スキルアップ

【授業スキル】口ぐせにしたい3つの言葉

口癖の言葉

こんにちは。
今日は、『【授業スキル】口ぐせにしたい3つの言葉』
このテーマでお話しします。

教師という仕事は、毎日子どもの前に立ち、
1日に5~6時間はしゃべります。
個人の口ぐせはきっとあるでしょうし、
子どもが先生のモノマネをするときは、
その口ぐせに注目することでしょう。

今日は、『口ぐせにしたい3つの言葉』と題して、
子どもが主体的に学習に取り組み、
自己肯定感を感じることができ、
思考を活性化させることを目標とした、
3つの言葉を紹介します。

口ぐせにしたい3つの言葉

順に説明します。

①なるほど

これは、子どもの発言を受けての発言です。
子どもが発表をするときは、大抵の場合は考えた上でのことです。
一生懸命考えて、考えて、勇気を出して発表して、
先生にスルーされたり、
「ふーん。」と言われたり、
「ちょっと違うね。」と言われたりしたら、
次への発表意欲はわきにくいでしょう。
私は、子どものころそう思っていました。
だから、発表が苦手な子どもでした。

「なるほど。」という言葉には、受容の意味が含まれます。
子どもの意見を、門前払いするのではなく、
一度先生が「受け止めているよ。」というメッセージを発することにつながります。

・間違っているかもしれないな。
・笑われるかもしれないな。
・今先生が聞いていることと、ずれていないかな。

そんな不安を抱えたまま発表する子どもの気持ちを、
「なるほど。」は一気にとっぱらってくれます。

「そうか、あなたはそう思ったんだね。その視点はなかった。
ちょっとその考えになったのはなぜか、考えてみたいな。」
ここまで、暗にメッセージを送っていることになるのです。

多用すると効果は薄れますが、
授業の核の部分では、実に有効な発言です。
「なるほど。」
使ってみてくださいね!

②○○ということは、□□ということ?

これも、子どもの発言を受けてからの言葉です。
子どもは、大人に比べて語彙力が低いです。
当然です。大人の方が人生経験は相対的に見て豊富なのですから、
自分の思考を言葉で表現することは、大人はできるでしょう。
(余談ですが、人間は、自分の思考の全てを言語化することは不可能であると言われています。
子どもだけでなく、大人も。「人類」の特徴です。)

子どもはときに、授業者が「?」となるような発言をします。
授業の的を得た発言なのか、
本筋とは違うが本筋につながる大切な気付きなのか、
それとも全く違うことなのか。

授業と全く関係ない発言は取り上げる必要はないですが、
授業から多面的・多角的な見方ができたと子どもの発言から感じたときには、
これを使ってみましょう。

「○○ということは、□□ということ?」

子どもの発言を、まとめて違う言葉にしてみるのです。
このときのポイントは、無難な言葉でまとめないことです。
もう1度言います。
無難な言葉でまとめないことです。

例えば、
・人は、人によって見える世界が違う。
・虹を見て、きれいと思う人もいれば、悲しくて涙を流す人もいる。
などという、「人間の価値観の多様化」に関するまとめに授業が進んだとします。
このとき、
「人には、いろいろな考え方がある、ということですね?」
とまとめてしまうと、
『なんとなく納得』してしまいます。
これ以上反論もできないし、特に問題のない、
無難なまとめです。
しかし、「いろいろ」ってなんですか?
何パターンあるんですか?
考え方って何ですか?
とツッコミたくなります。

無難な言葉は、広い意味をもつことが多く、
汎用性が高いので、『なんとなく納得』をしやすいです。
無難な言葉でまとめても、子どもの思考は活性化しません。

「○○ということは、□□ということ?」という言葉を使う際は、
ちょっと違う方向に振り切ったまとめをあえて投げかけてみましょう。
先ほどの例だったら、
「人は見るものによって感じ方が違うから、
この世の中は人類の考え方を1つにまとめた方が、
よりよい世界になるのではないか。」

と振り切ってまとめてみましょう。
「うーん、なんだか違う気がする。」
と子どもが感じ、そこからまた議論が始まるのです。
こうやって、話し合いというのは活性化させていくんです。

子どもが言ったから、無難な言葉でまとめ、
「たくさん発表できましたね。」とほめて終わる。
その授業、本当に子どもが思考しましたか?
先生の用意したレールを走らせただけの、
自己満足の授業を仕上げただけじゃないですか?

話し合いを活性化させるために、
「○○ということは、□□ということ?」
という口ぐせ、使ってみてください。

③次の3つから選んで手を挙げてください。

これは、発問をしたときに、子どもの挙手がなく、
授業が停滞したな、と感じたときに有効です。

「次の3つから選んで手を挙げてください。」と言って
選択肢を設けることで、比較をすることができます。
比較をすることで、それまでモヤモヤしていた考えが、
足場を決めることでまとまり、
思考が進むことがあります。

実際に言うときには、
「次の3つから選んで手を挙げてください。
①~、②~、③~、この3つから選んでください。
①の~だと思う人? (以下略)」
というように、
先に選択肢を示すことを忘れないでくださいね。
選択肢を与えずに見通しを示さずに「選べ」は、
暗闇をダッシュで走れと言っているようなものですよ。

例えば、次のような選択肢です。
「次の3つから選んで手を挙げてください。
①みんなで話し合いたい
②自分で考えたい
③先生の考えを聞きたい」

他にも、
「次の3つから選んで手を挙げてください。
①Aだと思う。
②Bだと思う。
③どちらとも言えないと思う。」

2択よりは3択の方が考えがより広まります。
選択肢は厳選した方がよく、多くても4つでしょう。
なぜなら覚えられないし、
5つ以上は
それぞれの選択肢が全く異なるものとはなりにくく、
選択肢同士の質が重なり出すからです。
3択で子どもに聞いてみましょう。

「次の3つから選んで手を挙げてください。」
使ってみてくださいね!

 

はい、ということで今日は、
『【授業スキル】口ぐせにしたい3つの言葉』というテーマでお話ししました。
使えそうな口ぐせは、使ってみてくださいね!