2年

2年「およげないりすさん」【友情、信頼】の指導案はこうする!

友情、信頼

こんにちは。
今日は『2年「およげないりすさん」【友情、信頼】の指導案はこうする!』
このテーマで教材解説をします。

今日解説する「およげないりすさん」は、
いわゆる定番教材です。

定番教材は、長年教科書に掲載され続けていて、
たくさんの実践がある教材です。

なぜ定番教材は定番なのか。
それは、道徳的価値が多い、もしくは深いものが多いからです。

考えれば考えるほど、まるでスルメのように味が出てきます。
定番教材だからといって恐れることはありません。

あなただけの視点を見つけて、教材を研究していきましょう!
今日の記事は、自分だけの視点を見つけるヒントになりますよ。

では、解説です!

1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ

順番に解説します。

1 教材について

B 主として人との関わりに関すること
「友情、信頼」
1・2年の目標・・・・友達と仲よくし、助け合うこと。

2年生「およげないりすさん」(日本文教出版)

あらすじ
あひるさんとかめさんが池の島に行って遊ぶ相談をしていました。
そこにりすさんが「ぼくも一緒に連れて行って」と頼みました。
しかし、「泳げないからだめだよ。」とみんなが言いました。

あひるさん・かめさんは島に行って遊びましたが、ちっとも楽しくありませんでした。
「やっぱりりすさんがいたほうがいいね。」と相談しました。

次の日、かめさんはりすさんを背中に乗せて、島へ行きました。
かめさんの背中にのったりすさんを囲んで、みんなは島へ行きました。
brown squirrel eating nuts

2 内容項目と教材

定番教材でやってはいけない活動

定番教材は、多くの切り口があります。
その分、「それは本当に道徳的価値に迫っている活動なのか。」と立ち止まって考えたいものもあります。
まずは、【やってはいけない活動】を2つ紹介します。

【やってはいけない活動①】

 望ましい行動を考える

これは、道徳でもっともよくある活動です。
「その活動はいけない」と意識していても、
行動について考えていることがあるから、要注意です。

例えば、「あひるさんとかめさんはどんな行動をすれば、りすさんが喜んだだろう。」と発問をします。
それに対して子どもたちは答えます。

「最初からりすさんと一緒に行けばいい。」
「白鳥さんをこっちに呼べばいい。」

はい、アウトです。

まず、そもそも発問がよくないです。
「りすさんを喜ばせるための行動」を探す発問です。
そんな友達のお膳立てをするようなことを強要し、そのアイディアを募集する。

子どもたちに「自分を犠牲にして友達を喜ばせましょう。」と言っているようなものです。

それに、子どもたちはアイディアを発表しますが、
「○○の時は●●すればいい」という方法論は、道徳的価値と関係ありません。

むしろ、全く意味がありません。

例えば、登山を思い浮かべてください。

「熊に遭遇したら死んだふりをすればいい」という通説があります。
実際に熊に遭遇したら、逃げられる道もあるし、助けを呼ぶスマホももっているし、隠れる場所もあるのに、
「死んだふりをすればいい」という方法しか知らなかったら、目の前で倒れて死んだふりをするしかありません。

そんな命知らずなこと、本当にしますか?

方法論は、道徳で語ることは全く無意味です。
顔で笑って心で泣くなんてことはよくあります。
笑顔で人を騙す詐欺師もいます。

あひるさんやかめさんのを探すことは、
時間のムダなので、絶対にしないようにしましょう。

brown squirrel on black background

【やってはいけない活動②】

  教材を区切って提示する

これもよくある活動です。
活動というか、教材提示の工夫ですね。

「およげないりすさん」では、あひるさんとかめさんが島に行って、
「全然楽しくない」と感じているところで区切り、
「このあとあひるさんやかめさんはどうしたでしょう。」と聞くのがよくある実践です。

はっきり言います。
この活動は全く意味がありません。

なぜか。
区切って先を予想することは、道徳的価値に迫っているようで、建前を引き出すための策でしかないからです。

島で遊んでいて「楽しくない」と思っているあひるさんとかめさん。

だったら、次はりすさんを誘うだろうと子どもなら誰しも予想がつきます。

だって、教科書はそんな流れが一般的だから。
それに道徳だから、いい話にならないとおかしいから。

そんな風に思って「りすさんを誘うと思う。」と言うわけです。

それは、あひるさんやかめさんの気持ちになって発した言葉ではなく、
教科書の流れを読み取った推測です。

「りすさんはやっぱり誘わずに自分たちだけで次も行くと思う。」なんて発言をする勇気ある子はいないでしょう。
「空気を読まない子」とみんなから思われるのはいやですからね。

また、続きの教材を提示した時に
どうしても「(予想が)当たった!」「外れた!」という思考になります。

その思考は、道徳で必要でしょうか?

当たったか外れたかはどうでもよくて、
なぜその行為をしたのか、心の奥の奥を考えることが大切なのです。

「それでも私は区切ります」と言う人がいます。
それを止めることはしませんが、最後にもう1つお伝えします。

区切ると、「どうなったでしょう。」と予想させる発問や
それに対する意見がたくさん出てくるので、授業は活発になったように見えます。

つまり、「いい授業を作ることができている錯覚」になります。

でもそれは、上述したとおり、道徳的価値の本質的な部分には
向かっていないことが往々にしてあります。

子どもがたくさん発表する授業がいい授業ではありません。
子どもがたくさん思考する授業がいい授業なのです。

話がだいぶそれました。
ということで、【やってはいけない活動】を2つ紹介しました。

brown squirrel on tree branch at daytime

内容項目の理解

では、内容項目について考えます。

「友情、信頼」
この内容項目は、順番に意味があります。

友情が先にありますね。

広辞苑で意味を調べると、

友情・・・友達の間の情愛
信頼・・・信じて頼りにすること

とあります。

例えばあなたは,道を歩いている人にいきなり住所などの個人情報を伝えることはできますか?

