こんにちは。
今日は
奥の手を紹介します。
「時短!効果的!な道徳」と題して、
時間を短縮した道徳の授業の手法を紹介します。
これは、休校により授業時数が大幅に縮小されることが予想されるため、
道徳を短い時間で行わなければならない、という状況を想定したものです。
時短で効果的な道徳とは?
結論をズバリ言います。
1時間で2つの教材を扱う
これです。
道徳は、1時間1教材が基本的な考えですし、その考えをもとに、教科書も指導書も作られています。
しかし、この緊急事態では年間35時間の道徳を確保するのはムズカシイでしょう。
そこで、1時間で2教材を扱うのです。
目次です。
1 桃太郎と浦島太郎の例
2 同内容項目の教材
順にお話しします。
1 桃太郎と浦島太郎の例
1時間で2つの教材!? 何を言ってるんだ・・・・という声が聞こえてきます。
しかし安心してください。
文部科学省も、指導要領で
「内容項目同士の共通点を見つけるなど・・・」と活動例として、教材や内容項目を越えて
共通する道徳的価値を見つけることを容認しているのです。いえ、容認よりも推奨と言う方が正しいでしょう。
では、どのように授業を組み立てればいいのか。
桃太郎と浦島太郎の話を例にして授業を展開するとします。
この2つの話のあらすじは、大抵の人が知っているでしょうから割愛します。
授業では、あらかじめこの教材のどちらかを読んでおきます。
朝の読書の時間で読む、もしくは宿題で読んでくるように指示する。
他にも空き時間が確保できるなら、それでもよいでしょう。
ここでは桃太郎を、朝の読書の時間に読んだと仮定します。
道徳の時間では、すでに桃太郎を読んでいるので、浦島太郎の話を読みます。
ここまでで、子どもたちは2つの話を頭に入れたことになります。
そこで、このように発問します。
「2人は何のために行動したのだろう。」
あなたはこれに対してどう思いますか?
桃太郎は、何のために鬼退治に行ったのでしょうか。
浦島太郎は、何のために亀を助けたのでしょうか。
桃太郎は、きっとおじいさん・おばあさん・村の人の安全を得るために、鬼退治に行ったのでしょう。
浦島太郎は、亀の命を守るために、亀を助けたのでしょう。
いずれも、「守るべき人がいた」ということが共通点です。
では、続けてこのような発問をしてみます。
「2人に共通する心は何だろう。」
何だと思いますか?
きっと桃太郎も浦島太郎も、
「守るべき人のために、行動する勇気があった」ことが共通点でしょう。
ここから次のようなまとめが期待できます。
・人は人のために行動する。
・目標があると勇気を出して行動できる。
・勇気の中には優しさがある。
このような感じのまとめがでてくると、
2つの教材の価値を充分扱っていると言えます。
2 同内容項目の教材
では、教材はどんな観点で選べばよいのでしょうか。
それは、同じ内容項目で選べばよいのです。
教科書は「重点項目」と言って、
同じ内容項目で2~4つの教材を扱っているものがほとんどです。
その重点項目に絞って、この時短術を使えばよいです。
「親切、思いやり」から2つの教材を選ぶ。
「家族愛」から2つの教材を選ぶ。
というようにです。
違う内容項目の教材を選んで、授業をすることも可能ですが、
時数が限られていて、4月から休校で充分に道徳の時間を経ていない子どもは、
同じ内容項目の中で考える方が、思考をしやすいでしょう。
しかし、違う内容項目の教材を2つ扱った授業にチャレンジするのももちろんありです。
チャレンジ精神旺盛な方は、やってみてくださいね!
はい、ということで今日は
『【奥の手】時短!効果的!な道徳』
というテーマでお伝えしました。
時数が限られている今は、道徳の時間の優先度が下がりがちになることを心配しています。
今回の奥の手を参考にして、ぜひ道徳の時間で子どもたちの心を耕してください。