3年

3年「まどガラスと魚」【正直、誠実】の指導案はこうする!

正直、誠実

こんにちは。
今日は『3年「まどガラスと魚」【正直、誠実】の指導案はこうする!』
このテーマで教材解説をします。

「正直に言いましょう」
「誠実な人」
などと、
正直や誠実については、学校生活で考える場面が多いです。
ということは、子どもたちにとっても身近な内容項目です。

正直に言うこと、誠実に生きることの大切さは知っていますが、
実際に正直さが求められる場面では、
自分の利益やプライド、怒られないという恐怖や不利益の回避など、
様々なことが、正直さを邪魔します。

宿題をやっていないけど、「やったけど忘れました」と言う。
自分だけ怒られたくないから、「ぼくだけじゃないです。」と言う。
意見はあるけど、発表で間違えて笑われたくないから、前の人が言ったことを繰り返す。
などなど、正直さを阻害する要素は、
数え切れないほどあります。

「正直、誠実」を扱う授業では、
その大切さを45分かけて伝えても、
のれんに腕押しです。
知っているのですから。

そうではなく、正直な心とは何か、
誠実とはどんな心から生まれるのか、
という本質を考えて、
核心に気付いた時、
「やってみたい!」と
子どもの心の内側から意欲がわいてきます。
(これを道徳的実践力と言います。)

そんな姿が、授業の終末では見られるといいですね。

では、解説です!

1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ

順番に解説します。

1 教材について

A 主として自分自身に関すること
「正直、誠実」
3・4年の目標・・・・過ちは素直に改め、正直に明るい心で生活すること

3年生「まどガラスと魚」(日本文教出版)

あらすじ

千一郎の投げたボールが、文助の頭をこえてよその家の窓ガラスに当たって割れてしまった。
「謝らないといけない」と思いながら、結局そのまま帰ってしまいました。

次の日、登校中に遠回りしてその家を見ると、まだガラスは割れたままでした。

その次の日、また家を見に行くと「ガラスを割ったのはだれだ?」と白い紙が貼ってありました。
「ぼくです。」と口の中でさけびながら千一郎はあわててかけだした。

その日の夕方、家の魚を猫がくわえて出て行った。

その後、近所のお姉さんが「お魚を取られませんでしたか?」と言ってお詫びにきた。
一軒ずつ聞いて回っていたようだ。
お詫びに、とアジの干物を2まいもらった。

ぼくは、アジの大きな目に見つめられたように思った。

次の日、ぼくはお母さんに窓ガラスのことを話した。
そしてお母さんと一緒にお詫びに行った。

窓ガラスには新しいガラスがはまっていた。

おじいさんはお母さんが出したガラス代を受け取らず、「正直な子どもが来るのを楽しみに待っていました。」と言ってボールを返してくれました。

2 内容項目と教材

正直、誠実とは、それぞれどのような意味でしょうか。
それぞれ広辞苑では次のような意味です。

正直・・・心が正しく素直なこと
誠実・・・真面目で真心がこもっていること

うーん、言葉の意味はこのようになっていますが、
この言葉をどのように授業で使えばいいのでしょうか。

結論を言います。

順番が大切です。

正直は、行動→言葉
誠実は、言葉→行動

なのです。

正直とは何でしょうか。
「正直に言いましょう。」等と使いますね。
これは、自分の行った行動を、
ウソいつわりなく言葉で表現しましょう、という意味です。

これは、行動が先にあって、そのあとに言葉がある。

行動→言葉ですね。

もっと具体的に考えてみます。

ある日、教室でAくんが花瓶を割ってしまい、
先生に見つかりました。

先生は「何があったか正直に言ってごらん。」と言います。
するとAくんは
「遊んでいて、手が当たって花瓶を割ってしまいました。ごめんなさい。」
と言いました。

Aくんは正直でしょうか?

