1年

1年「ありがとう」【感謝】の指導案はこうする!

1年生 ありがとう

1年生道徳教材「ありがとう」(日本文教出版)について解説をします。

内容項目 B 主として人との関わりに関すること
「感謝」
1・2年生の目標・・・家族など日頃世話になっている人々に感謝すること

目次です。

1 内容項目と教材について

・この内容項目は、簡単なようで『陥りやすい間違い』があります。
それは、「子どもに感謝する心を教えないといけない!」と教師が思うことです。
「感謝しなさい!」と言われると、一応「ありがとう」と子どもは言うでしょう。
しかし、それは心がこもっておらず、ただ言っただけです。
心のこもっていないお礼は、虚礼といって偽物の行為です。
果たして、子どもが心のこもっていない「ありがとう」を連発していていいのでしょうか。
そう言われると、違うとはっきり言えますよね。

・では、どうすればよいのか。
前回の「うまれたてのいのち」と同じく、具体例を出すことで、
自分を支えてくれる人を実感を伴って理解します。
支えてくれる人を具体的に理解すると、
「ありがとうと伝えたい」や
「(物理的な距離があったりして)直接は言えないけど、ありがとうと心で唱えよう。」
などと自然と思い始めます。

・これは、母の日や父の日のイベントに似ています。
家族は、子どもにとって一番身近な存在ですから、
母の日という機会で、母親に対して思いを巡らせます。
食事を作ったり家事をしたり心の支えになったり、
とにかくたくさん世話になっています。
そんな母に思いを巡らせると、「いつもありがとう」と自然と言葉がでてきます。
具体的に理解すると、感謝の言葉や行動は自然と出てくるのです。
それが人間なのです。「母の日だから感謝しないといけない」と思っている人はあまりいません。
「母の日だから、何かプレゼントでも贈って感謝の気持ちを伝えよう」と思うのが、自然な流れですよね。

この内容項目では、
具体的に自分を支えてくれる人をみんなで出し合って、
その存在に気付くことが大切なのです。

・教科書の視点は、
☆地域の人が登下校の見守りをしてくれる。
☆上級生が学校のことを教えてくれる。
☆給食調理上の人がおいしい給食を作ってくれる。
☆保健室の先生がけがのとき手当をしてくれる。

この4つですが、多面的な見方ができる子どもたちから、
他にももっと視点が出てくると思います。
例えば・・・
★家族が○○をしてくれる、見守ってくれる。
★校長先生が見守ってくれる。
★宅配便の人が届けてくれる。
★おじいちゃん・おばあちゃんが大きくなったことをほめてくれる。
★海が見守ってくれる。
★山が見てくれている。
★芸能人が楽しませてくれる。
★本が頭をよくしてくれる。
★上靴がぼくを歩きやすくしてくれる。
★机やイスが、私の勉強を応援してくれる。
★おじいちゃんのおじいちゃん(先祖)が私を作ってくれた。
etc・・・・
気付かれたと思いますが、
ここでは日頃お世話になっている人だけでなく、
モノも注目していいでしょう。
「うまれたてのいのち」の次にこの「ありがとう」という教材があるのは、
モノという共通項があるから、つなぎやすい。
というかそこに着目して教材を渡りなさいという教科書会社のメッセージなのです。

・他にも、直接は関わっていないですが、
「自然」や「インフラ(水道電気ガス宅配などに関わるもの)」に従事する人に気付いたら、
それも拾ってあげたいですね。

・ですが、ここまで視点が広がる期待が高まると、
逆に注意することがあります。
それは、「想定した視点を必ず出さないといけない」と過度に期待することです。
きっと子どもたちは教師のねらいどおり視点を広げてくるでしょう。
しかし、先ほど説明した「モノ」「自然」「インフラ」などはあくまでこちらが想定した視点でしかありません。
授業の流れやその日の気候・気分によっては出てこない視点もあるでしょう。
また、こちらが想定してない視点も出てくるでしょう。しかし、それでいいのです。

目標は、「日頃世話になっている人々に感謝する」です。
「支えている人を全て羅列しよう」ではありません。
自分を支えてくれる人の存在の多さに気付いたら、全てを羅列しなくても、
「こんなにたくさんの人に支えられているんだ」と気付き、自然と感謝の念が出てくるのです。

・広く子どもの意見・視点を想定しますが、
それが全て出なくても、気にしないで焦らないでください。
言語化できないだけで、子どもは非言語で理解している可能性もあります。
今は気付くまで実感が伴っていないという可能性もあります。
「自然」よりも「モノ」について考える方が楽しい可能性もあります。
とにかく、最低限、「身近な支えてくれる存在に気付く」という活動ができれば、
この授業は成功なのです。
いくつ意見が出た、とかそういった基準で評価する必要はありません。

・モノ、自然、インフラなど多くの視点が出るのは、
想定通りでいいですが、こんなこともありです。
『家族は身近な存在として分かった。
それに、地球は私たちを支えてくれているよ。
先生地球がどんなふうに私たちを支えているか話し合いたいです!』
というように、1つの視点を深掘りするのも、素敵な授業の流れだと思いませんか?

2 発問例

・あなたを支えてくれている人はだれですか?
・あなたにほめられたいから支えているの?
・支えている人は、お金のため?
・支えている人は、何のため?
・支えている人、みんなにある心はなに?
・「ありがとう」は必ず言わないといけないの?
・「ありがとう」はどうして言わないといけないの?
・どんなときに「ありがとう」を言うの?
・「ありがとう」という言葉は、誰がいい気持ちになるの?
・怒って「ありがとう」って言ってもいいと先生は思うけど、どう?
・「ありがとう」って言うの、めんどくさいから、言わなくていいよね?

板書は、支えてくれる人→自分にしてくれる行動
というブロックをたくさん作りましょう!

3 まとめ

・先ほどの流れから、「支えてくれる人に感謝しよう!」というまとめは×です。
なぜなら感謝は強制されるものではなく、
人の心から泉のように自然と沸いてくるものだからです。

・前回のDとは違い、言葉でまとめるようにできるといいですね。
☆支えてくれる人は、見えるところにも見えないところにもたくさんいる。
☆「ありがとう」は言った人よりも言われた人の方がいい気持ち
☆自分のことを大事に思ってくれる人が、支えてくれる人
などでしょうか。
必ずしもこの言葉にする必要はありません。

◎支えてくれる人は身の回りにたくさんいる
◎「ありがとう」はイイ言葉

的な要素が入って、さらに子どもの言葉でまとめられると、最高なまとめですね!

はい、ということで、
今日は「1年「ありがとう」【感謝】の指導案はこうする!」というテーマでお話しました。