学級経営

毎日,全員と話すにはシステムを作れ!

小学校で担任をしている先生向けの内容です。

生徒指導の基本を知っていますか?

それは,

子どもと1対1の関係を築くこと

です。

いくら子どものことを叱っても,褒めても,子どもとの関係ができていなければ,全く意味がありません。



小学校では,担任の先生は,毎日,ほぼ全教科で子どもと関わるため,子どもとの関係を構築しやすい校種と言えるでしょう。

しかし,次の質問にYesと答えられますか?

毎日,子ども全員と話していますか?

自信をもってYesと答えられる人は少ないのではないでしょうか。

やはり,子どもは先生に気にかけてもらえると嬉しいものです。あからさまに嬉しそうな顔をする子もいれば,ちょっと避けるような仕草をする子,照れる子,無表情の子・・・。しかし,自分に関心をもってくれる人に関心をもつ,これは心理学でも証明されている立派な人間の本来もつ性質なのです。

毎日子どもと話し,関心を示し続けていれば,子どもは変わらないはずはありません。

有事(何かコトが起こった時)の際は,日頃の積み重ねが功を奏すことは間違いありません。

「よし,じゃあ2学期は毎日全員と話すぞ!」

「楽勝でしょ!」

と意気込んでも,『意識』だけでは,無理が生じます。

疲れていたり,忘れていたり,行事や授業で忙しかったり,不意に同僚や保護者から呼ばれたり,生徒指導が続いたり・・・・。先生は何かと忙しいものですから,せっかくのいい『意識』も続きません。そして,「毎日全員と話せていない。」と自己嫌悪に陥ってしまうかも。。。

そこで,子ども全員と毎日話すためには,

子ども全員と話すシステムを作れ!

と皆さんに声を大にして伝えます。

では,どんなシステムなのか。私は2つの方法を提案します。

(1)シェイクハンズ法

私の学級では写真のような「一人一役」を設けています。また,給食の仕事も同じように人数分作っています。

《やり方》

①人数分の仕事を考える。

②「名前」のところに,子どもの名前を入れる。

③できたシートをミニホワイトボードに貼る。

④子どもたちの好きなキャラクターをプリントしたミニ磁石を作る。

⑤子どもは,仕事が終わったら,先生に「仕事が終わりました」と報告に来て,

握手をします。

⑥カゴから④で作ったマグネットを取って,③のシートの名前の部分に貼ります。

⑦以下,⑤⑥を毎日繰り返す。



補足

※仕事が終わっていない人は,マグネットに名前が隠れず,名前が見えたままなので,呼びかけも簡単にできます。
※次の日の朝の会で,仕事ができなかった人(マグネットを貼れていない人)は,名前を司会から呼ばれます。(呼ばれるだけだけど,なんとなく恥ずかしい)

※曜日によっては仕事がない子どももいます。その場合は,「今日は仕事がありませんでした。」と,仕事がなくても報告にくるように伝えます。

この方法だと,子どもたちは毎日,自ら先生のところにやってきます。そして,必ず「仕事が終わりました。」と話してきます。先生は,「いつもありがとう。今日発表頑張っていたね。」などと,ねぎらいや感謝に,一言添えるだけでOK。

「握手はいらないんじゃないの?」という声をよく聞きますが,握手が重要なのです。毎日握手をすることで,表情等のちょっとした変化に気付く機会が多くなります。気になる子は,握手の手を離さず,「大丈夫?」と聞くこともあります。6年生でも握手を毎日する習慣にすれば,平気です。思春期の女の子でも,私は拒否をされたことはありません。



(2)連絡帳チェック法

 次に,連絡帳チェック法です。私の地域では,子どもが毎日,次の日の時間割を書いて,先生に見せるという習慣があります。5校勤めましたが,どの学校でもそうなので,きっとこの地域がそうなのでしょう。

 そんな習慣をプラスに考えます。

 朝,連絡帳を書いたら,先生のところに持って行きます。その時に,「丁寧に書けているね。」「今日も元気だね!」「この○っていう字,きれいだね!」等とプラスの発言を一人一人にしていきます。行列ができますが,子ども一人一人との時間を確保するには朝のこの連絡帳タイムが貴重な時間です。

 
連絡帳がきちんと書けているかチェック

子どもの表情をチェック

昨日や今朝の褒めることはないか記憶チェック


いろいろとすることはありますが,子ども1人1人と話すことができます。

特に声をかけることがない!と困った時には,「今日も元気にがんばろう!」「好きな食べ物は?」等と励ましや雑談でOK!

子どもは,先生と『何気ない会話』をする方が楽しいんです。

「私のところは,連絡帳を朝に書く習慣がない学校なんですが・・・。」

という先生。工夫次第で同じようなことができます。

○宿題で3行日記を出してみる

○「今日頑張ることを,朝先生に言いに行く」というルールを作る

○宿題はカゴではなく先生に直接出す

新しいことを始めなくても,ちょっとした工夫で子ども全員と話すシステムを作ることは可能です。
夏休みという長期休暇を利用して,2学期からのシステムを考えてみましょう。




以上,子ども全員と毎日話すために2つの方法を紹介しました。私は,(1)シェイクハンズ法を使っています。

『意識』ではなく『システム』で子ども全員と話すこと心がける。

難しいことをする必要はありません。

ちょっとしたことで劇的に教室は変えられます。



皆さんが,2学期からの仕事がますます楽しくなりますように!