こんにちは。
今日は『5年「美しい夢ーゆめぴりかー」【伝統と文化の尊重】の指導案はこうする!』
このテーマで教材解説をします。
今日の内容項目は「伝統と文化の尊重、国や郷土を愛する態度」です。
長い・・・・。
そしてめちゃくちゃ難しそう・・・。
しかも高学年・・・・。
ということで、嫌悪感を示す人も多いと思います。
しかし、難しい教材ほどシンプルに考えましょう。
本当に考えないといけないものはなんなのか。
触れなくてもよいことはなんなのか。
本質を見極めると、
意外とシンプル思考で授業ができますよ!
では、解説です!
順番に解説します。
1 教材について
5年生「美しい夢ーゆめぴりかー」(日本文教出版)
C 主として集団や社会との関わりに関すること
「伝統と文化の尊重、国や郷土を愛する態度」
5・6年の目標・・・・
我が国の郷土の伝統と文化を大切にし、先人の努力を知り、国や郷土を愛する心をもつこと
「美しい夢ーゆめぴりかー」あらすじ
あき子の住む北海道札幌市。
食卓で出たお米「ゆめぴりか」は、
同じく北海道の旭川市でつくられたことを知り、
あき子は驚きます。
おいしい水、広い土地を生かしておいしいお米をつくろうと
多くの人が努力をします。
長年の品種改良や厳しい試験、
多くの人の絶え間ない努力により、
「ゆめぴりか」は全国米食味ランキングで、最高ランクの特Aに輝きます。
あき子は、お父さんの「それが郷土の誇りだ。」という言葉を
胸に響かせながら、「ゆめぴりか」を口に入れました。
2 内容項目と教材
・この内容項目では、目標にあるとおり、
①先人の努力を知って
②郷土を愛する心とは何かを考える
というステップで進めるとよいでしょう。
・しかし、気を付けなければならないことは、
「遠い地域、遠いところで、すごい人がいたんだ」と
自分ごととはかけ離れた理解で終わってしまうと、
学びの浅い授業になってしまうことです。
・浅い学びにならないために、
教材と自分の郷土の共通点を見つけたり、
自分の郷土を思う心とはなにかを考えたりして、
自分ごととして考えられるように
抽象化した事実を抜き出すことが必要です。
・北海道が舞台の教材ですが、
自分の地域に置き換えて考えることが大切です。
・この教材の根本にあるものは、
道民の「郷土をよりよくしたい」という思いです。
すでに名産・特産と呼ばれるものはたくさんあるにも関わらず、
お米を名産にするという新しい試みに
あきらめずにチャレンジしています。
・そのチャレンジをする心の原動力はなにか。
やはり、「郷土をよりよくしたい」という思いでしょう。
たまたま、この教材では「米の開発」でしたが、
郷土をよりよくする方法は地域によって様々です。
・どの地域でも、必ず尽力した先人はいます。
また、教科書に載るレベルの立派な人でなくても、
家族や近所の人も、地域の先人と言えます。
身近な清掃活動や町内行事も、
郷土を愛する心からきていると広義では言えます。
・前提を飛ばしましたが、
ここでいう「地域」は、どの範囲でも構いません。
☆地区単位
☆学区単位
☆市町村単位
☆都道府県単位
☆ブロック地区単位
☆国単位
区切り方は様々です。
子どもの実態に合わせて、
考えやすい区切りで授業を展開しましょう。
・同じ内容項目で「和太鼓調べ」という教材があります。
内容項目が同じで、複数教材があるものを『重点項目』といいます。
・重点項目の教材は、どの教材でどこまで教えるのか、
先を見越して考えることが大切です。
今回の「美しい夢-ゆめぴりかー」では、郷土を愛する心について考え、
次回の「和太鼓調べ」では、地域の伝統を受け継ぐ心について考えます。
・となると、今回は「ゆめぴりかを将来に受け継ぐ」という観点は
あまり触れなくてもよさそうです。
・それよりは、「ゆめぴりか」に対して情熱を注いだ人たちの思いについて
深掘りしていきたいですね。
3 導入
・「自分の地域で有名なものってなんだろう?」と尋ねます。
地域の特産や名産、観光名所など、いろいろな観点が出てくるでしょう。
・その後、「じゃあそれって勝手にできて、勝手に有名になったの?」と
由来について考える流れにします。
子どもの反応は「うーん・・・」でしょう。
・「だれかが作った」ということを、
教師から出してもいいし、子どもが言ったらそれを拾います。
いずれにしろ、導入では
『○○を作った人はいる』という共通理解をします。
・その後、「今日はその人たちは、どんな思いで作ったのかを考えます。」と言い、
教材に入りましょう。
4 発問
発問の例をあげます。
全てを授業中に使うわけではありません。
これを聞いたら子どもが喜んで考えそうだ、
これを(授業者が)聞いてみたい、という観点で選んでくださいね!
・なぜ、お米づくりが「美しい夢(ゆめぴりか)」なのだろう。
・北海道の人は、実は乳製品よりもお米が好きなのではないか。
・もうけたいから、お米の開発をがんばったのだろうか。
・乳製品などこれまでの伝統を大切にせず、米づくりをがんばることはいいことだろうか。
・なぜ、米の品種改良をした人は失敗したとき、あきらめなかったのだろう。
・「ゆめぴりか」がランキングでいい賞をとらなかったら、郷土の誇りになっていないのだろうか。
・「ゆめぴりか」を食べた北海道の人と、沖縄の人の「おいしい」は同じだろうか、違うだろうか。
・努力したから、いいお米ができたのだろうか。
・「ゆめぴりか」がおいしくなかったら、郷土の誇りと呼べるのだろうか。
5 まとめ
・次回の「和太鼓調べ」の導入にもなるまとめです。
☆自分の地域には、今の生活を作るために頑張った人がいる。
☆多くの人の努力の上に、今の幸せな生活がある。
☆身の回り全てものは、作った人がいる。
☆感謝して食べたり、使ったりすると、作った人が喜ぶ
これらのことが、子どもの言葉で表現できると
いいまとめになりそうですね!
決して、このまま教師が提示する必要はありません。
むしろ提示しないでください。
子どもからまとめの文言がでてくることが大切です。
はい、ということで今日は
『5年「美しい夢ーゆめぴりかー」【伝統と文化の尊重】の指導案はこうする!』
このテーマでお送りしました!