6年

6年「言葉のおくり物」【友情、信頼】の指導案はこうする!

友情、信頼
2 girls in blue dress standing on brown field during daytime

こんにちは。
今日は『6年「言葉のおくり物」【友情、信頼】の指導案はこうする!』
このテーマで教材解説をします。

「友情、信頼」は、道徳科といえば!
というぐらい、代名詞の内容項目です。

「正直、誠実」
「親切、思いやり」
「友情、信頼」
この3つは、道徳の王道の内容項目
といっても過言ではないでしょう。

この「友情、信頼」の教材を
骨太に授業できると、
授業スキルが高まります。

そんな王道の「友情、信頼」について
今日は考えていきましょう!

では、解説です!

順番に解説します。

1 教材について

B 主として人との関わりに関すること
「友情、信頼」
5・6年の目標・・・
友達と互いに信頼し、学び合って友情を深め、
異性についても理解しながら、人間関係を築いていくこと。

6年生「言葉のおくり物」(日本文教出版)

あらすじ
一郎はすみ子と仲がいいことを、たかしや信男にはやしたてられて困っていた。
ある日、一郎とすみ子の2人が日直に当たってしまった。
一郎は(あまり近寄るな)というように迷惑な顔をした。その時、一郎の体に植木鉢が当たり、落ちて割れてしまった。すみ子が片付けようとすると、「余計なことするな。さっさと帰れ。」と一郎は言ってしまった。
すみ子は、「怒る相手はたかしさんでしょ。」と言って帰った。

子ども会のリレーで、たかしは転んでしまい、最下位になってしまった。
たかしが「ごめん。失敗した。」と言ったら、
「たかしさん、こんなこともあるのよ。気にしない!」とすみ子が言った。

すみ子の学級では誕生日の人に「言葉のおくり物」をすることになっている。
今日は一郎の誕生日。
すみ子は一郎が手伝ってくれたり、気にかけてくれたり、生き物に優しくしたりしている一郎のことを発表した。
教室のあちこちから、拍手が起こった。
two children standing near cliff watching on ocean at daytime

2 内容項目と教材

友情、信頼の順番が大切

「友情、信頼」はその順番に意味があります。
「信頼」よりも「友情」が先にあります。

つまり、信頼よりも友情を優先して考える必要があります。

広辞苑で意味を調べると、

友情・・・友達の間の情愛
信頼・・・信じて頼りにすること

とあります。

信頼よりも友情が大切であることの例を出しましょう。
道を歩いている人に、いきなり住所などの個人情報を伝えることはできますか?

きっとほとんどの人が「できない」と答えるでしょう。
「何で教えないといけないの?」
「どこにばらされるか分からない。」
「そもそも、だれ?」

そう思うのは「信頼」という基礎が、人間関係の中にできていないからです。
つまり、友情がないと信頼もできないのです。

では「友情」とは何でしょう。
広辞苑の意味の通り,「友達との情愛」略して「友情」なのです。

では、情愛とはなんでしょうか。
再び広辞苑で調べると、

情愛・・・情け、いつくしみ、愛情

具体的には、

☆友達が困っているから助る
☆友達の気持ちに共感する
☆友達に対して好感をもつ

これらのことを数十回、数百回くり返して、
「友情」と呼べる関係ができあがるのです。

その過程の中では、自己開示が必ず必要です。
自分のことをさらけ出したり、
本音を言い合ったりして、
関係が深まっていくのです。

そうしてできた「友情」があるから、
初めて次の「信頼」が成り立つのです。

教材研究の場面では、
①「友情」か「信頼」か、どちらに重きを置いているのか考える。
②例えば「友情」に重きが置かれているなら、
登場人物同士はなぜ友達と呼べるのか、本当の友達と呼べるのか、などという発問を考える。

この流れで教材研究をすると、本質に向かう授業ができます。

silhouette of two person sitting on chair near tree

男女間の友情も重要

目標に「異性についても・・・」とあるので、男女間の友情も大切です。

この教材に出てくる人たちは、「友達」と言えるでしょうか。
「友達とは言えるけど信頼はしていない関係」でしょうか。

男子同士・女子同士は「友達だし信頼している」関係でしょう。
反対に、男子と女子は、「友達」とはギリギリ言えるでしょうが、
「信頼」しているとは到底言えた関係ではありません。

