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「道徳の授業がうまい先生は、他の教科の授業もうまい」は真実

道徳の授業がうまい

こんにちは。
今日は『「道徳の授業がうまい先生は、他の教科の授業もうまい」は真実』
このテーマでお話しします。

「道徳の授業がうまい先生は、他の教科の授業もうまい」
この言葉は、密かにいわれています。
わたしがこの言葉を初めて聞いたのは、研修会。
もうどこの研修会だったか忘れてしまいましたが、
心にずっと残っています。

最近は、Twitterでも見かけますし、
研修会でもよく聞くようになりました。

この言葉は真実です。

今日は、その理由を詳しくお話しします!

もくじ
  1. ◎道徳は「心」がベース
    • ■教科書を介して、心をもとに語る教科
    • ■他の教科は知識がベース
  2. ◎「聞く」が授業
    • ■子どもの意見を聞くことがスタート
    • ■子ども視点では「話す」
  3. ◎道徳はアレンジ自在
    • ■1教材で完結する
    • ■手法はさまざま

◎道徳は「心」がベース

道徳は、「心」がベースとなる教科です。

これまでの生活経験を導入やまとめで、聞きますよね。

「友達に優しくしたことはありますか。」
「『ありがとう』と言われるときはどんなときですか。」
などなど。

■教科書を介して、心をもとに語る教科

子どもの経験は、教科書には載っていません。
ということは、
子どもが生活経験から感じたことをもとに
語ることになります。

教科書は、あくまでも子どもの視点をそろえる
授業の土俵のようなものです。

土俵に上がる力士は、
大きい、力が強い、まわしが個性的など
みんな違うから、面白いですよね。

子どもも同じです。
教材という土俵の上では、
子どもの考えは
みんな違って当然なのです。

その心が重なったとき、
新しい価値が生まれるのです。

それは、予想することは難しいです。

なぜなら、子どものこれまでの経験や
経験で感じた気持ちを、
教師が把握することはできないからです。

それで、先が見えないから恐いので
考えをある程度予想して決めてしまって、
教師主導で授業を進めてしまうのです。

そんな授業は、子どもにとっては
面白くないです。

だって、せっかく発表しても
先生が認めてくれないんですから。

■他の教科は知識がベース

国語や算数など、道徳以外のほとんどの教科は、
知識がベースです。

漢字が読める
筆算ができる など

ある程度は、教科書に書いてあるので
わからなければ子どもは教科書を見て
答えることができます。

つまり、子どもの答えはほぼ予想できるということです。

知識がベースなので、
知識は正解があります。
まちがいもあります。

まちがいがはっきりしているので、
子どもの発言で授業が予想外の方向に進むことは
ほとんどありません。

ここが、道徳とその他の教科との大きな違いです。

だから、道徳は『特別の教科』と呼ばれているのです。

◎「聞く」が授業

道徳では、「聞く」ことが求められます。

「いやいや、どの教科でも聞くことは必要でしょ。」

そうですね。
基本的にはどの教科も
教師と子どもの対話で授業は進んでいきます。

上述したとおり、道徳は心がベースです。
知識がベースの他教科とはちがって、
心がベースの道徳は、
子どもが自分の思いを語らなければ、
全く授業が進みません。

「みんなが『友達がいてよかったな』と
思う気持ちは全て教科書に載っていますね。」
なんてことはありえません。

■子どもの意見を聞くことがスタート

ということは、教師は
「子どもはの考えはこんなもんだろう」と決めつけず、
聞くことから始まります。

耳を傾けて聞くことを
傾聴といいます。

人間は、口は1つ、耳は2つあります。
耳の方が数が多いのです。

道徳では特に意識して、
まずは子どもの考えを傾聴することから始めましょう。

傾聴とは相手を理解することです。
「あの子は○○だから、聞いても無理だろう」や
「○○さんがここでは、きっといいことを言うだろう」と
プラスにもマイナスにも
子どもを決めつけてしまう思考の人は、
傾聴からはちょっと遠い位置にいます。

傾聴するには、
頭をフラットにする必要があります。

■子ども視点では「話す」

教師が「聞く」ことを大切にする。

これを子どもの立場から考えてみると、
「話す」ことになります。

いきなり「話しましょう」と言われても、
「え? なにについて?」
「こんなこと言っていいの?」と
子どもは不安になります。

だから、教師の適切な発問が必要になります。

「考えてみたいな」
「うーん、それはちょっとちがう気がする」
と、自然と思考が発生するような発問が必要です。

 

「じゃあ、その発問はどうやって考えればいいんだよ!!」

はい、ちょっと落ち着きましょうか。
わたしは最近、教材解説の記事を多くアップしています。

そこには
導入
発問例
まとめ
のアイディアを盛り込んでいます。

発問は5~10こほど書いているので、
そこからアイディアを持っていってください。

子どもが考えたくなる発問を用意しています。
そしてこれからも記事をアップしていきますので、
どうぞお楽しみに!

