6年

6年「ブランコ乗りとピエロ」【相互理解、寛容】の指導案はこうする!

こんにちは。
今日は『6年「ブランコ乗りとピエロ」【相互理解、寛容】の指導案はこうする!』
このテーマで教材解説をします。

相互理解とは、文字通り互いに理解すること。
理想の関係ですが、なかなか難しいですよね~。

親友やカップルという近い存在、
ましてや夫婦でさえ、
互いに相手のことを完璧に理解している!
と言える人は少ないのではないでしょうか。

そもそも、相手を理解するって
どんな状態でしょうか?
相手を理解するには、
自分にはどんな心があればいいのでしょうか?

今日の記事で考えていきましょう!

では、解説です!

1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ

順番に解説します。

1 教材について

C 主として集団や社会との関わりに関すること
「相互理解、寛容」
5・6年の目標・・・・自分の考えや意見を相手に伝えるとともに、謙虚な心をもち、広い心で自分と異なる意見や立場を尊重すること。
6年生「ブランコ乗りとピエロ」(日本文教出版)

あらすじ
サーカス団の新入り、ブランコ乗りのサムは、ピエロの言うことも聞かずにスター気取りです。
ある日、大王の前で曲芸をし、大歓声を浴びた。しかし、時間が伸びてピエロは大王の前で芸を披露できなかった。
サムに怒ろうとしたが、ピエロは、演技を終えてぐったりして、肩で息をしているサムを見た。

控室で、団員はサムに詰め寄る。
サムは「サーカスは大成功じゃないか。夢中になって演技をした私の何が悪いんだ。」と言った。
ピエロは、「サムの真剣な姿に心を打たれた。サムは力いっぱい頑張っている。だから観客の心を打つんだ。」と理解を示した。
サーカス最終日、サムとピエロが力を合わせて空中ブランコに取り組む姿があった。
 
 

2 内容項目と教材

「相互理解、寛容」の目標は、
自分の考えや意見を相手に伝えるとともに、謙虚な心をもち、広い心で自分と異なる意見や立場を尊重することとあります。

分解すると、次の通り。

①考えや意見を相手に伝える。
②謙虚な心をもつ。
③自分と異なる意見や立場を尊重する。

この3つに分けられます。

1つの教材で目標の全てを達成するのは難しいですから、どこかに重点を置く必要があります。

1つの教材で目標の全てを達成するのは難しいから、
『重点項目』として複数の教材で考えていく必要があるんですね。
実際、日本文教出版の教科書でも、「相互理解、寛容」は2つの教材が割り当てられています。

この『ブランコ乗りとピエロ』は、「心のノート」にも掲載されていた名作中の名作ですね。
定番教材なので、多くの実践がなされています。

では、この教材は①〜③のどれに当てはまるでしょうか。
③が中心で、①の要素も少し入っている、といったところです。

③自分と異なる意見や立場を尊重する。
このことを中心に発問を考えたり、構成をしていきましょう。

とここで、
③自分と異なる意見や立場を尊重する。
これについてもう少し深く考えてみます。

相手の意見や立場を尊重する。
相互理解、寛容には大切な言葉が目標から抜けています。

想像力です。

相手のことを、「~かもしれない。」と想像することで、
自分も同じ経験をしていれば自分勝手な考えを抑えるきっかけになります。

「相手に伝わっていないかもしれない。」と想像することで、
自分の考えをきちんと伝えようという意欲がわきます。
相互理解の根底には、想像力が必要なのです。
授業で板書したり、子どもに言わせたりする必要はありませんが、
想像力が大切であることを頭にいれておきましょう。

ピエロは、自分勝手な行動をしたサムを理解しました。
自分の出演時間を奪われ、大切な機会を逃したのに、「一生懸命頑張っていた」という理由でサムを許した。
一見、理解に苦しむ展開です。