これは、「花瓶を割ってしまった」(行動)Aくんは、
自分の行いを謝る(言葉)という流れです。
行動→言葉の流れのことを正直と呼ぶのです。

対して「誠実」はどうでしょうか。
正直と似ていますが、「正直に言いましょう。」のように
「誠実に言いましょう。」とは言いませんよね。

これは、先に言葉があるからなのです。
例えば約束を守る人。
この人は誠実と呼べるでしょう。

「約束をする」(言葉)行為の後に、「守る」(行動)があるという流れです。
言葉→行動、ですね。

発した言葉やルールに基づいて行動をすることを、誠実と呼ぶのです。

話を戻します。指導要領には「正直、誠実」と書いてあります。

これは、順番が大切です。「誠実、正直」とは
なっていないことがポイントです。

正直は、行動が先でした。
「正直」が先にくるということは、指導要領では、「まず行動することが大切。」と言っているのです。

まずは行動をして、言葉で後から補足する。
言葉を先に言って行動するよりも、
まずは先にいいと思うことをやってみましょう。

動いてみて、初めて分かることがあるんです。
ここまでは拡大解釈かもしれませんが、
実際に教材研究をする際には、

この教材は、正直に重きを置いているのか、誠実に重きを置いているのか。

これを軸として考えましょう。

1つの教材で両方を大切に扱っているものはほとんどありません。
たいていは正直か誠実、どちらかの色が濃くなっています。

そして、正直なら正直、誠実なら誠実、重点がどちらか分かったら
その行動をしている人物に焦点を当てて、発問を作ります。

教材を見てみます。

「まどガラスと魚」は、千一郎がガラスを割った(行動)が、なかなか謝る(言葉)ことができずにいます。

つまり、行動→言葉の流れができているので、『正直』に重きを置いて考えればいいことがわかります。

千一郎は正直でしょうか?
この発問はどちらの意見もあります。

(1)『千一郎は正直だ』という意見

最終的にはお母さんと一緒に謝りに行っている。
それにガラスを割ってしまったけど、毎日様子を見に行ってガラスのことを気にしている。
正直な人じゃないとそんなことはしない。

(2)『千一郎は正直ではない』という意見

謝りに行ったのはガラスを割って3日後。
その場は逃げてしまったし、毎日様子を見に行くだけで何もしない。
結局お母さんと一緒にしか謝りに行かなかったから、お姉さんが来なかったら謝りに行かなかったのではないか。

どうでしょう。(1)(2)どちらも納得ですし、どちらも間違っているとも言えません。
こんな意見が真っ二つに分かれそうな発問は、子どもの思考が活発になりますね!

また、もし流される子が多くて、意見が偏ってしまったら、授業者が反対の立場になればいいのです。

先生も大人ですが、道徳の前では一学習者です。

道徳的価値を追求する学習者として、子どもと議論をできるといいですね。


3 導入

T:教師 C:子ども

T:『正直』ってどういう意味ですか?
C:思ったことを言う。
C:素直なこと。

T:正直はいいことですか?
C:うん。
C:いいこと。

T:じゃあ『正直』でいるために大切な心はなんですか?
C:○○
C:□□
※色々と言ってくるでしょうから、受け止めましょう。

T:今日は、『正直』について、そして『正直』でいるために大切な心は、みんなが言ったこと以外にあるのか、考えていきましょう。

4 発問

・千一郎は、正直だろうか。
・千一郎は、割って3日後に謝りに行ったが、当日に謝りに行った方がもっとおじいさんは喜んでくれたのではないだろうか。
・おじいさんが怒ったら、千一郎の正直な気持ちはムダなのだろうか。

・文助は謝らなくていいのだろうか。
・本当に千一郎の心を見つめていたのは、アジの目だろうか。
・おじいさんは、最初から怒っていなかったのだろうか。

・千一郎は逃げたから、正直ではないのではないか。
・お母さんは千一郎のことをどう思っているだろう。
・千一郎の心と魚を持ってきたお姉さんの心、共通するものはなんだろう。

・千一郎の心と魚を持ってきたお姉さんの心、ちがうものはなんだろう。
・最初の千一郎と後の千一郎は一緒だろうか、ちがうだろうか。
・千一郎は、いつ「謝ろう」と決意したのだろうか。

・お姉さんが魚を持ってこなかったら、千一郎は謝りに行くことはなかったのだろうか。
・千一郎は、毎日ガラスの様子を見て、何を期待していたのだろう。

5 まとめ

「正直に言うと、自分も相手も気持ちがスッキリする」
このまとめは、ちょっと浅いです。

なぜなら、授業前から知っている結論だからです。
3年生ともなると、低学年の先生が道徳の授業を積み重ねているのですから、この結論は、45分の授業を受けなくても知っているでしょう。

3年生では、さらに深掘りをして、子どもたちの納得解を得たいですね。

例えば、次のようなものです。
○正直は、状況によって言えるときと言えないときがある。
○正直に言わない方がよいときもある。

などです。
今回の教材のように、正直に言ったら気持ちがスッキリしてよいこともありますが、いつも正直に言っているのがいいでしょうか。
例えば、友達に
「寝癖がついているよ」
「ボタンが取れているよ」
「鼻毛が出ているよ」
「背が低いね」
などと思っていることを
正直に言うことは、正しいと言えるでしょうか?

また、今回の「まどガラスと魚」はたまたまおじいさんに許してもらえましたが、怒られる可能性もあったわけです。

ハッピーエンドになること以外の可能性もあったわけですから、正直=正解という安易な発想は避けたいですね。

終末では、そんな日常生活や可能性の例も出して、まとめを固めていきたいですね。

そしてそうなると、まとめの言葉が増えます!
ぜひ、私のまとめの発想を超えた授業をしてください。

はい、ということで今日は
『3年「まどガラスと魚」【正直、誠実】の指導案はこうする!』
このテーマでお送りしました!

また明日もお楽しみに。

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