◎道徳はアレンジ自在

道徳の授業は、アレンジ自在です。

決まった型はなんとなく、
昔から受け継がれてきたものでありますが、
それにとらわれる必要はありません。

時代は令和に変わりました。
道徳が教科になりました。
「多様性」が大切にされる時代になりました。

昔のやり方を大事にすることもいいですが、
せっかくアイディアが浮かぶのなら、
新しいやり方にチャレンジしたいですよね。

道徳は、それが許される唯一の教科なのです。

■1教材で完結する

小単元や総合単元などで複数の教材が
盛り込まれることはありますが、
基本的には道徳は1教材で完結します。

今回「自然愛護」をやったら、
次回は「親切、思いやり」と全くちがう教材を扱います。
(厳密に言うとつながっているのですが、
これについてはまた後日)

つまり、その教材でやってみたい発問や手法は
試してみていいのです。

失敗しても、成功しても、
次の教材は気持ちを切り替えて、
また新しい気持ちで取り組めます。

アレンジ自在の道徳、
安心してあなたのアイディアを盛り込みましょう!

■手法はさまざま

道徳は、子どもが考える手立てがたくさんあります。

役割演技(動作化)
ペープサート
朗読音声
範読
動画
紙芝居
などなど、

これだけ手法の多い教科も珍しいです。

選択肢が多くて、
逆にどれがいいのか迷ってしまいますが、
迷うということは「正解」を求めていることになります。

ここでいう正解ってなんでしょうか。

先輩の先生に怒られないこと?
自分のプライドが傷つかない程度の最低限の授業ができること?
問題なく最後まで授業が終わること?
道徳の権威の先生が言っていたとおりに授業をすること?

残念ですが、全てちがいます。

目の前の子どもが自分のこととして考えて、
道徳的な価値に気付くことです。

もっと簡単に言うと

子どもの学びを一番に考えよ!

ということです。

授業者のプライドやこれまでの経験なんか
どうでもいいです。

昔、いい授業をした人でも
それに甘んじて自信満々で
今日の、目の前の子どもを見ようとしない人よりも、

経験は浅いけど
一生懸命子どもの考えを聞いて
教師も一学習者という気持ちで
傾聴している人の方が、
数億倍、いい授業ができていると言えます。

 

手法は様々です。
そして、その手法を選ぶ基準は、
子どもです。

それをくれぐれも忘れないようにしてください。

 

ということで、
これらの理由から、
「道徳の授業がうまい先生は、他の教科の授業もうまい」
という言葉は、
真実であると言えるのです。

道徳を自分の柱にすると、
他の授業のスキルも伸びていきます。

まだ自分の柱が決まっていない人は、
ぜひとも道徳を研究することをオススメします。

Twitterで道徳を専門にするアカウントが増えてきました。
道徳について語り合う、考える場が増えてきているのは、
いいことですし、
これが広がると、教育の底上げにつながっていくでしょう。

Twitterのオススメの方は
白黒先生次元@好物は筋トレと道徳
ですね。

この2人はフォローしておくといいですね!

白黒先生さんは、「道徳語り」を前日zoomで開催しました。
道徳の授業の基本から発展までを
体系化して語ることができるので、
大学生や道徳がよくわからない若手、
今さら聞けないわ。。というベテランの方も、
フォローしてこっそり勉強するといいですよ!

次元@好物は筋トレと道徳さんは、
とにかく貪欲です。
道徳に関する情報収集力は抜群です。
最近アップした、
『スライド板書計画』は
新しい取り組みですし、
見応えがあります。
これがいろんな教材で展開されると、
多くの意見が出て
道徳の研究が深まることでしょう。

 

はい、ということで今日は、
『「道徳の授業がうまい先生は、他の教科の授業もうまい」は真実』
このテーマでお送りしました!

 

道徳の授業が変われば、学校が楽しくなる!