4年

4年「良太のはんだん」【公正、公平】の指導案はこうする!

公正、公平

こんにちは。
今日は、
『4年「良太のはんだん」【公正、公平】の指導案はこうする!』
このテーマでお話しします。

公正と公平って、よく似た言葉ですよね。
ざっくりと同じ意味で捉えていて、違いなんて意識したことはない。
そんな人がほとんどでしょう。
公正、公平って平等ってこと。
つまりは差別をしてはいけないということ。
このあたりの理解で、日常生活は困りません。

しかし、これが道徳の授業をするという立場になったら、
もう少し深く理解しておかなければならないような気がします。
今日は、公正と公平の違いついて、考えてみましょう!

目次です。

順に解説します。

1 教材概要

4年生「良太のはんだん」(光文書院)
内容項目 C 主として集団や社会との関わりに関すること
「公正、公平、社会正義」
3・4年生の目標・・・誰に対しても分け隔てをせず、公正、公平な態度で接すること。

「良太のはんだん」あらすじ
4年生の光一、あゆ美たちはキックベースボール大会をしていた。
光一はヒットを打ってホームベースに返ってきたが、ベースを踏んでいないのではないかという疑いをかけられる。
審判の良太は、光一と親友ということもあり、雰囲気に押されてセーフと判断した。
喜ぶ光一、不満な相手チームのあゆ美。もやもやした良太。
その後、ホームベースにランナーとボールが同時に返ってくるというプレーがあった。
良太は、今度はしっかりプレーを見ていたので、あゆ美チームのランナーの「セーフ」を大声で告げる。
親友なのに、という思いのある光一。結局、試合はあゆ美のチームが勝った。
試合後、誰も嫌な思いをしておらず、そこには「またしようね!」と言い合う笑顔の3人がいた。

2 内容項目と教材

・公正と公平について、それぞれ意味を調べてみます。
公正・・・かたよりがなく正当なこと。はっきりいていて正しいこと。
公平・・・判断・行動に当たり、いずれにもかたよらず、えこひいきしないこと。
社会正義・・・人間が社会生活を営む上で、正しいとされる道理。

・なんだか、どれもに似たような意味ですね。簡単に言うと、
公正+公平=社会正義 ということです。

・公正、公平、社会正義については、
こちらの記事でも詳しく解説しているので、
詳しく知りたい方は、ご覧ください。

・「良太のはんだん」は、学校が舞台となっているので、
公正、公平だけでなく、他にもたくさんの内容項目が詰まっています。
良太と光一の『友情、信頼』
互いへの『親切、思いやり』
チームという『よりよい学校生活、集団生活の充実』
ルールを守るという『規則の尊重』
などです。
これらは、きっと子どもたちが気付いて発表するでしょうし、
授業者はこれらも否定せず受け入れる必要があります。
なぜか。それが道徳科で求められている
多面的・多角的な見方だからです。

・それらの発言を受け止めて、板書しますが、
この教材の本筋は「公正、公平」であることを忘れないようにしましょう。

・最初の良太は、光一と親友なので、雰囲気に押されて
「セーフ」と判定します。
これは、光一に有利に判定することは
公正な判断ではないと感じながら、
友情の方に重みを感じての判断です。
この良太は、悪い子でしょうか?
本当に、非難されて当然の良太なのでしょうか?

・最初の良太は、立場によって見え方が違います。
審判としての良太は、公正な判断ができていないので、マイナスな評価でしょう。
しかし、光一から見た良太は、多少自分に甘く見てくれている部分を感じているので、
友達としてはプラスの評価でしょう。
しかし、あゆ美は、偏った判定をしている良太に対して疑いのまなざしを向けているので、
マイナスな評価と言えるでしょう。
立場によって見え方が違い、評価も変わる。
これが、いわゆる葛藤場面です。

・「最初の良太より後の良太の方がいい」という前提に立って
授業を進めることは簡単ですが、
果たして本当にそれでいいのでしょうか。
最初の良太は、本当に悪いことをしているのでしょうか?

・そのように考えると、前半の良太のよいところ、
後半の良太のよくないところをあえて探してみる発問も、
子どもの思考を促しそうですね!

・平等には、『比例的平等』と『絶対的平等』があります。
比例的平等とは、時と場合と相手に応じて変化する平等。
絶対的平等とは、いつでも同じ基準で判断する平等。
詳しくはこちらの記事からどうぞ。
「良太のはんだん」では、
キックベースボールのルールという『絶対的平等』が求められる場面で、
友情を加味するという『比例的平等』を良太が持ち込んでしまったところに、
道徳の葛藤場面が生まれています。
もちろん、審判は『絶対的平等』であるべきですが、
この教材では、『絶対的平等』が正義であり、
他の判断材料は全て悪なのでしょうか。
初めから良太が正しい判断をしていれば、
問題はなかったのでしょうか。
この出来事によって、良太や光一、あゆ美は
成長できたとは言えないでしょうか?
これも、発問として考えたいところですね。

・公正、公平をまとめた言葉として「平等」を出しました。
・平等には、比例的平等と絶対的平等があると言いました。
・キックベースボールという競技では、
ルールという絶対的平等が求められますが、
果たして日常生活でも絶対的平等ばかりでいいのでしょうか。

・例えば、1年生の弟と6年生の兄、
2人に同じ量や難易度の宿題を出すことは、
絶対的平等です。公平とも言えます。
しかし、それでいいのでしょうか。
それぞれの発達段階に応じた量や内容で出すべきでしょう。
それが比例的平等の考え方です。公正とも言えます。
このように考えると、
良太の審判としての判断は、
間違っていたのか、正しいのか、
考えてみたいところですね。

・審判としての良太が正しかったのかはこの教材だけでは分かりません。
「○○しておけば、良太はもっとよく見て判断できた」と方法論に行くことは、
望ましい流れとは言えません。
それよりも、良太の判断に向かうまでの葛藤、どんなことを考えて
どんな心になったのかを、子どもたちと考えたいですね。

3 発問

・最初の良太と最後の良太、どちらと友達になりたい?
・最初の良太のよいところはどこだろう?
・最後の良太のよくないところはどこだろう?
・この話の中で、いい人は誰?
・最初の良太と最後の良太は、同じ? 違う?
→どこが違う? どこが同じ?
・このクラスはいいクラスだろうか?
・光一は、きちんと判断されるより、ひいきされた判断の方が嬉しいのではないか。
・良太は審判としては何点?
・みんな同じように接することは、本当にいいことなのだろうか。
・光一は負けてもいやな気持ちがしなかったのは、ひいきをしてもらったからだろうか。
・あゆ美のチームがアウトで負けていたら、やっぱり文句を言っていただろうか。

ポイントは『当たり前を疑う!』です。
公正な判断や、みんな同じように接することは、
なぜよいのか。本当にそれが正しいのか。
考えてみたいですね!

4 まとめ

・内容項目が多く詰まった教材なので、授業の核がぶれないようにしましょう。
・『良太のはんだん』では、キックベースボールというルールのある競技のため、
ルールをもとに判断できましたが、
日常生活はもっと複雑で、時と場合と相手によって判断することが必要です。
そのことまで押えられると、生活につながるまとめになります。

・ルールをもとにみんな同じにしたら、自分も相手も気持ちがいい。
・相手や状況によって、判断は変わることがある。

このあたりが、子どもの言葉で表現できるといいですね!

はい、ということで今日は、
『4年「良太のはんだん」【公正、公平】の指導案はこうする!』
このテーマでお話ししました!