4年

4年「さち子のえがお」【善悪の判断】の指導案はこうする!

善悪の判断

blue and red pensこんにちは。

今日は『4年「さち子のえがお」【善悪の判断】の指導案はこうする!』
このテーマで教材解説をします。

今日の内容項目は、
「善悪の判断、自律、自由と責任」です。

比較的、分かりやすくて授業をしやすい項目ですよね。

いいことと悪いことの区別を
「教える」という意識が先行してしまいますが、
区別するべきことを「教える」のではなく、
自分はいいと思うか悪いと思うか
「考えて答えを出す」ことを大切にします。

強いて教えるとすれば、
自分の判断基準(ものさし)をもつことの大切さです。
まずは、この意識をもって、授業に臨んでくださいね!

では、解説です!

1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ

順番に解説します。

1 教材について

A 主として自分自身に関すること
「善悪の判断、自律、自由と責任」
3・4年の目標・・・・正しいと判断したことは、自信をもって行うこと。

4年生「さち子のえがお」(日本文教出版)

あらすじ
さち子はお母さんと近くのスーパーに行きました。すると同じクラスのユミに会いました。
「あ、ユミちゃん・・」と声をかけましたが、何も言わずに行ってしまいました。
すると次の日、ユミは何人かの友達にカラーペンを配っていました。
さち子は不思議な気持ちになりました。

次の週、またさち子はスーパーに行きました。すると、ユミが次々とシールや消しゴムを手さげカバンに入れていました。
「あっ。」
さち子に気づいたユミは近づいてきて「さっちゃんもいっしょにやろう。」と声をかけてきました。いっしゅんだけ、ほしいなと思いましたが、
「いや。」と断りました。
「ユミちゃんもやめて。万引でしょう。」と言いました。

次の日、学校でユミから手紙をもらいました。
「さっちゃんへ カラーペンとシールと消しゴムは昨日お母さんといっしょにお店に返しました。さっちゃんのおかげです。」
さち子は、ほっと笑顔になりました。
「あのとき、はっきり言ってよかった。」
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2 内容項目と教材

「善悪の判断、自律、自由と責任」は、次の3つに分けて考えます。
①善悪の判断
②自律
③自由と責任
それぞれ、似ていますが解釈が異なるので、今回授業をする教材が、①~③のどれに当たるかを考える必要があります。

「さち子のえがお」は、①善悪の判断になります。
万引きをするユミと、誘われたさち子の判断のちがいがポイントとなります。

最初にスーパーでさち子に会ったとき、ユミは声をかけられていますが、何も言わずに去っています。これはなぜでしょうか?

「さち子に会って気まずかったから」でしょうね。
では、なぜ気まずかったのでしょうか?

・万引という悪いことをしているから?
・さち子にバレるかもしれないから?
・さち子に余計な心配をかけたくないから?

ここで考えたいのは、ユミの感情です。
ユミは、どんなことを思ってスーパーを後にしたのでしょうか。
また、なぜ万引した商品を自分で使わずに、みんなで配ったのでしょうか。

A 万引きをした自分をみんなに自慢したかった。
B 万引きをしてまで、みんなと仲良くしたかった。
C 目的は「万引きをすること」で、盗ったものは別にいらなかった。

ユミの感情としては、どれが近いでしょうか。
子どもたちに聞いてみたいですね。
もしもBだとしたら、ユミは完全に「悪い子」だと言えるでしょうか?
マイナスの方のエネルギーではありますが、友達と仲良くしたい気持ちは、肯定されるべきものではないでしょうか。

 

まだ道徳の時間は4年生になって5時間目ですから、
道徳の議論に慣れるためにも、このように選択肢を与えて自分の立場を明確にして、
考えた意見を言う環境を多く設定していきましょう。

人は、「○○についてどう思う?」と1つの問題について突きつけられるよりも、
「○○と▲▲を比べてどう思う?」と、比較して考えるほうが思考が進みます。

『比較』を意識して、考える場を作っていきましょう。

 

さち子は、ユミに誘われてきっぱりと断っていますが、果たしてこのような行動をみんなできるでしょうか。
断る勇気をもとうと思うことはかんたんですが、実際の場面で勇気を出すことはむずかしいでしょう。

友達の誘いを断るということは、ある意味では「友情にヒビを入れること」にもつながるからです。
では、さち子は「断る」「誘いに乗る」以外に、どんな選択肢があったのでしょうか。

断って、ユミが怒りだしたらどうなるのでしょうか。
もし、店員さんが来てさち子も疑われたらどうなるのでしょうか。

「もし〜」と考えることで、たくさんの選択肢が浮かんできます。

こういった絶対的な正解がわかっている教材でやってはいけないことは、
『さち子は正しくて、ユミが正しくないという前提に立って授業を進めること』です。
それは、さち子のような行動が素晴らしいということになりますし、
その流れは『正しい行動を教える道徳』という、道徳科の批判の一丁目一番地のような授業になるからです。

道徳科は教科になり、多面的・多角的な見方が求められています。

ここでは、さち子が正しい、ユミが正しくないという前提を授業者が一旦くつがえし、
さち子のよくないところは?
ユミのいいところは?
と教材研究の段階で考えてみることで、授業者の視点が広がります。

すると、授業で子どもが広い視点から意見を言っても、受け止められるようになります。

多面的・多角的な授業をするには、発問をまずは変えることが大事ですが、
その発問から出る意見を、授業者が受け止められなければ、
せっかく子どもが多面的・多角的な視点で意見を言っても、
授業者がその意見を狭めてしまうことになります。

つまり、多面的・多角的な見方を育てる授業の第一歩は、授業者の意識改革なのです。

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3 導入

T:教師 C:子ども

T:もし、友達が悪いことをしていたらどうしますか?
C:注意する
C:先生に言う

T:なるほど。今日は、友達が悪いことをしていたら、どうなるのか。詳しく考えていきましょう。

4 発問

・さち子とユミは友達だろうか。
・最初にさち子に声をかけられたとき、なぜユミは何も言わずに離れていったのだろう。
・ユミはみんなとなんとしてでも仲良くなりたいという「友達思い」な子ではないか。

・ユミの誘いを断ってユミが怒ったら、さち子はどうするのだろう。
・さち子が断っても、ユミが万引きを続けていたら、どうなるだろう。
・この話で喜んでいるのはだれだろう。

・さち子はいつ笑顔になったのだろう。
・最初にユミに会ったときと、ユミに注意したときのさち子の笑顔は、同じだろうかちがうだろうか。
・ユミはなぜ万引きをしたのだろう。

5 まとめ

・先を想像する。
・「〜かもしれない」と考える。

このまとめは、あくまでも一視点です。

子どもの発言から、「これはいい!」と思うポイントがあれば、上記のポイントでなくてもまとめとしましょう!

はい、ということで今日は
『4年「さち子のえがお」【善悪の判断】の指導案はこうする!』
このテーマでお送りしました!

また明日もお楽しみに。

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例 : はしの上のおおかみ

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