スキルアップ

1時間の板書を横書きにするだけで、考える子が育つ!

縦書きと横書き

今日は、『1時間の板書を横書きにするだけで、考える子が育つ!』
というテーマでお伝えします。

小学校では「特別の教科 道徳」となって2年目となりました。
教科書ができ、評価を記述で行うようになり、大きく変革を迎えています。
合わせて、授業のあり方についても、これまでのやり方を見直そうと文科省は言っています。

・登場人物の心情のみを問う授業にならないようにすること
・単に生活経験を言い合うだけの授業にならないようにすること
・教科書に書かれてあることなどわかりきったことを聞くことがないように発問を精査すること
などと、具体的にポイントを挙げています。
しかし、文科省が言及していないものがあります。
「板書」です。

板書は、まだまだ学校現場ではなくてはならないものです。
黒板に子どもたちの考えをまとめることで、
子どもの理解が進み、思考が促されます。

では、新しい道徳の授業では、どのような板書が適切なのでしょうか。
今回は、「縦書きか横書きか」という論点でお伝えします。
どちらでもよいというのが本音です。
どちらか正解を導き出すことは、本質的な問いではありません。
よりよい板書をつくるという「方法」が「目的」になってしまうからです。
しかし、今回は私の考えをお伝えします。
結論から言うと、道徳の板書は横書きをおすすめします。
なぜか。次の4つの理由からです。

順に説明します。

①なぜ、道徳の板書は横書きがいいのか。

小学校の授業では、縦書きで板書を使う教科は少ないです。
国語のみです。それ以外の教科はほとんどが横書きです。
国語・道徳以外の教科書はほとんどが横書きになっているため、
そのまま板書に横書きが反映されているのでしょう。
国語と道徳の教科書は、縦書きで書かれています。

しかし、道徳は横書きがよいでしょう。
それは、横書きの方が身近だからです。
テレビのテロップや速報など、目にするものはほとんどが横書きです。
そして、それらは短い言葉で表現されていて、キャッチーなものが多いです。
テレビ、最近ではネット上の動画を観る機会が多い子どもたちは、
横書きの方が圧倒的に身近なのです。

ほとんど意識はしないでしょうが、身近な横書きで、しかも短い言葉で書かれる方が、縦書きに比べて理解しやすいのです。

 

②縦書き・横書きの教科ってなに?

教室の黒板は横長です。
横に広いので、左から右へと授業が展開することの多い算数や理科・社会と同様に、
道徳もこの流れが大事です。
左から右へ流れていく方法は、他教科でベースができている分、子どもは学習形態として理解しやすいのです。

 

③自由度が高い

縦書きに比べて、横書きは自由度が高いです。
矢印や線、四角や丸で囲むなどの目印をつけやすいです。
縦書きでもできないことはないのですが、縦に書かれた文章が壁のようになってしまい、
黒板全体を使って線で結ぶような板書が作りにくいです。
算数・理科・社会の方が、
国語に比べて線で結んだり、
矢印を書いたりすることが多いし、
考えてみると横書きの方が書きやすくはありませんか?

体感かもしれませんが、横書きの方が、横長の黒板には合っていると思います。
登場人物の関係を整理したり、時系列で書いたりする際は、横書きの方が適しています。

 

④漢数字より数字

縦書きだと、数字は漢数字で書くことが文章のきまりとなっています。
道徳でも数はたびたび登場しますが、そのつど漢数字で書いていくことになります。
実は、子どもたちは漢数字は「知っている」状態ではありますが、「使える」状態ではありません。
先ほどと同じく、テレビなど身の回りのものはほとんどが1、2、3・・という算用数字です。

漢数字だとすんなり頭に入ってくるレベルではありません。
「漢数字に慣れさせることは大事だ」という声が聞こえてきそうですが、
それは果たして道徳の時間にしなければならないことでしょうか。
それこそ、国語で縦書きの授業で行うことだと思います。

道徳は心を耕す教科です。教科書をもとに話し合い、意見を出し合って道徳的価値の本質に近づく。
その過程で、漢数字があると、ないときに比べて思考のスムーズさが違ってくるのではないでしょうか。

ということで、今日はかなり持論が強くなりました。
これまで、道徳を縦書きでされていた先生は、授業の幅を広げるという観点から、
横書きで1度チャレンジされることをお勧めします。
板書は、これまでの慣例はありますが、明確な規則はありません。
優先すべきは、ひな型の授業に子どもをはめるのではなく、
子どもが伸び伸びと思考できる授業展開です。
子どもファーストで授業を考えてみると、授業スキルがグンとアップするかもしれません。
道徳の板書は縦書き?横書き?というテーマでお話ししました。