3年

3年「バスの中で」【親切、思いやり】の指導案はこうする!

親切、思いやり

こんにちは。
今日は『3年「バスの中で」【親切、思いやり】の指導案はこうする!』
このテーマで教材解説をします。

今日の内容項目は「親切、思いやり」です。

解説する「バスの中で」は、道徳の本質を考えるのにとてもよい教材です。

よくぞこの教材を掲載してくれました!という感じです。

なぜか。

その理由とともに教材解説をします!

1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ

順番に解説します。

1 教材について

B 主として人との関わりに関すること
「親切、思いやり」
3・4年の目標・・・・相手のことを思いやり、進んで親切にすること。

3年生「バスの中で」(日本文教出版)

あらすじ

私はバスに乗っていた。次第に混んでくるバスの車内。

ふと入り口を見ると、おばあさんが乗ってきて狭い中で苦しそうにしている。

私の2つ後ろの席の横で立っていた。

おばあさんの前には女子高生が座っている。
その後ろの女の人はなんとなくもじもじしていたけど席は譲らなかった。

私はおばあさんに席を譲ってあげたくなったが、どうしても声が出ない。

心の中で2人の私が争いを始めた。

やっぱり気になってしかたない。

「おばあさん、ここへ座ってください。」

自分でも思いがけないほど声が出て立ち上がった。

お婆さんは私に小さくおじぎをしてから、席に座った。

2 内容項目と教材

もう一度、目標を確認してみましょう。
「相手のことを思いやり、進んで親切にすること」とあります。
『進んで』とありますね。
この部分がポイントになります。

人は相手の気持ちを考えることができます。
相手の気持ちを考えて、自分の感情と共通する部分が見つかったり、悲しみの気持ちや同情の気持ちが芽生えたとき、何かをしてあげたくなります。

それが、「進んで」の部分なのです。
相手が求めていないのに、進んでやることは親切ではありません。
相手の気持ちを考えずに行う親切は、もはや「大きなお世話」です。

親切にもいろいろな形がある、という多角的な見方をここでは大切にしましょう。
そして、本当の親切とは何か、まとめの段階で再定義をできると、授業が締まります。

教材をそのまま読むと、「公共交通機関では、お年寄りに席を譲りましょう」という結論になってしまいますが、果たしてそれだけで本当にいいのでしょうか?

本当に、バスや電車の中で席を譲ることだけが正解で、それ以外は不正解なのでしょうか?

先ほども言ったとおり、いろいろな親切があることを忘れないようにしなければいけません。

例えば、「わたし」は結果的に親切な行為をしていますが、では、「いつの時点から親切になったのでしょうか?」

おばあさんを見つけた時?
おばあさんをチラチラ見ている時?
心の中で2人の私が争っている時?
「どうぞ」と席を譲った時?

きっと、「席を譲った時」と答える子が多いでしょうが、本当にそうでしょうか?

そもそも、おばあさんのことを気にしていなければ、『若い人に押されて苦しそうにしている』おばあさんの様子は気づかないはずです。
行動以外は親切ではないなら、「2人」の私が争っている時の双方の主張はなんだったのでしょうか。

おばあさんのことを気にしている時間は、全く意味がないのでしょうか?

こう言われると、なんだかちがう気がしてきますよね。

また、おばあさんの目の前にいた女子高生も、結果的には席を譲らず、気にするそぶりも見せませんでした。
では、この女子高生は思いやりがなく、親切ではないのでしょうか?

もしかすると、部活で足を痛めて、やっとバス停にたどり着いて、運よく席に座れてホッと一息ついている時間かもしれません。
学校や家庭で何か悩みがあって、座ってじっくり考えたいかもしれません。

動作だけで相手を判断するのは、危険なのです。

またおばあさんの後ろにいた女性も、もじもじとはしていましたが、席を譲りませんでした。
この人は、思いやりがあるのでしょうか? 親切でしょうか?

おばあさんの存在には気づいていましたが、行動には移せませんでした。

でも、こういった人の存在が、「わたし」の行動を後押ししたかもしれません。

「やっぱり誰から見ても、気になる存在なんだ。」
「何かしてあげたいと思うのは、わたしだけじゃないんだ。」と。

また、バスや電車で席を譲るという行為は、想像以上にハードルが高いものです。
そもそも、譲らなくても叱られることもないし、迷惑はかかりません。
女子高生や女の人のように、自分を優先して座っていても非難されることではありません。

席を譲ろう、でもどうしようか・・・・と考えている人は、次のような思考をします。

・せっかく自分が見つけて座った席、譲らないといけないかなあ。
・親から「お年寄りには席を譲りましょう」と教えられたし、しないとなあ。
・「どうぞ」と言って断られたら恥ずかしいな。
・「そんなに年寄りじゃないから、立っておきます。結構です。」と怒られたらどうしよう。
・周囲の人は、「いいかっこしてんじゃないよ」って思うかもしれないな。
・せっかく席を譲っても、すぐに降りたらどうしよう。

このように、恥ずかしさ、恐れなど様々な未来を想像して迷っているのです。

リターンはほとんどないし、リスクが高い、そんなハイリスク、ローリターンの行動は、放っておこうと思っても、間違いではないのです。

「わたし」はいい行動をしましたが、それが絶対的な正義ではありません。

この教材で、「親切にはいろいろな形がある」ということを押さえましょう。

行動する親切、見守る親切、親切に感謝する親切などなど、親切にはいろいろな形があることを話し合いの中で気付けるといいですね。

3 導入

T:教師 C:子ども

「親切ってどういうこと?」と聞きます。
きっと、
○~してくれること
○~してあげること
と、行為を中心にした発言が多いことでしょう。

親切=なにかをする、という行為でとらえることは
当たり前だからです。

その後、「なにもしない親切ってあるのかな?」と
問い、子どもの「うーん」を意図的に作ります。

「本当の親切を、みんなで考えていきましょう。」と言って、
教材に入ると、バッチリですね。

4 発問

・この話で「親切」なのはだれだろう。
・女子高生は親切ではないのだろうか。
・他の人は、おばあさんが困っている様子に気づかなかったのだろうか。

・「バスの中で」の後に続く言葉を考えよう。
・おばあさんが「いえ、結構です」と断ったら、私の親切はムダだったのだろうか。
・心の中の2人の「わたし」は、どんな主張とどんな主張をしているのだろう。

・なぜ「わたし」は、おばあさんのことが気になったのだろう。
・「わたし」は、いつの時点で親切になったのだろうか。
・「わたし」はほめられたいから席を譲ったのだろうか。

5 まとめ

親切は「進んで」するものですが、やりすぎると「小さな親切、大きなお世話」になってしまいます。

大切なことは、「相手の状況や様子、時と場所を考えること」が大前提にあるということです。

一方的な親切は押しつけです。
相手のことを思うだけでも、思いやりです。
となると、「なにもしない親切」も存在するということです。

「相手の状況や様子、時と場所を考えること」このことが子どもの発する言葉から抜き出して表現できるといいですね!

はい、ということで今日は
『3年「バスの中で」【親切、思いやり】の指導案はこうする!』
このテーマでお送りしました!

また明日もお楽しみに。

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