スキルアップ

小学校3学期の指導3ポイント

こんにちは,kishです。

今日は「小学校3学期の指導3ポイント」についてお伝えします。

この記事を書いているのは1月で3学期です。

学年末が迫り,慌ただしい日々が続く3学期ですが,

だからこそ,子どもの成長のチャンスはたくさんある3学期です。

次の3ポイントでお話しします。

先生が今,担任している子ども達とよい別れができるように願いを込めて,解説します。



3学期の指導3ポイントはこれ。

①3学期は次の学年のゼロ学期

②子どもに任せる

③ゴールを作る

それぞれ解説していきます。


①3学期は次の学年のゼロ学期

4月から子ども達は,次の学年になります。

当たり前ですが,1年生は2年生,4年生は5年生と1つ進級をします。

4月は1学期ですね。

そして,きっと新しい担任の先生から,

「新しい学年で大切なこと」を,教えてもらえるでしょう。

4月を気持ちよくスタートする方法など,多くの実践があります。

しかし,私は必ずしも4月からスタートしなければならない,とは思いません。

この3学期を,次の学年の0(ゼロ)学期と捉え,子ども達の心を高めて行きましょう。

具体的に言います。

1年生は,4月から2年生。新1年生が入学してきます。つまり,初めて「先輩」になるわけです。

ゼロ学期では,次のようなことが指導のポイントとしてあげられるでしょう。

 ・先輩として見本となる行動をしよう。

 ・1年生が困っていたら助けるために,友達を手伝ったり助けたりしよう。

 ・1年生に勉強のことを聞かれたら答えられるようにしよう。

2年生は,3年生になります。「中学年」というくくりになり,4年生と同列に扱われることも増えてきます。

ゼロ学期の指導のポイントは,

 ・(3学期の時点での)3年生の行動をよく見ておく。その人たちと一緒に活動をすることが増えます。

 ・総合的な学習の時間や理科,社会,リコーダー,習字など新しいことが始まります。今から,新しいことにどんどん挑戦しましょう。

3年生は4年生になります。ゼロ学期の指導のポイントは,

 ・「上学年」と呼ばれ,小学校を折り返します。学校を引っぱる立場の今の4・5・6年をよく見ておきましょう。

 ・学習が難しくなります。これまでの学習をしっかり復習しておきましょう。

 ・宿泊研修等がある学校は,ここにポイントを入れていいですね。

4年生は5年生になります。ゼロ学期の指導のポイントは,

 ・高学年です。6年生と同じく学校を引っぱる立場です。いつ,どこで見られても模範となる行動をしましょう。

 ・学習の内容がさらに増えます。これまでの学習をしっかり復習しておきましょう。

5年生はいよいよ6年生です。ゼロ学期の指導のポイントは,

 ・最高学年です。学校を引っぱる立場として,今からできることはないでしょうか。

 ・もう6年生がいなくても,班長や委員長として活動できますか。分からなければ,まだ聞くことができます。

6年生は中学校1年生です。ゼロ学期の指導のポイントは,

 ・中学校を見越して,生活カードを記録しましょう。

 ・小学校の総復習をしましょう。

 ・範囲を決めて宿題を出すので,期限までに出しましょう。

 などと,中学校を意識した課題の出し方をします。

このように,次の学年で4月に話すべきことを,今から先取りして伝えておくのです。

すると,進級した4月に子ども達は,「いきなり言われても・・・」とはならず,

心の準備ができ,さらにはある程度行動して自信をつけた子どもたちが,

4月に新しいクラスで席に座っているのです。

ただし,やりすぎは禁物です。あくまでも心構えのみにして,活動は少なめにしてください。

なぜか。

次の学年の担任の先生がやりにくくなるからです。

「それ知ってるよ。」「前の担任の○○先生に教えてもらいました。」

なんて,4月に言われたら,悲しいし,いいスタートを切れないですよね。

あくまでも心構えだけにとどめて,3学期の子どもを,ゼロ学期と意識付けて,心の準備をしていきましょう。

3学期ではなく,ゼロ学期と捉えるだけで,なんだか先生は,子どもにかける言葉が変わってくるような気がしませんか?

