こんにちは。
今日は『3年「たった一言」【善悪の判断】の指導案はこうする!』
このテーマで教材解説をします。
いいことと悪いことの区別を
「教える」という意識が先行してしまいます。
しかし、区別するべきことを「教える」のではなく、
自分はいいと思うか悪いと思うか「考えて答えを出す」ことを大切にします。
強いて教えるとすれば、
「自分の判断基準(ものさし)をもつことの大切さ」です。
まずは、この意識をもって、授業に臨んでくださいね!
では、解説です!
1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ
順番に解説します。
1 教材について
A 主として自分自身に関すること
「善悪の判断、自律、自由と責任」
3・4年の目標・・・・正しいと判断したことは、自信をもって行うこと。
3年生「たった一言」(光村図書)
あらすじ
グループで話し合いに入れず、ポツンとしている子がいた。
よしふみだった。
ぼくは、よしふみのことが気になっていた。
ぼくは、子ども会の旅行のとき、友達が休んで自分が一人ぼっちだったことを思い出した。よしふみは、休み時間も給食もそうじも、一人だった。
帰りの時間に、けいたとわたると遊ぶ相談をしていた。
そこによしふみも通りかかった。
「よしふみも誘わない?」
2人が迷っているうちに、ぼくは思い切って声をかけた。
「よしふみ! 今日ぼくたちと一緒に遊ばない?」
「いいよ。」
よしふみも、けいたも、わたるも、笑っていた。
2 内容項目と教材
この内容項目は3つに分かれます。
①善悪の判断
②自律
③自由と責任
今回の教材「たった一言」は、①善悪の判断です。
「ぼく」は、以前自分が一人ぼっちになってしまった経験から、
よしふみのことが気になりだします。
よしふみは一人なのに、自分は友達と遊ぶ。
今まで当たり前だったことが、急に悪いことのように思えてきたのです。
それは、新しい判断基準が「ぼく」の心の中に生まれたからです。
・一人ぼっちはとてもつらい。
・仲のよい友達が1人いると、楽しさが全くちがう。
このことを「ぼく」は経験から知っており、よしふみの姿と過去の自分の姿を重ねることで、
一人のよしふみの心が理解できたのです。
これは、「善悪の判断」の内容項目ですが、
よしふみの心を理解するという意味では
Bの視点「相互理解、寛容」も入りますね。
多面的・多角的に見ることのできるいい教材です。
こういった、多くの内容項目が詰まっている教材は授業の核がぶれやすいです。
多くの道徳的価値に子どもたちが気付いて、次々と発表して視点が広がっていくからです。
しかし、そんなときでも焦ることはありません。
教科書に示されている内容項目を軸にすればいい。
単純な話なのです。
今回の内容項目は「善悪の判断」なので、
「ぼく」はどういうことがいいと思ったから、よしふみを誘ったのか。(☆)
その「いい」と思ったことは、今まではいいと思っていなかったのか。(☆)
このように、「ぼく」の心の中の判断基準について考えるようにすれば、ブレることはありません。
たとえ、子どもが他の視点で意見を言って、いっときはその視点について話がふくらんだとしても、
「ところで、・・・」と☆の発問をして、授業を本筋に戻せばいいのです。
難しく考えようとすると、余計にややこしくなります。
複雑な問題ほど、シンプルに考えるようにしましょう!
「ぼく」は、よしふみの姿を見て、「なにかせずにはいられない心」が芽生えたのです。
人には、この心が必ず備わっています。
良心と言ってもいいでしょう。
「ぼく」の、この心に触れることができれば、授業は成功と言えるでしょう!
3 導入
T:教師 C:子ども
T:正しいと思ったことを、いつでも言ったり行動したりできますか?
C:はい!
T:できる人?
C:(きっとほとんど手が上がります)
T:じゃあ、友達が一人ぼっちでいたら、みんな声をかけられますか?
C:うーん。仲がいいかによる。
T:あれ? 一人ぼっちの友達に声をかけることは正しいのに、みんなはできない?
今日は、正しいことをするときに大切な心について考えていきましょう。
4 発問
・よしふみは、一人が好きなのではないか。
・「ぼく」とよしふみの心で、同じところはなんだろう。
・けいたとわたるが「だめだよ。」と断ったら、ぼくの気持ちはムダなのだろうか。
・よしふみはうれしかったのだろうか。
・「ぼく」は、よしふみの気持ちは大切にするが、けいたとわたるの気持ちを大切にしないので、友達思いではないのではないか。
・『たった一言』のあとに、どんな言葉が続くだろう。
・「ぼく」とよしふみは仲良くなれるだろうか。
・なぜ、今までよしふみは一人だったのだろうか。
・遊びに誘ったのは、よしふみは迷惑だったのではないだろうか。
5 まとめ
・正しいと思ったことをするかどうかは、状況や場所、相手の様子を考えて決める。
・いいと思ったことは、一人でもやることで、助かる人がいる。
このようなことが、子どもの言葉でまとめられるといいですね!
はい、ということで今日は
『3年「たった一言」【善悪の判断】の指導案はこうする!』
このテーマでお送りしました!
また明日もお楽しみに。
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