「なぜ、ピエロはサムを理解した(許した)のだろう。」
この問いは、子どもとぜひ考えたいですね。

議論の一助としてわたしの解釈をお伝えします。
サムは、一生懸命自分の技を披露しました。
なぜ、一生懸命に取り組んだのでしょうか。
ぐったりして、肩で息をするほどです。
スター気取りで、目立ちたいのであれば多少ならば手を抜いても、人気は変わらないはずです。
それが例え大王の前であっても同じ。

サムは、「自分が目立ちたい」という思いから演技をしたのではなく、
「サーカスを見に来たお客さんに喜んでほしい」その一心で取り組んでいたのではないか。

派手な舞台の裏側で、体力の限界まで演技をしたサムの姿をピエロは見る。
それは今日に限ったことではなく、いつもこれだけ全力でやっていたのだろう。
余裕をもって演技するのではなく、目の前の演技をとにかく一生懸命やる。
サーカスという自分の仕事に一生懸命向き合う、その心をピエロは感じたのです。
だから、サムの姿を見た直後の自分の演技も、「自分も、自分ができることを精一杯やろう!」と思ったから、力が入ったのではないか。

結局、サムもピエロも、「自分が目立ちたい」という思いはあるけど、それよりももっと大きな願いとして、「サーカスを成功させたい」「サーカスを見に来たお客さんに喜んでほしい」と思っていたのです。
その思いが同じだったから、互いにサムとピエロは理解をすることができたのです。

では、このことから、何を子どもたちは学ぶのでしょうか?

それは、次のことです。
・自分が感じた他人の言動は、真実ではないかもしれない。
・相手の気持ちになって考えることで、相手の思いが感じ取れる。
・自分と相手の同じ思いを考えることで、相手のことを深く理解することができる。

これらのことが、抽象化されて道徳的な価値として浮き出てきます。

このように、教材をじっくり話し合い、そこから内容項目というフィルターを通して、
日常生活で使える価値を抽象化することで、道徳的な学びにつなげていくことが必要です。

この作業は難しく感じるかもしれませんが、意外と難しくありません。
他の事象と照らし合わせて、「あ、これってこういうことと同じか。」というポイントを見つければいいのです。
そして、その時が「なるほど!」とストンと落ちた理解を得られるときです。

 

3 導入

T:教師 C:子ども

T:友達のことについて、「よく知っている」と言えますか?
C:言えると思う。
C:全部は知らないかな・・・。

T:友達の心を知ることって難しいですよね。
 友達の心を理解するときに大切なことはなんでしょう。
C:うーん。

T:みんなで考えていきましょう。

4 発問

・ピエロとサム、サーカスのことを真剣に考えているのはどちらだろう。
・この話で笑っているのはだれだろう。
・サムは自分勝手だから、団員の言うことが正しいのではないか。

・ピエロの言うことに納得できるか。納得度は何%か。
・サムは時間を守らないのだから、ルールを守らないならどんなにいい演技をしても、サーカス団の一員としてはダメなのではないか。
・サムは、サーカスの「いい団員」だろうか。

・ピエロは、サムより人気がないので、あきらめたからサムを認めたのだろうか。
・ピエロとサム、立場は対等だろうか。
・サムは、大王の前だけ頑張ったのだろうか。

・みんなはサムのことを好きだろうか、嫌いだろうか。
・お客さんは最近入ったサムよりも、長くいるピエロを見たいのではないだろうか。
・ピエロとサムは互いに理解できても、団員が認めなければ「自分勝手」が2人増えただけなので、解決はしないのではないか。

5 まとめ

・自分が感じた他人の言動は、真実ではないかもしれない。
・相手の気持ちになって考えることで、相手の思いが感じ取れる。
・自分と相手の同じ思いを考えることで、相手のことを深く理解することができる。

これらのポイントを押さえたまとめが、「子どもの言葉」でできるといいですね!

 

はい、ということで今日は
『6年「ブランコ乗りとピエロ」【相互理解、寛容】の指導案はこうする!』
このテーマでお送りしました!

また明日もお楽しみに。

 

 

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