こんにちは。
今日は『5年「すれちがい」【相互理解】の指導案はこうする!』
このテーマで教材解説をします。
相互理解とは、文字通り互いに理解すること。
理想の関係ですが、なかなか難しいですよね~。
親友やカップルという近い存在、
ましてや夫婦でさえ、
互いに相手のことを完璧に理解している!
と言える人は少ないのではないでしょうか。
そもそも、相手を理解するって
どんな状態でしょうか?
相手を理解するには、
自分にはどんな心があればいいのでしょうか?
今日の記事で考えていきましょう!
では、解説です!
1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ
順番に解説します。
1 教材について
C 主として集団や社会との関わりに関すること
「相互理解、寛容」
5・6年の目標・・・・自分の考えや意見を相手に伝えるとともに、謙虚な心をもち、広い心で自分と異なる意見や立場を尊重すること。
5年生「すれちがい」(日本文教出版)
あらすじ
よし子とえり子はピアノ教室に一緒に行く約束をした。
待ち合わせ時間はまたえり子が連絡をすることにした。
よし子は、待っても電話が来ないし、待ち合わせ場所に行くことにした。
しばらく待ってもえり子が来ないので、1人でピアノ教室に行くことにした。
えり子が時間ギリギリにやってきたが、よし子は知らん顔をした。
えり子は、母の都合を聞いて待ち合わせ時間を連絡しようとしたが、急に買い物を頼まれた。
買い物に時間がかかり、帰ってきたら時間がだいぶ経っていた。
急いで待ち合わせ場所に行ったが、よし子はいない。
ピアノ教室に行ったら、起こった様子のよし子がいた。
「私の言うことも聞いてくれたっていいのに・・・。」
2 内容項目と教材
「相互理解、寛容」の目標は、
自分の考えや意見を相手に伝えるとともに、謙虚な心をもち、広い心で自分と異なる意見や立場を尊重することとあります。
分解すると、次の通り。
①考えや意見を相手に伝える。
②謙虚な心をもつ。
③自分と異なる意見や立場を尊重する。
この3つに分けられます。
1つの教材で目標の全てを達成するのは難しいですから、どこかに重点を置く必要があります。
1つの教材で目標の全てを達成するのは難しいから、『重点項目』として複数の教材で考えていく必要があるんですね。
実際、日本文教出版の教科書でも、「相互理解、寛容」は2つの教材が割り当てられています。
では、「すれちがい」は①~③のどれが重点になるでしょうか?
たぶん①と考える人が多いでしょう。
よし子もえり子も、どうにか自分の気持ちや事情を伝えていれば、こんなことにはならなかった。
だから、①が大切と考えるのは、もっともです。
しかし、もう一段階深く考えたいところです。
③「自分と異なる意見や立場を尊重する」は「すれちがい」には当てはまらないでしょうか。
相手の意見や立場を尊重する。
相互理解、寛容には大切な言葉が目標から抜けています。
想像力です。
相手のことを、~かもしれないと想像することで、自分も同じ経験をしていれば自分勝手な考えを抑えるきっかけになります。
相手に伝わっていないかもしれない、と想像することで、自分の考えをきちんと伝えようという意欲がわきます。
相互理解の根底には、想像力が必要なのです。
授業で板書したり、子どもに言わせたりする必要はありませんが、「想像力」が大切であることを頭にいれておきましょう。
「寛容」はどうなのか。
「謙虚」はどうなのか。
この教材ではほとんどその要素はありません。
なぜなら「すれちがい」は同級生同士の話で、相手のことを受け入れる、自分をへりくだらせる、という視点は現実的にあまり必要とされない間柄だからです。
相互理解、そのためには「相手に伝える」「相手を尊重する」ことが大切。
その根幹には「想像力」が必要。
この部分を核にして、授業を進めましょう。
まとめも、このポイントが押さえておければ大丈夫です。
教材は細かい情報が入り乱れてやや複雑ですから、授業の核はシンプルに考えましょう!
また、前回の教材「折れたタワー」では、相手の心を想像して、痛みや苦しさがわかり、適切な判断や行動することを押さえました。
そのまとめを導入や授業で使用してもいいですね!
最後に、いつもお伝えしていることです。
行動を考えることはできるだけやめましょう。
✖︎ えり子はどうすればよかったのか。
✖︎ よし子はどうすれば防げたのか。
✖︎ お母さんはどうすればこんなことにならなかったのか。
道徳は行為ではなく、行為を生む心を考える教科です。
行為を考える活動は、道徳的価値を深める思考になりにくいので、できるだけ控えましょう。
3 導入
T:教師 C:子ども
T:今日の教材は「すれちがい」という題名です。
友達とすれちがいをしたことはありますか?
C:うーん。
T:体のすれちがいと心のすれちがいがあります。
C:心のすれちがいはあるかもしれない。
C:友達のことを誤解していことがある。
T:すれちがいができるだけ起こらないようにするには、どんな心が大切なのか、考えていきましょう。
4 発問
・悪いのはどちらだろうか。
・よし子は待っている間、自分のことと相手のこと、どちらを考えている時間が長いだろう。
・相手のことをよく考えているのは、どちらだろう。
・この話で喜んでいるのは誰だろう。
・2人は本当に仲が悪いのだろうか。
・この手紙は誰に向けて書いた手紙だろうか。
・2人とも、相手のことを考えていないのだろうか。
・相手を「許してあげる」なら、仲良くなるのだろうか。
・このぐらいのことでケンカをするなら、2人は本当は仲が良くないのではないか。
5 まとめ
相互理解、そのためには「相手に伝える」「相手を尊重する」ことが大切。
その根幹には「想像力」が必要。
この2点を押さえたまとめができるといいですね!
はい、ということで今日は
『5年「すれちがい」【相互理解】の指導案はこうする!』
このテーマでお送りしました!
また明日もお楽しみに。
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