でも,決して「そんなことでは次の学年にあがれないよ。」というおどしまがいの指導をしてください,というわけではないので,誤解のないようにしてください。



②子どもに任せる

3学期はとにかく,「忙しい」です。

1月は「いく」,2月は「逃げる」,3月は「去る」と小学校の指導ではよく使われますが,

それほどあっという間に過ぎていきます。

年度末が近付いているため,どの教科も教え切らないといけない,でも終わっていない。

作品もまとめないといけない。そうこうしているうちにインフルエンザによる学級閉鎖。

学級閉鎖が明けたと思ったらもう卒業式の練習。歌の指導をしなければ,呼びかけを練習しなければ。

なんだか読んでいるだけで,心がざわざわしてきますね。

「~しなければならない。」ことが多いときは,どうしても先生主導の活動になりがちです。

「子どもに~させる」という表現は個人的に好きではないので,使わないようにしていますが,

あえて使うと,「子どもにさせることが多い3学期」なのです。

だからこそ,私はお伝えしたい。

その仕事,子どもに任せることはできませんか?

例えば作品を出席番号順にする

ロッカーの中身は何か確認する

持って帰っていいものはないか確認する

軽微なものは,必ずしも先生がしなくてもいいはずです。

でも,先生という職業の人は責任感が強いものですから,1人でやってしまうのです。

子どもは,仕事をほしがっていますよ。

仕事を通じて先生とつながりたがっていますよ。

仕事を任せることで責任感が芽生え,①でお話しした「次の学年につながる」のです。

短いとは言っても40日前後はあります。

計画を立てても完ぺきではないときも多いです。

仕事(タスク)の漏れに気付いたときこそ,子ども達の出番です。

「ちょっとだけ手伝ってくれる人?」

「やってみたい人?」と聞いたら,

数人手を挙げてくれる子,担任の先生なら想像できるんじゃないでしょうか。

他にも意外な子が手伝ってくれて,成長を感じますよ。



③ゴールを作る

3学期は,1学期と比べて,運動会や宿泊研修,演劇会,合唱・合奏の音楽発表,学習発表会,水泳・陸上の大会などなど,大きな行事がほとんどありません。強いて言えば卒業式ぐらいでしょうか。

とはいっても,学校や地域によってはそれに並ぶ大きな行事があるかもしれません。

ここではあくまで一般的な学校の例で,お話しします。

学級崩壊は,6月11月2月に起こると言われます。なぜか。大きな行事が終わった後だからです。

行事がある=子どもの目標がある

ということです。

目標があると,子どもは自分でできることを見つけたり,力を伸ばそうと挑戦したりします。

目標があると,子ども達は忙しいので,生徒指導上のトラブルが起きにくいというのが一般的な見方です。

しかし,3学期はそれを受け止める行事がありません。

ではどうするか。

なければ作ればいいのです。

学級単位で目標になるような活動を設定しましょう。学年でもペア学年でも,状況が許せばアリですね。

例えば,

・長縄1000回を目指そう

・短縄全員二重跳び20回跳ぼう

・100マス計算全員1分以内

・新聞を作ろう

など,

○○を達成しよう

といった学級の実態に合わせた目標を,1つではなく2~3つ設定しましょう。

学級でやるのですから,達成できなくてもいいのですが,

子ども達の意欲を継続するために,達成できそうな目標を設定することが大切です。

始めは低めでもいいですね。達成したら,「すごい!予想以上だ!」と達成したことを褒めて,共に喜び,次の目標を設定しましょう。



以上,今回は「小学校3学期の指導3ポイント」ということで,

①3学期は次の学年のゼロ学期

②子どもに任せる

③ゴールを作る

を紹介しました。

3学期は,学級がうまくいかなかったと感じられている先生は,

「早く過ぎ去ってほしい」と考えることでしょう。

私もそんな年はたくさんありました。本当に,そのしんどさは,暗闇を走っているような感じで,

永遠に春がこないのではないか,という感覚に陥り,孤独感が高まります。

しかし,明けない夜はありません。

つらいときがあるから,楽しいと思えるときもくるのです。

いつも平坦な道だと,楽しいことを楽しいとは気付けないかもしれません。

そして,先生は4月から,持ちあがりでなければ新しい子どもたちを担任し,気持ちが切り替わります。

しかし,子どもは3年から4年,4年から5年,と逃げられないレールを走り続けるのです。

その長いレールを走り続けるために,今,子ども達の力を伸ばすことが,この3学期のあなたの命題なのです。むしろそれしかない,といっても過言ではありません。

今,先生が担任している子ども達が4月から,よいスタートが切れるよう,

指導のポイントとなれば嬉しいです。

では,また次回!