4年

4年生「学級新聞作り」【相互理解】の指導案はこうする!

相互理解、寛容

こんにちは。
今日は『4年生「学級新聞作り」【相互理解】の指導案はこうする!』
このテーマで教材解説をします。

「相互理解、寛容」は、ザ道徳と言っていいぐらい、
いわば道徳っぽい項目です。

シンプルなようで、子どもに身近な価値観なので、
奥が深いところ。
実際に授業をすると、袋小路になってしまうこともあるでしょう。

今回例示する教材も、そんなモヤモヤ感がたっぷりある教材です。

何に気をつければいいのか。
授業の着地点は何なのか。
1つずつ考えていきましょう!

では、解説です!

順番に解説します。

もくじ
  1. 1 教材について
  2. 2 内容項目と教材
  3. 3 発問
  4. 4 まとめ

1 教材について

4年生「学級新聞作り」(光文書院)

B 主として人との関わりに関すること
「相互理解、寛容」
3・4年の目標・・・・
自分の考えや意見を相手に伝えるとともに、
相手のことを理解し、自分と異なる意見も大切にすること。

「学級新聞作り」あらすじ

月に1回発行する学級新聞。
「わたし」・黒羽さん・清水さんは同じ係。
ある日、「わたし」と黒羽さんは意見がぶつかってしまう。
「わたし」は話し合いできめたとおり、他の係の人の苦労したことなどを書いてもらって、
それを記事として掲載するつもりだった。
しかし、黒羽さんは、インタビューをした方が気持ちがよく伝わる記事が伝わると思い、やり方を変えた。
「わたし」は正しいことを言ったつもりだったが、言い過ぎたかと気になって、
清水さんに相談する。
清水さんは「わたし」と同じ考えだったが、清水さんの意見を聞けば聞くほど、
「わたし」はモヤモヤしてしまう。

2 内容項目と教材

・「学級新聞作り」は、子どもたちが身近で考えやすい、
4年生の教室が舞台となっています。
親近感をもって考えやすい反面、脱線しやすいので注意が必要です。

どういうことか。

・道徳は、行為ではなく、行為を生む心を考える教材です。
しかし、これだけ具体的な教材だと、
「わたし」は○○をすればいい。
黒羽さんは、こうすればいい。
というように、行為(行動)に話が行きがちです。
しかし、それは道徳の時間では適切な話し合いの流れとは言えません。

・また、
「わたし」が正しい
黒羽さんは間違っている
と、誰が正しいかを考えてしまうのも、
適切な流れとは言えません。
黒羽さんが自分勝手な行動をしたように描かれていますが、
果たして本当にそうなのか、
黒羽さんは本当に悪いことをしたのか、
と立ち止まって考える必要があります。
「わたし」は正しい、黒羽さんは間違っている
という前提で授業をすると、
善悪のジャッジという観点が入ってしまい,
気付くべき価値を見落としてしまいます。

・前提を捨て、授業者はフラットな目で教材を見ましょう!

・この項目は、「親切、思いやり」と混同されますが、
「親切、思いやり」は、相手のことを考えて進んで親切にすること(行動)
「相互理解、寛容」は、相手のことを理解し、意見や考えを尊重すること(思考)
です。

両者は似ていますが、「親切、思いやり」は行動まで求めているのに対し、
「相互理解、寛容」は、相手の考えを尊重するという思考までしか求められていません。

・「え、ムズっ!」難しいですよね。
だから、この項目は、低学年にはなく、中・高学年にしか配当されていないのです。

・ちなみに、高学年の目標は次のとおりです。
「自分の考えや意見を相手に伝えるとともに、
謙虚な心をもち、広い心で自分と異なる意見や立場を尊重すること」
高学年では、『自分の意見も相手の意見も、同じように扱う』という感じが伝わってきます。

・対して、中学年は相手のことも大切にするが、自分の意見はもっと大切にするという感じです。
つまり、中学年は相互理解度合いの重きは
自分50%、相手50%ではなく、
自分の意見の方に重きが置かれているので、
自分75%、相手25%ぐらいの感覚でいましょう。

・「相互理解、寛容」はズレがポイントになります。
授業ではこのズレを正したり、どの人が正解かを探したり、
どうすればよかったかという解決策を話し合ったりするのではなく、
なぜズレが起きたのか、
ズレを生む心は何か、
を考えます。

・その話し合いから、教材の場面だけでなく、
日常生活の様々な場面に使える気付きを
子どもたちは得て、応用していきます。
これが、「道徳的実践力」と言われるものです。

・では、「学級新聞作り」でのズレは何か。
それは、見ている先がそれぞれ違うのです。

・「わたし」は、係のみんなと、新聞を読むみんなのことを考えています。
係のみんなのことを考えて、話し合いで決まったことは変えるべきではないと言って、
係の秩序を保とうとしている気持ちからの発言です。
また、話し合いで決まったことは、みんなにとってもいい記事だろうという気持ちもあります。

・黒羽さんは、新聞を読むみんなのことを一番に考えています。
みんなのことを思うあまり、係のみんなに対しては配慮が足りませんでした。
しかし、新聞を読む人のためにいい記事を作ろうと思う気持ちは、
否定されるものではありません。
いいものを作るために、一生懸命やった結果なのです。

・この教材で一番のポイントは、
「わたし」が立ち止まって、自分の言動を振り返っていることです。
この部分がまさしく、相手のことを思う、「相互理解」なのです。

わたしは言い過ぎたかもしれない。
黒羽さんは正しかったかもしれない。
いい記事を作りたいという気持ちは同じなのに・・・。

相手の立場に立って考えることができています。
なぜ、「わたし」は立ち止まることができたのでしょうか。
なぜ、自分は正しかったのか、という思いが出てきたのでしょうか。
ここを、子どもと一緒に考えたいですね。

3 発問

・相手のことを一番考えているのは誰だろう。
・「わたし」は、だれのことを一番に考えているだろう。
・黒羽さんは、だれのことを一番に考えているだろう。
・清水さんは、だれのことを一番に考えているだろう。
・黒羽さんの書いた記事が、クラスのみんなに「面白くない」と言われたら、
「わたし」が正しかったと言えるのだろうか。
・「わたし」のいいところはどこだろう。
・黒羽さんのいいとこころはどこだろう。
・完成した学級新聞は、いいものと言えるだろうか。
・この話の中で、あなたが友達になりたいのはだれ?

4 まとめ

・「相手のことを考える」は、浅いまとめです。
それは、内容項目ですでに言われていることです。

・45分かけて子どもは議論するのですから、
もう少し踏み込んだまとめにしたいですね。
例えば、

○相手のことを考えるには、「~かもしれない」と思うことが大切。
○どんなことをするかよりも、どんなことを考えることが大切。

というように、
「相手の立場に立って考える上で大切なこと」を
子どもの言葉で表現できるとイイですね!

はい、ということで今日は
『4年生「学級新聞作り」【相互理解】の指導案はこうする!』
このテーマでお送りしました!