こんにちは。Kishです。
今日は「仕事に必要なのは,再開力」
このテーマでお話しします。
トピックは3つ。
①100m走のペースでフルマラソンは走れない
②ちょっとずつやる
③「再開力」が育つ
それでは1つずついきましょう。
①100m走のペースでフルマラソンは走れない。
今年は東京オリンピック・パラリンピックがあります。
マラソンの会場が札幌に変更になったり,
コースが決まらなかったりと,マラソンだけでも何かと話題です。
フルマラソンはご存知の通り,42.195kmです。
仕事は果てしない数のタスクがあるので,
果てしない距離の先にゴールがあるマラソンとも似たものがあります。
仕事では,常に全力で取り組むことを求められます。
例えて言うなら100mをダッシュする感覚です。
しかし,フルマラソンの長い距離を,100m走のダッシュのペースで走る,
なんてことはできますか。
できませんよね。
でも,仕事では理不尽に,
「フルマラソンを100mのペースで走り抜けよ」
というレベルが求められているのです。
これは,物理的に不可能です。
そんなことを求められる方がおかしいのです。
しかし,「私はフルマラソンを100mのペースで走れません!」と言って
仕事を拒否することはできませんよね。
ではどうすればよいか。
仕事に軽重をつける
ことをオススメします。
例えば新規プロジェクトは,これまでにないものを作り出して提案することが求められます。
この場合は,100mをダッシュすべきでしょう。
全力疾走をするのです。
しかし,本当にゼロベースかを考えてください。
他業種で似た例はないか,
会社で過去に同じ枠組みで提案した事例はないか.
もしより所となる例があるのなら,それはスタート地点から全力疾走はするべきではありません。
他の例を探すことに全力を出すのです。
もし,例があるなら,100mで言えば50mのあたりからスタートできるかもしれません。
ほとんど似た例があるなら,ゴール近くからダッシュできるかもしれません。
よーいドンでスタートする前に,
本当にスタート地点はここでよいか,
先人の例はないかを探してみましょう。
②ちょっとずつやる
そうは言っても,軽重の「重」の部分。
「やらなければならないことが多いよ。」
「全部重たいんです。」
そんな方にオススメの方法があります。
ズバリ,
ちょっとずつやる
です。
例えば企画書の例で言うと,次のような主な流れがあります。
1 現状分析
2 企業の目的と全体像
3 規格の具体的な内容(誰に,何を,どうやって)
4 スケジュール
5 収支計画
このような段階を踏んで,決めていくことでしょう。
そのためには,社内や顧客の意見を調査したり,
上司に相談をしたり,試行してみたり,
この流れの1つ1つに,たくさんのタスクが含まれています。
「〆切りがあるから,企画書を一気に書かないと!」
と思っている方,それは間違いです。
仕事に取りかかる前に枠組み(アウトライン)を作成することは必要ですが,
一気に全て仕上げようとしても,個々の精度が落ちます。
そこで,ちょっとずつやるのです。
まずは現状分析に取りかかる。
SWOT分析など便利な分析ツールが世の中には山ほどあります。
まずは分析方法を1つ決めて,取りかかるのです。
そして,ある程度形になってきたら,
やめる。
そして別な仕事に取りかかります。
決して,次のステップである企業の目的と全体像のタスクに取りかかってはいけません。
勇気をもって,途中でやめるのです。
そして,別な仕事などをして,しばらく時間をおいて,
再び「企業の目的と全体像」のタスクに取りかかります。
これをくり返します。
このように,「ちょっとずつやる」のです。
もちろん,〆切がかなり先の仕事の話です。
③「再開する力」が育つ
ちょっとずつやる,これはどんなよいことがあるのでしょうか。
結論を言うと,
「再開する力」が育つからです。
会社で働いていると,とにかく仕事が中断することがあります。
電話がかかってくる
来客がある
急に仕事を依頼される
休憩する
話しかけられる
相談される
メールがくる
会議が始まる
急な打ち合わせを依頼される
仕事が中断される波は日々訪れます。
その波にのまれたままでいると,気付いたら自分の仕事は全く進んでいない。
ということになりかねません。
そのような経験をした方は,多いのではないでしょうか。
中断すると,集中力が削がれます。
集中力が削がれると,再び始める時に,「集中すること」から始めなければならず,
余計にエネルギーを使います。
会社で働いている以上,組織ですので「中断の波」はしょうがないでしょう。
しかし,上に挙げたような例は,全て外からの中断の波です。
②のちょっとずつやる は,途中でやめることをお伝えしました。
この「途中でやめる」は,内(自分)から発する中断の波です。
外からの中断の波に対応できるよう,内からの中断の波を作り,
日々トレーニングをするのです。
すると,「もう,何で今なんだ!」という不満は出にくくなってきます。
そして,内からの中断の波は,よいことがもう1つ。
「再開力」が育つのです。
当たり前ですが,やめるということは再び始めることが必要です。
外からの中断の波を受け続けていては,
再び始める時には,「またしないといけない。」
とマイナスな感情が芽生えます。
必ず訪れる外からの中断の波を毎回マイナスな感情で受け止めていては,
エネルギーを無駄に使って,疲れるだけです。
対して,内からの中断の波を自ら作り出してやめると,
再開するときには責任転嫁はできません。自分がやめたのですから。
「やらなければ!」と自分で自分をソフトに追い込むことができ,
「再開力」が育つのです。
物理の話ですが,大きな物を動かす時にエネルギーを一番使うのは,
「動き始め」です。
始める時が一番エネルギーを使うのです。
それは仕事も同じです。
再開する時のエネルギーを最小限に抑えるために,
日々トレーニングをするのです。
内からの中断の波を作ることは,いつからでもできます。
今からでも,明日の1つめの仕事でも。
「再開力」を身につけ,仕事が余裕をもって進めることができるようになる。
この記事を読む人がそんな姿になってほしいと思います。
以上,今日は「仕事に必要なのは,再開する力」というテーマでお伝えしました。
①100m走のペースでフルマラソンは走れない
②ちょっとずつやる
③「再開力」が育つ
ぜひ,先を見通してちょっとずつ仕事を進め,「再開力」を身につけてください。