こんにちは。
今日は、『【道徳】授業の心構え』
このテーマでお話しします。
道徳の授業って難しいですよね。
先生を悩ませる教科のナンバーワンと言ってもいいです。
特に、今年は休校があったので、授業時数が足りない。
道徳はこれまで以上に、敬遠される教科になるでしょう。
しかし、今だからこそ道徳の授業は必要です。
ステイホームで人と会うことができませんでした。
家の中でしか人と会わず、
友達と話したり、集団の中で活動したりして、
様々な刺激を得て、成長することは許されなかったのです。
本来であれば自然に身に付く、規範意識や思いやりの心が、
発達段階に即して身に付いていない可能性があります。
だから、道徳が必要なんです。
道徳は教える教科ではなく、気付く教科です。
道徳で多くの気付きを得て、
生活で生かしていく。
この本来のサイクルを、今の時期は
加速度を上げて進めていかなければならないのです。
そこで、今日は道徳の授業をする際の心構えを、
いわば入門編としてお話しします。
ポイントは3つ。
そして長く、難しくはしません。
短く、簡単に話します。
この記事を読むわずか数分の時間は、
将来のあなたへの投資です。
この数分が、未来の数時間分のコスパを生みますよ!
目次です。
順番に解説します。
1 謙虚
道徳の授業をする教師は、謙虚でなければいけません。
これは、子どもに対してへりくだるという意味ではなく、
「自分が全て知っている」「教師は全てを教えなければならない」という
自信を捨てるという意味です。
道徳では、子どもも教師も、一学習者です。
他の教科とは違い、子どもの発言から、
教師が気付きを得ることは多々あります。
「子どもから学ぶ」という姿勢を大切にしましょう。
例を挙げましょう。
「生命の尊さ」について学習をするとします。
教師は、命の大切さをこの授業で気付かせたいとします。
「命は、たくさんの人の思いを背負っている。」というまとめを考えました。
では、クラスの中に、震災で家族を亡くした子がいたら、どうでしょうか。
その子は、命についての価値観を、実体験をもとに捉えているため、
震災を経験していない教師では、
到底気付かない価値観をもっているかもしれません。
果たして、このクラスで、「教える」という概念は有効でしょうか。
「命は、たくさんの人の思いを背負っている。」というまとめで、
本当に充分でしょうか?
考えてみたいところですね。
謙虚な心で、子どもと学ぶという姿勢で、
全員で納得解を導き出すことが大切です。
2 脱線
道徳では、授業者の想定外の発言が出ることがよくあります。
その発言から、授業が脱線したように感じることもあります。
そんなとき、どうしますか?
「それは関係ないことだね。」とはっきり伝えますか?
「そんな考え方もあるね。」と流しますか。
子どもは、教師の想定の範囲外で、
多面的・多角的に教材や世の中を見て考え、
そこから出た発言かもしれません。
教師の決めたレールに戻そうとするのではなく、
脱線を楽しみましょう。
「え?それってどういうこと?」
「詳しく言える人?」
「○○さんが~と言ったけど、これについてみんなで考えてみよう。」
などと、全員の問いにして、
考えてみるのです。
教師の想定した流れにならなくても大丈夫です。
登山は、頂上に行くまでの道は数パターンあります。
道徳の授業も同じです。
脱線をしたように感じても、
こちらが気付かせたかった内容項目に関することは、
きっと子どもの発言に要素として入っているでしょう。
脱線を楽しみましょう。
子どもの世界に身を委ねる。
教師が勇気を出して、一歩子どもの世界に踏み出してみると、
きっと授業がさらに楽しくなりますよ!
3 拡大
授業のまとめは、大抵の場合は教師の想定外になることが多いです。
子どもの発言を謙虚に独りよがりにならず受け止め、
脱線をして授業を進めるのですから、当然の結果と言えます。
一見、悪いように見えますが、
それでいいのです。
教師の作ったレールを走るだけの授業であれば、
プロの講師の授業ビデオを見せればいいですよね。
生の担任がライブで授業をするよさは、
①臨機応変に授業の流れを変えられること
②その授業で子どもたちが得た気付きを、まとめにできること
です。
教師が初めに想定していたまとめを、おぼんのように捉え、
そのおぼんのどこに着地してもOKという心構えをもちましょう。
拡大解釈をするのです。
例えば、「思いやりはつながる」というまとめを想定していたら、
子どもが「思いやりのバトンがあるみたい」「リレーだ」
「数珠みたいにつながってる」という発言をしたら、
『思いやりは、数珠のようにつながっていく』とまとめればいいのです。
言葉は違いますが、言っていることは同じことです。
子どもの言葉でまとめることが、
発言をした子どもの自己肯定感につながります。
まとめは拡大をして受け止める。
この意識をもっておきましょう。
はい、ということで今日は、
『【道徳】授業の心構え』というテーマでお話ししました。
①謙虚
②脱線
③拡大
この3つを意識して、
授業をしてみてくださいね。
やってみた感想も教えてください。
共に道徳の研究を深めていきましょう!