4年

4年「貝がら」【相互理解】の指導案はこうする!

相互理解、寛容

こんにちは。
今日は『4年「貝がら」【相互理解】の指導案はこうする!』
このテーマで教材解説をします。

「相互理解、寛容」は、ザ道徳と言っていいぐらい、
道徳っぽい項目です。

シンプルなようで、
子どもに身近な価値観なので、
実に奥が深いところ。
実際に授業をすると、袋小路になってしまうこともあるでしょう。

今回例示する教材も、そんな考えドコロがたっぷりある教材です。

何に気をつければいいのか。
授業の着地点は何なのか。
1つずつ考えていきましょう!

では、解説です!

1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ

順番に解説します。

1 教材について

B 主として人との関わりに関すること
「相互理解、寛容」3・4年の目標・・・・
自分の考えや意見を相手に伝えるとともに、
相手のことを理解し、自分と異なる意見も大切にすること。

4年生「貝がら」(光文書院)

あらすじ
4年生に進級した「ぼく」は、隣の席が中山くんだった。
3年生の終わりに転校してきたらしい。
でも、何を話しても全然しゃべらない。

図工の時間に中山くんが書いた海の絵がとても上手だったので、
「うまいなあ」と言った。
すると、
「前に住んでいたところ。きれいな貝がらがいっぱいあるんじゃ。」
それを聞いて前の席の女の子が笑った。

ぼくは中山くんが黙っていた理由がわかった。

ぼくが病気になって欠席したとき、中山くんが貝がらを箱に入れてお見舞いにきてくれた。
ぼくは、学校に行ったら今度こそ中山くんと仲良くなれる。
そう思った。

2 内容項目と教材

この項目は、「親切、思いやり」と混同されますが、
「親切、思いやり」は、相手のことを考えて進んで親切にすること(行動)
「相互理解、寛容」は、相手のことを理解し、意見や考えを尊重すること(思考)
です。

両者は似ていますが、「親切、思いやり」は行動まで求めているのに対し、
「相互理解、寛容」は、相手の考えを尊重するという思考までしか求められていません。

「え、ムズっ!」難しいですよね。
だから、この項目は、低学年にはなく、中・高学年にしか配当されていないのです。

ちなみに、高学年の目標は次のとおりです。

「自分の考えや意見を相手に伝えるとともに、謙虚な心をもち、広い心で自分と異なる意見や立場を尊重すること」

高学年では、『自分の意見も相手の意見も、同じように扱う』という感じが伝わってきます。

対して、中学年は相手のことも大切にするが、自分の意見はもっと大切にするという感じです。
つまり、中学年は相互理解度合いの重きは自分50%、相手50%ではなく、
自分の意見の方に重きが置かれているので、
自分75%、相手25%ぐらいの感覚でいましょう。

教材を見てみます。

「ぼく」は、中山くんと隣の席になったことがきっかけで、積極的に話しかけます。
しかし、中山くんは何も言いません。
腹を立てていますが、次第に誰にでもそんな態度であることに気づきます。

では、なぜ中山くんは、黙っていたのでしょうか。
後に、話し方がみんなと違うから、という理由が明らかになります。

では、3年生の終わり頃に転校してきて、中山くんにはどんなことが起きたのでしょうか。

きっと、大きな声で話したり、中山くんも仲良くなろうと積極的に話しかけたのでしょう。

でも、「変なしゃべりかた!」「おかしい!」と噂されたり、非難されたりしたのでしょう。

だから、中山くんは恥ずかしくなって、「しゃべらない」ことが最良の選択だと思い、その行動を4年生でも続けていたのです。

本人ではどうすることもできない事柄を話題にあげて、非難することはいじめの始まりの典型的な例です。

例えば、自分の名前、家族のこと、髪の毛やほくろ・イボ・あざといった体の特徴、住んでいる家、地域、宗教、さらには人を好きになるという恋愛感情もです。

これらは、とてもデリケートなもので、軽はずみに話題にするべきではありません。
自分から話すのはいいとしても、人のことを掘り起こして聞くことではありません。

中山くんが転校してきたころは、周りの友達は残念ながらそういったことに配慮のない子ばかりだったのでしょう。

中山くんのように、自分ではどうすることもできないことを恥ずかしいと思い、本来の自分を出せないようになると、いじめの温床が出来上がります。

では、どうすればいいのでしょうか?