きっとほとんどの人が「できない」と答えるでしょう。
「何で教えないといけないの?」
「どこにばらされるか分からない。」
「そもそも,だれ?」

それらは「信頼」という基礎が、人間関係の中にできていないからです。
つまり友情がないと、信頼もできないのです。

では「友情」とは何でしょう。

広辞苑の意味の通り、「友達との情愛」略して「友情」なのです。
では、情愛とはなんでしょうか。
再び広辞苑で調べると、

情愛・・・情け、いつくしみ、愛情

とあります。

・友達が困っているから助る
・友達の気持ちに共感する
・友達に対して好感をもつ

これらのことを数十回、数百回くり返して、「友情」と呼べる関係ができあがるのです。

その過程の中では、自己開示が必ず必要です。
自分のことをさらけ出したり、本音を言い合ったりして、関係が深まっていくのです。

そうしてできた「友情」があるから、初めて次の「信頼」が成り立つのです。

教材研究の場面では、

①「友情」か「信頼」か、どちらに重きを置いているのか考える。
②例えば「友情」なら、2人はなぜ友達と呼べるのか、本当の友達と呼べるのかといった発問を考える。

この流れで、本質に向かう授業ができるのです。

友情と信頼のちがいは、授業では扱わなくていいですが、授業者はこれについて自分なりの考えをもっておきましょう。
「およげないりすさん」は、『友情』に重きを置いている教材です。

情愛の意味で、「同情、いつくしみ」とありました。
友達に対して、少なからず同情の念はあるということです。

あひるさんやかめさんは、島で遊んでいる時、どこか楽しくなくて落ち着きませんでした。
心に何か大事なものが欠けている状態だったのです。

あひるさん・かめさんの心に欠けているものとはなんだったのでしょうか。

・りすさんがいないさみしさ
・りすさんを断ってしまった自分への後悔
・次はりすさんを誘おうか迷う

あひるさん・かめさんの心について考える活動も、有効ですね。

友情で大切なことは、相手意識です。
相手は今、どんな思いをしているのか、自分の行動でどんな思いになるのか。
相手の気持ちを想像できることが、真の友情に大切な要素なのです。

また、教材をさらっと流してしまうと「さみしい思いをしている友達を見つけて仲よくしよう」という結論になってしまいますが、果たして本当にそれでいいのでしょうか?

りすさんはあひるさん・かめさんが誘ってくれてうれしかったのは当然でしょうが、1回断られているんだから、素直に「うれしい」と感じるでしょうか。

りすさんは「誘ってくれるのは今回だけかもしれない」と思う可能性はないでしょうか。

これは懐疑的な見方ではありますが、教材の裏側まで推測すると、考えられることです。
そしてそれを考えることが、実生活でも生きるほどの深くて細かいポイントなのです。

さすが定番教材、多くの観点がありますね。

ここまで説明したことはたくさんありますが、
全てを45分で触れようとは思わないでください。
私も全てを触れることは不可能です。

どれか、「これだ」と思うポイントを1つか2つに絞って、授業でチャレンジしてみましょう。

定番教材のよさを実感できるはずです。

brown squirrel on pavement

3 導入

T:教師 C:子ども

T:友達ってどんな人のことを言いますか?
C:一緒に遊ぶ人。
C:仲のいい人

T:今日は、「本当の友達」について考えましょう。

4 発問

・あひるさん・かめさんは、りすさんが「かわいそう」と思ったからしょうがなく行ったのだろうか。
・りすさんは一度断られているんだから、2回目に誘われても嬉しくないのではないか。
・あひるさん・かめさんは、一回目に断らずに「うん、一緒に行こう」と言っていたら、りすさんはもっと喜んだのだろうか。

・この後、あひるさん・かめさん・りすさんはどんな会話をするだろうか。
・あひるさん・かめさんは、りすさんのことが嫌いなのだろうか。
・この話で、「いい気持ち」になっているのは誰だろう。

・あひるさん・かめさんは、りすさんを一度裏切っているのだから、友達を大切にしていないのではないか。
・あひるさん・かめさんは、りすさんに失礼なことをしているのではないか。
・あひるさん・かめさんだけで遊ぶときと、りすさんもいれて遊ぶとき、どちらが美味しく感じるだろうか。

・あひるさん・かめさんは、悪いことをしているのだろうか。
・題名の「およげないりすさん」は、どんな意味を表しているのだろう。
・りすさんがいないまま島に向かっているあひるさん・かめさんと、りすさんがいて島に向かっているあひるさん・かめさんは、心にどんなちがいがあるだろう。

・りすさんは、1回目で一緒に行ってくれた方が嬉しいのではないか。
・あひるさん・かめさんとりすさんは、「いい友達」だろうか。

5 まとめ

・相手の気持ちを考えて行動する。
・相手のことを考えた行動は、自分も相手もいい気持ち。
・考えて行動しても、間違っていることもある。でも、相手のことを考えたことは伝わる。

言葉にすると難しいですが、ポイントとして捉えてください。

2年生らしい言葉で表現できるといいですね!

はい、ということで今日は
『2年「およげないりすさん」【友情、信頼】の指導案はこうする!』
このテーマでお送りしました!

また明日もお楽しみに。

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例 : はしの上のおおかみ

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