているだけなのに、
よくない雰囲気になっているのでしょうか。

・ここで考えたいのは、
コロはギロと仲良くしたい気持ちがあるのかどうか、
ということです。

・ギロと仲良くしたくなければ、
正直に自分の気持ちを言うことは正しいでしょう。

・しかし、ギロと仲良くしたい気持ちがあるのなら、
「いやだ。」というのは本当の気持ちでないので、
正直ではない、ということになります。

・自分の気持ちを素直に表現することは大切ですが、
自分に嘘をついているコロは、本当の正直とは言えないのです。

・では、なぜコロは本当の気持ちではないことを
言ってしまったのでしょうか。

・真相はわかりませんが、
☆友達より自分がえらいと思っている。
☆友達が自分に優しくして当たり前。
などと、間違った友情の形をコロが認識しているからだと
考えられます。

・お月さまに言われて自分の顔を見たコロは、
友達にひどいことを言って、
暗くなっている自分の顔を認識し、
自分の思っていた友情の形が間違っていることに気づいたのです。

・そして、友達の関係をつくるためには、
正直に自分の思ったことを言うことがいい、と
思い切って歌を歌うことで気づいたのです。

・「友情、信頼」の視点からの意見も多く入るでしょうが、それでOKです。
コロとギロの友達関係をつなぐものが、「正直」だからです。

・定番教材なので、多くの実践がなされています。
重点場面はいろいろと設定されていました。
☆コロが暗くしずんだ自分の顔を見たときの気持ち
☆コロは、なぜ涙が出てきたのか。
☆コロは、なぜ心が晴れ晴れとしてきたのか。
☆なぜギロに謝ろうと思ったのか。

・どれもよい重点だと思います。
この中から中心場面を選んでもよいでしょう。

・わたしからさらに視点を追加するとすれば、
☆コロが謝ってギロが許してくれなければ、
コロの正直な気持ちはムダになってしまうのだろうか。

・このポイントです。
自分勝手にしていたコロは、お月さまと話して
謝ることを決心しましたが、
ある意味では「謝ると決めたこと」も「謝ること」も
自分勝手な行動であると言えます。

・当然、ギロは許してくれない可能性もあるでしょう。
そうであれば、コロの晴れ晴れとした気持ち、
流した涙は全てムダになってしまうのでしょうか?

・子どもたちと考えてみたいところですね!

3 導入

・同じ内容項目で「金のおの」があります。
その時間のまとめを、今回の導入に使ってもよいでしょう。

・もしくは、
「思ったことを正直に言うことは、いいことですか?」
と聞きます。
「いいこと」と答える子が多いでしょう。

・導入でこのように聞くことで、
この後の発問の
「思ったことを正直に言っているのだから、コロはいい子ではないか。」
が意味をもちます。

・「導入で『いいこと』とみんな言っていたよね?
じゃあコロもいい子、でいいですね?」と念押しすることで、
子どもは「うーん」と深く考えだします。

・道徳の授業も回を重ねてきました。
ちょっと子どもに発問で負荷をかけても大丈夫なほど
子どもは思考が育ってきているはずです!
チャレンジしてみましょう。

4 発問

・思ったことを正直に言っているのだから、コロはいい子ではないか。
・ギロはなぜコロを何度も誘ってくれたのだろう。

・ギロは許してくれるだろうか。
・コロは自分の顔を見て、なにに気づいたのだろう。

・ギロ以外の友達には謝らなくていいのだろうか。
・コロはなぜ今まで謝ろうと思わなかったのだろう。

・コロはなぜ、お月さまの言うことだけ素直に聞いたのだろう。
・お月さまと友達になればいいのではないか。

5 まとめ

・ポイントは次の通りです。
☆自分の心にうそをつかないこと。
 ☆友達と仲良くするためには正直な心が大切
↓そうすると
自分も友達も気持ちがいい。

・この2つのいずれか、
または両方が子どもの言葉で表現できるといいですね!

はい、ということで今日は
『2年「お月さまとコロ」【正直、誠実】の指導案はこうする!』
このテーマでお送りしました!