中山くんに「気にするな」と言って、精神的に強くなることを求めるのでしょうか。
それは、「いじめられる側も悪い」と言っているようなものです。

そうではなく「ぼく」のように、積極的に話しかけたり、得意なことを見つけたり、困っている原因を考えたりして、その人に好意的な関心をもつことが大切です。

ましてや、同じクラスの女の子は中山くんのことを笑っています。

まだいじめの温床が発生しないとも言い切れません。

そんなときに「ぼく」のような、自分のよいところを見つけてくれる人がいると、救われたような気持ちになるのは、当然でしょう。

そんな大切な友達が休んだら、大切な宝物を持っていってお見舞いの気持ちを表明するのも、とても納得できます。

では、このあと「ぼく」と中山くんはどんな話をするのでしょうか?

・貝がらをきっかけに中山くんがいたところの話
・お互いの興味のあることの話
・3年生のとき、転校してきてどんな思いだったか

いろいろな話をすることでしょう。

この教材の先を考える活動も、大切な活動です。

教材だけを読むと、「ぼく」は中山くんと仲良くなった、というだけに見えますが、
教材の前や後を考えると、中山くんの思いや「ぼく」の相手を思う心のよさが見えてきます。

この教材は、道徳の1教材目です。

「上学年」と呼ばれる4年生になった子どもたち。
初めて、先輩よりも後輩のほうが多い学年になります。

もう「手本」となる機会が、4年生からはグンと増えてくるのです。

また、いろいろなことに頭も働く学年です。

この教材を使って、「相手の立場に立つ」ひいては「いじめ」について考えることで、一年間、いじめのないクラスづくりを基盤に置いていることを伝えることができます。

・「ぼく」の立場から
・中山くんの立場から
・クラスメイトの立場から

それぞれの立場でこの教材について考えることで、視点に広がりが出てくることでしょう。

子どもの意見を否定せず、「広げる」ことを意識して取り組んでみてくださいね。

3 導入

T:教師 C:子ども

T:「いじめ」ってなぜ起こるのでしょう?
C:仲間はずれをするから。
C:悪口を言うから。

T:なるほど。では今日は「いじめ」についてみんなで考えましょう。
4年生最初の大事な道徳です。

4 発問

・「ぼく」は、しゃべらない中山くんよりも他の友だちと仲良くなる方がいいのではないか。
・ぼくはなぜ、中山くんと仲良くなりたかったのだろう。
・ぼくは、中山くんと隣の席だから、しょうがなく話しかけていたのだろうか。

・中山くんの話し方を笑った女の子と、黙っている理由がわかったぼく、心は同じだろうか、違うだろうか。
・「ぼく」は中山くんの話し方をおかしいとは思わなかったのだろうか。
・貝がらは、「もうぼくとは関わらないでほしい」というお別れの意味ではないのか。

・中山くんは、「ぼく」と仲良くなりたいのだろうか。
・貝がらは、2人の関係のなにを表しているのだろう。
・なぜ中山くんは、黙ることに決めたのだろう。

5 まとめ

◎「相手の立場に立つ」ために大切な心を考える。

  ■自分だけでなく相手の考え(意見)も聞いて、大切にする。

  ■自分勝手にならないために「~かも」を考える。

このまとめをしっかりともっておくと、
ぶれない、面白い授業になりますよ!

4年生初めての道徳、いい授業になるといいですね!

はい、ということで今日は
『4年「貝がら」【相互理解】の指導案はこうする!』
このテーマでお送りしました!

また明日もお楽しみに。

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例 : はしの上のおおかみ

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