ここに、授業のスタートがあります。
なぜ、男子と女子の関係の間に「信頼」という関係が
ないのでしょうか。

結論を言うと、
「異性に対する負の思い込み」が信頼を生まない原因になっています。

たかしは「女子と仲良くしたら恋愛関係」という短絡的な考えになっているので、
一郎とすみ子が仲良くしたら、恋愛関係なのだと疑ってしまっています。

一郎も、たかしのような考えが若干はあるのでしょう。
たかしにからかわれたことを気にしています。

たかしも一郎も、思い込みで考えが固まっていると言えます。

なぜ、異性に対して思い込みがここまで深まってしまったのでしょうか。
それは、「相手を思いやる心」と「対話」が足りないからです。

これは授業のまとめにもつながってきます。
男子同士や女子同士は、『同性』という安心感があるため、
日常的に話をするし、そこから思いやりの心も自然と生まれます。

これが男女の関係も自然と越えられたらいいのですが、
高学年ともなると、その性別の壁は越えることは
なかなか難しくなってきます。

そこに足りないものは、
「相手を思う心」と「対話」なのです。
「対話」が生まれれば自然と相手への理解は進みます。

しかし、今回は「対話」はほとんどなく
相手への思い込みからくる行動がほとんどです。

この悪い雰囲気を変えたのは、すみ子の言葉です。

男女関係なく、たかしたちの冷やかしも気にせず、
「みんなで仲良くする」という目的で
損得を考えず優しい言葉をかけるすみ子の姿に、
たかしや一郎ははハッと我に返り、冷静になるのです。

そこには「相手を思いやる心」があります。
落ち込んでいる友達に、今自分ができる声かけをする。
冷やかしを受けていた相手、一郎のよいところをストレートに伝える。
そんな姿にみんなは「思いやりの心」を感じ取り、
大きな拍手となったのです。

現実的には、これほど簡単には男女の関係はうまくいかないでしょう。

しかし、「相手を思いやる心」と「対話」が大切であると
この授業で気付けば、「相手を理解する」まではいかなくても、
『相手を理解しようとする』『相手を理解する大切さ』
気付くことができるでしょう。

その気付きを得ることが、この授業の大きなねらいです。
その気付きをもって、
学校生活での様々な活動の中で、
異性への理解を深めていくのです。

同性・異性に限らず、友情を考える上で
もう1つ大切なことは、
「自分も友達も、長所も短所もある。互いに補い合って、助け合っている関係」
であることを理解することです。

「言葉のおくり物」では、この部分は大きくは触れられていませんが、
子どもが気付いてこの視点を言ってきたら、
ぜひ取り上げてください。大切にしたい視点です。

man sitting beside two woman on gray surface

3 導入

T:教師 C:子ども

T:友達ってどういう人のことですか?
C:仲の良い人
C:一緒に遊ぶ人
C:助け合える人

T:ケンカをして仲が悪くなったら、友達ではないの?
C:うーん、ちがうと思うけど・・・・

T:今日は、「友情」について考えていきましょう。

4 発問

・最初と最後で、男女の関係のレベルは上がった? 下がった?
・たかしはなぜ「一郎とすみ子があやしい」と言ったのだろう。
・このクラスはいいクラスだろうか。

・この話で喜んでいるのはだれだろう。
・割れた植木鉢がしゃべれるとしたら、なんと言っているだろう。
・男女の関係が変わったのは、どこだろう。

・すみ子は、先生にほめられようととして、たかしや一郎に「言葉のおくり物」をしたのではないだろか。
・「ごめんなさい」と誰も言っていないから、仲が悪いままではないのか。
・今回が初めての冷やかしなのだろうか。

・すみ子は、たかしを許しているだろうか。
・たかしは、このあとすみ子に対してなんと言うだろう。

5 まとめ

友情を育てる上で大切なことは、

①相手を思いやる心
②相手を知るために話すこと(対話)

の2つです。

・この2つが、子どもの表現を使って
まとめられると、いい授業になりそうですね!

はい、ということで今日は
『6年「言葉のおくり物」【友情、信頼】の指導案はこうする!』
このテーマでお送りしました!

また明日もお楽しみに。

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例 : はしの上のおおかみ

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