令和の教師とは

道徳の授業がウマイ先生は、他の授業もウマイ!

他の授業もうまい

こんにちは。
今日は、
『道徳の授業がウマイ先生は、他の授業もウマイ!』
このテーマでお話しします。

私が「道徳はオモロイ!」のテーマを掲げて
このブログで発信している道徳。
授業のスキル、
教材研究の方法、
本質的な理論、
教材についての解説など
様々な観点でお話ししています。

毎回記事を読んでくださる方、ありがとうございます。
では、道徳を突き詰めると、どんないいことがあるのか。
それは、「全ての授業がうまくなる」です。
これは、私の持論です。
しかし、他の先生の授業を見ると、本当にそう思います。
これについて、今日は詳しくお話しします。

目次です。

順に解説をします。

1 傾聴

私のオススメしている道徳の手法は、
子どもの意見を聞くところから始まります。

子どもは、授業中に様々な気付きを得ます。
そこから、自分なりに考えをまとめて発表します。
その広がりは無限大で、
教師側が予想してもしても、しきれません。

ならば、教師があらかじめ用意した
想定内の授業計画に収めるのではなく、
子どもの世界に身を委ね、
出てきた意見の本質を見極めて、
本時のねらいに向かって大事なところをピックアップして
まとめよう、という手法です。

これは、子どもの話を聞かなければなりません。
教師が1人で話して、進めて、まとめていては、
子どもの思考は生まれないし、
そもそもそんな授業は面白くありません。
子どもの発言をよく聞き、
それをもとに教師が
「ん? どういうこと?」や
「先生、今のよくわからないんだけど、誰か詳しく言える人?」と
つなぐ役割を意識することで、子どもは生き生きと発表し始めます。

授業は「傾聴」から始まります。
だから、オンライン授業が広がっても、
アナログの教室での授業はなくなる予感すらしないのです。
傾聴が授業の基盤であることは、事実なのです。

 

 

2 応用

この傾聴のスキルは、道徳に限らず、他の教科でも大切なポイントです。
例えば国語。
子1「筆者は、こういうことを言いたかったんだと思います。」
先「なるほど。それって教科書のどこから分かるか、言える人?」
子2「○ページの○行目です。」
先「ちょっとまだ見つけられてないんだけど、読んでみてもらえる?」
子3「はい!(読む)」

例えば算数。
子1「小数×小数のかけ算は、小数点の位置を足し算と同じように考えてイイです。」(誤答)
先「なるほど。先生もやってみるね。お~、できた!ホントだ。」
子2「先生、やり方が違います。」
先「え?そうなの? 先生のやり方が違うと思う人?」
※子1の間違いを指摘せず、先生が受け止めることで、みんなは「子1の間違い」ではなく
「先生の間違い」に注目して、考え始めます。

このように、話をよく聞き、それにのっかる。
時には、漫才のボケのように、知らないふりやできないふりをする。
この「演じる」というポイントが、他の授業では大切なのです。
話を聞いて、否定しない。
先生が受け止めてくれていると感じることで、
子どもは安心して、発表をし始めます。

「わざと間違っても、子どもは、先生がわざと言っているのはわかっているから、しらけている。」
そう思った方、いるでしょう。
でも本当にそうでしょうか。

お笑い芸人の演じる漫才は、全て台本通りです。
ボケの人が言うとんちんかんな発言は、全てせりふですが、
あなたはそれを「演じてるんだろ」としらけて見ますか?
「それはそれ」として、その瞬間の面白い空気を楽しんでいませんか?

授業でも同じです。
教師が演じることで、しらけているのは事実かもしれません。
でも、「これってこういうこと?」と教師がボケを繰り出すことで、
子どもの思考が生まれることは間違いありません。

これらのスキルが全て詰まったものが、道徳なのです。

 

3 平常

傾聴して、演じて、他の授業に応用する。
一見すると難しそうですね。
はい、難しいです。

でも、これを繰り返していくと、
それが当たり前になります。

「え、どういうこと?」と問い返す。
「信号は赤でも進んでイイってコト?」と振り切った返しをする。

これらの教師の発言は、子どもの思考を生みます。
「先生、違うよ!」と先生の間違いを正そうと一生懸命教えてくれます。
「いや、違います。」と冷静に教えてくれることもあります。
「また先生、そんなこと言ってるわ~。」とあきれる子もいます。
しかし、いずれの子も、先生の発言をよく聞いていますね。
先生の発言を聞いた上での考えです。

逆説的ですが、
子どもの話を聞く先生のクラスは、
話をよく聞く子が育ちます。
先生が話を聞いてくれるという安心感や、
聞くスキルを自然に見つけるということが要因でしょう。

まずは傾聴です。
これを繰り返してみてください。
ポイントは、
子どもの世界に身を委ねるです。
真面目な先生ほど、勇気がいることですが、
1度だまされたと思ってやってみてください。

こちらが思っている以上に、子どもは道を踏み外しません。
結局、まとめに向かっていっています。

先生が新しい授業の形に挑戦する。
その挑戦は、必ず何かしらの成果を生み出します。

発明王エジソンは言いました。
「成功するまで失敗をし続けるのであれば、それは失敗とは言わない。」

打席に立たなければホームランは生まれません。
宝くじは買わなければ当たりません。
授業も、挑戦しなければ進化はありません。

まずは挑戦し、あとで振り返る。
その繰り返しが、
スパイラルであなたを成長の高みへ連れて行きます。

ぜひ、道徳での傾聴をチャレンジしてみてください!