3年

3年「心をしずめて」【相互理解、寛容】の指導案はこうする!

相互理解、寛容

こんにちは。
今日は『3年「心をしずめて」【相互理解、寛容】の指導案はこうする!』
このテーマで教材解説をします。

「相互理解、寛容」は、ザ道徳と言っていいぐらい、
いわば道徳っぽい項目です。

シンプルなようで子どもに身近な価値観なので、
奥が深いところ。
実際に授業をすると、袋小路になってしまうこともあるでしょう。

今回例示する教材も、そんなモヤモヤ感がたっぷりある教材です。

何に気をつければいいのか。
授業の着地点は何なのか。
1つずつ考えていきましょう!

では、解説です!

1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ

順番に解説します。

1 教材について

B 主として人との関わりに関すること
「相互理解、寛容」
3・4年の目標・・・・
自分の考えや意見を相手に伝えるとともに、
相手のことを理解し、自分と異なる意見も大切にすること。

3年生「心をしずめて」(日本文教出版)

あらすじ
ともみとあき子は仲良しです。
図工の時間、ともみが一生懸命絵を描いていたとき。
あき子が「ともみちゃん、上手!」と声をかけました。
そのひょうしにともみの手が筆洗いに当たり、絵の上に倒れて水がこぼれました。
「あっ。」

あき子はともみに何度も謝りましたが、ともみは知らん顔をしていました。
いつもは2人で帰りますが、その日は1人で帰りました。
家で6年生のお兄さんが話を聞いてくれて「そんな友達、やめちまえよ。」と言って怒ってくれた。でも、お兄さんの言葉を聞いてなんだか変な気持ちになりました。

自分の部屋にもどると、あき子からもらった貯金箱が目にとまりました。貯金箱には「大好きなともみちゃんへ。お誕生日おめでとう。」と書いてあります。それを見ているうちに、だんだん心がしずかになってきました。

今日はあき子の誕生日。用意していたプレゼントをもって、あき子の家に向かって走り出しました。
brown wooden table with chairs

2 内容項目と教材

「心をしずめて」は、子どもたちが身近で考えやすい、
3年生の教室が舞台となっています。
親近感をもって考えやすい反面、脱線しやすいので注意が必要です。

どういうことか。

道徳は、行為ではなく、行為を生む心を考える教材です。
しかし、これだけ具体的な教材だと、
ともみは○○をすればいい。
あき子は、こうすればいい。
というように、行為(行動)に話が行きがちです。
しかし、それは道徳の時間では適切な話し合いの流れとは言えません。

また、
あき子が正しい
ともみが間違っている
と、誰が正しいかを考えてしまうのも、
適切な流れとは言えません。
ともみが自分勝手な行動をしたように描かれていますが、
果たして本当にそうなのか、
あき子は本当に悪いことをしたのか、
と立ち止まって考える必要があります。
あき子は正しい、ともみは間違っている
という前提で授業をすると、
善悪のジャッジという観点が入ってしまい,
気付くべき価値を見落としてしまいます。

前提を捨て、授業者はフラットな目で教材を見ましょう!

この項目は、「親切、思いやり」と混同されますが、
「親切、思いやり」は、相手のことを考えて進んで親切にすること(行動)
「相互理解、寛容」は、相手のことを理解し、意見や考えを尊重すること(思考)
です。

両者は似ていますが、「親切、思いやり」は行動まで求めているのに対し、
「相互理解、寛容」は、相手の考えを尊重するという思考までしか求められていません。

「え、ムズっ!」難しいですよね。
だから、この項目は、低学年にはなく、中・高学年にしか配当されていないのです。

ちなみに、高学年の目標は次のとおりです。
「自分の考えや意見を相手に伝えるとともに、
謙虚な心をもち、広い心で自分と異なる意見や立場を尊重すること」
高学年では、『自分の意見も相手の意見も、同じように扱う』という感じが伝わってきます。

対して、中学年は相手のことも大切にするが、自分の意見はもっと大切にするという感じです。
つまり、中学年は相互理解度合いの重きは
自分50%、相手50%ではなく、
自分の意見の方に重きが置かれているので、
自分75%、相手25%ぐらいの感覚でいましょう。

「相互理解、寛容」はズレがポイントになります。
授業ではこのズレを正したり、どの人が正解かを探したり、
どうすればよかったかという解決策を話し合ったりするのではなく、
なぜズレが起きたのか、ズレを生む心は何か、を考えます。

その話し合いから、教材の場面だけでなく、
日常生活の様々な場面に使える気付きを
子どもたちは得て、応用していきます。
これが、「道徳的実践力」と言われるものです。

では、「心をしずめて」でのズレは何か。
それは、見ている先がそれぞれ違うのです。

ともみは、偶然あき子に声をかけられて驚いて水入れをこぼしてしまいました。
一生懸命描いていた絵が台無しにされてしまったのだから、怒る気持ちも当然です。
また、取り返しのつかないことをされて、「何をされても絵はもとに戻らない」という気持ちもあります。

対してあき子は、故意にそのような行動をしたわけではありません。
ともみと関わろうと思うあまり「上手だね」と声をかけて、それが偶然ともみを驚かすことになってしまった。
謝っているし、ともみの態度にちょっとおかしいとも思っています。

この教材で一番のポイントは、
ともみが立ち止まって、自分の言動を振り返っていることです。
この部分がまさしく、相手のことを思う、「相互理解」なのです。

ともみは言い過ぎたかもしれない。
あき子は正しかったかもしれない。
いい記事を作りたいという気持ちは同じなのに・・・。

相手の立場に立って考えることができています。
なぜ、ともみは立ち止まることができたのでしょうか。
なぜ、自分は正しかったのか、という思いが出てきたのでしょうか。
ここを、子どもと一緒に考えたいですね。

boy in black hoodie sitting on chair

3 導入

T:教師 C:子ども

T:友達とケンカをしたことがある人?
C:(手が挙がる)

T:その原因はなんですか?
C:約束を破った。
C:嫌なことを言われた。

T:なるほど。今日は、偶然のできごとでケンカをしてしまった2人について考えます。

4 発問

・題名「心をしずめて」の後は、どんな言葉が続くだろう。
・相手のことを一番考えているのは誰だろう。
・ともみは、だれのことを一番に考えているだろう。

・あき子は、だれのことを一番に考えているだろう。
・ともみのいいところはどこだろう。
・あき子のいいとこころはどこだろう。

・完成したともみの絵は、いい絵と言えるだろうか。
・この話の中で、あなたが友達になりたいのはだれ?

5 まとめ

「相手のことを考える」は、浅いまとめです。
それは、内容項目ですでに言われていることです。

45分かけて子どもは議論するのですから、
もう少し踏み込んだまとめにしたいですね。
例えば、

○相手のことを考えるには、「~かもしれない」と思うことが大切。
○どんなことをするかよりも、どんなことを考えることが大切。

というように、
「相手の立場に立って考える上で大切なこと」を
子どもの言葉で表現できるとイイですね!

はい、ということで今日は
『3年「心をしずめて」【相互理解、寛容】の指導案はこうする!』
このテーマでお送りしました!

また明日もお楽しみに。

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例 : はしの上のおおかみ

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