雑感

教師の仕事は無形財産

こんにちは。
kishです。
今日は「教師の仕事は無形財産」という話題でお話しします。


【今日の目次】
1 無形財産の仕事
 ・無形財産とは
 ・どんなことを無形財産という?
2 有形財産を残す
 ・「掛け捨て」からの脱却
 ・有形財産にする方法
 ・有形財産にするメリットとデメリット

この流れでお話しします。



1 無形財産の仕事

無形財産とは

教師の仕事は、圧倒的に「無形財産」が多いです。
ここで言う「無形財産」は次のように定義します。

無形財産・・・音声や思考など、その場限りの雰囲気で終わり、後生に残らないもの。また、一時的に有形になっても、手元に記録として残らないもの

どんなものを無形財産という?

無形財産の仕事は例えば、以下の通り。
・授業の発問
・ケンカの仲裁
・子どもの日記・ノート・作品へのコメント
・子どもの悩み相談
・板書
・教材研究した授業の雰囲気
などなど、残らない仕事が考えてみると、とても多いです。

これは、教育という業界の性格上しょうがないでしょう。
目の前の子どもたちと、一瞬一瞬の会話や行動に臨機応変に反応して、教育をしていくのですから。
また、教材研究した授業については、
中学校の先生は教科担任制のため、
教材研究をしたら、ある単元の授業を複数回行うことになるので、
まだ教材研究をする報いが多少はあると言えますが、
小学校では1度授業をしたら、少なくとも1年間は同じ授業をすることがありません。

教育の現場は、毎日先生達が生み出し続けている、
この「無形財産」によって支えられているのです。

この「無形財産」はある意味では、素晴らしい教育の核となります。
しかし同時に、際限のない「無形財産」は、
「定額働かせ放題」の温床ともなっています。

やってもやっても終わらない、この「無形財産」の仕事は、
埼玉の公立小学校教師が起こした、残業代を求めた裁判の本質的な問題であると考えます。

埼玉の公立小学校の先生が残業代240万円を請求



2 有形財産を残す

「そんなこと言っても、
仕事が減らないんだから、
しょうがないじゃないか。」

「裁判なんてしても、
仕事が減らなきゃ意味ないじゃん。」

「残業代はいいから、仕事を減らしてほしい。」

確かに、これらの声はよく分かります。
私は、そんなあなたのために、次のことをオススメします。

「無形財産」を

「有形財産」にすること

これまでに挙げたような「無形財産」の仕事の例や、その他の仕事を、「有形財産」にしていくように意識するのです。

「掛け捨て」からの脱却

「無形財産」は保険で言うと掛け捨てです。
その場では安心ですし、子どもたちによい教育を提供できますが、
時間が経つと自分の中に残っているのは、
「やりきった」という達成感と経験、
数年経つと忘れてしまう記憶です。
それらを「鉄は熱いうちに打て」ではないですが、
「有形財産」にしてしまうのです。
終身保険のように。

有形財産にする方法

では、どのように「無形財産」を「有形財産」にしていけばよいのでしょうか。

例えば次のようなことが考えられます。

  • 授業後、板書写真を撮る →教科ごとのフォルダに保存。
  • 授業をビデオに撮るor録音する。
  • 教材研究ノートを作り、計画や感想、成果や課題メモをする。
  • 通信や文書をできる限りデータにして保存する。
  • 日記を書く。

このように、できるだけ、記録に残していくのです。
その時のコツは、

「データにすること」

動画や音声のメディア、文書ならスキャンします。
今はスキャナーがなくても、スマホのアプリで簡単にスキャンできます。
私はこのアプリを使って、どんどんスキャンしています。

CamScanner スキャンアプリ、PDF 変換、OCR、書類 スキャンPDF作成、翻訳アプリ

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有形財産にするメリットとデメリット

仕事を「有形財産」にしていくとどんなメリットがあるのか。
次のような点が挙げられます。
・仕事を資産にできる。
・本当の達成感が得られる。
・来年、ゼロスタートではない。
・有形と有形を掛け合わせて、新しいアイディアが生まれる。
・記録することで、自分自身にフィードバックできる。
・次第に「忙しい」状態から脱却できる。→来年ちょっとラクになる。

このような感じです。

では、反対に「有形財産」にするデメリットとはなんでしょうか。
それは、
・時間がかかる。
・少しの機器が必要。(カメラ、ボイスレコーダー、PC)
この2点です。

特に、「無形財産」の仕事に慣れている人は、
「有形財産」の仕事にしようと切り替え始めると、
初期の頃は慣れていないのでとにかく時間がかかります。
今までしていなかった仕事が、これまでの仕事に加わるのですから、
当然のことと言えます。

忙しいんだから、
そんなことできるはずないでしょ。

きっと、ほとんどの方がそう思われるでしょう。
しかし、あえて厳しいことを愛を込めてお伝えします。

「忙しいからできない。」を理由にしていると、来年も再来年も、
忙しい状態のまま抜け出せず、毎年同じグチを言うことになりますよ。

「有形財産」を残すことは、紛れもなくあなた自身を助けることになります。

「あ、これ使えるな。」
「何かネタはないかな。そうだ、去年の○○を参考にしよう。」

「有形財産」にすることは、将来の自分への投資なのです。
未来の自分が、過去の自分の情報を使うのは、著作権フリーです。
自分自身のアーカイブスを残し、効率的に仕事を進めていきましょう。
そして、仕事を効率的に進めることで生まれた余裕は、
子どもに笑顔で接することに使ってくださいね。

ということで、今回は
「教師の仕事は無形財産」
というテーマでお話ししました。

また次回をお楽しみに!