こんにちは。kishです。
先日わたしはこんなツイートをしました。→
インプレッションが1万を越えることは珍しいので、
それだけ関心の高い話題ということですね。
「3学期の担任が子どもを見る目が甘くなる」
これについてお話しします。
今日の目次です。
・許す範囲が増える
・怒るに怒れない
・「あと○日だしもういいか。」
解決策も混ぜながらお話ししていきますね。
許す範囲が増える
担任している子とのつき合いは、
はや1年となります。
これまで大きな行事を共に経験して
笑ったり悔しがったり喜んだり
様々な場面を子どもと共有してきました。
情が芽生えるのが普通でしょう。
それについては全く悪いことではないですし、
むしろ喜ばしいことです。
この「情」は、親の愛情に近いものとも言えます。
これがくせ者なのです。
情が出ると、子どもを色眼鏡で見てしまい、
「あの子はこんな子だから」と
その子基準で事実を捉えてしまいます。
ともすると、「児童理解」として、
いい印象をもつでしょう。
しかし、それが危険なのです。
例をあげて説明します。
あなたの担任するクラスに
「よくケンカをしていたAくん」がいたとします。
あなたはこの1年、
Aくんのケンカの仲裁を数多く行ってきました。
つい最近もしたばかりです。
指導を重ねる度に、Aくんはちょっとずつではありますが
「相手の気持ちを後で考えると○○だった」や
「いつもケンカをしてしまう自分が悔しいです」などと
自分を振り返ることができるようになってきました。
そんなある3学期、
Bくんが「Aくんに通りすがりにパンチされました」と訴えてきました。
あなたはAくんを呼んで確認します。
「しました。」
「正直に言えたね。謝りましょう。」
「ごめんなさい。」
と指導をしました。
この指導、あなたは違和感を感じませんか?
Bくんの立場で考えてみましょう。
「急に殴られて先生に訴えたのに、
先生は『謝りなさい』の一言で終わらせた」と感じます。
「どうして先生はAくんを怒ってくれないんだ」
と思うのが普通の考えでしょう。
なぜこのような指導が生まれたのでしょうか。
それは、先生のこのような感情が原因です。
「今までAくんにはたくさん話をしてきた。
もう私に呼ばれた時点で何を言われるか察しているでしょう。
言葉少なめで伝わるだろう。
『謝りなさい』よし、これで分かってくれただろう。」
いかがでしょう。
先生の頭の中にはAくんのことしかありません。
Bくんのことはこれっぽっちもありません。
「キッシュ先生、そんな片寄った考えはさすがにしないわ!」
本当にそうですか?
あなたのクラスにAくんのような子はいなくても、
手がかかる子、心配で気にし続けてきた子に何かあると
優先して考えてしまうあなたはいませんか?
さらに追い討ちをかけます。
先程のBくんが、その後、廊下を走っていたとします。
あなたは担任として注意をしました。
Bくんは思うでしょう。
「なんでAくんは怒らないのに、おれは怒るんだよ!」
信頼関係は、このようにして崩れていってしまうのです。
【解決策】
常にフラットな頭で考えましょう。
話を双方に聞くときは、同じ時間。
指導すべきところは、はっきりと指導する。
過去の行動は一切持ち出さず、
今回の行動のみを指導するようにすれば、
Bくんのような子は生まれないでしょう。
1つ目でドキッとした人はいますか?
まだまだいきましょう。
怒るに怒れない
4月から何度も、あなたは担任として
クラス全員に話をしてきました。
廊下の歩き方
いじめはダメ
努力は裏切らない
本気になる
それ以外にも、授業で多くのことを子どもたちに教えてきました。
担任の価値観もです。
子どもは、いい意味でも悪い意味でも
先生のことを深く理解しています。
つまり、「先生の怒るラインを知っている」ということです。
こんなことを言う子はいませんか?
「先生に言うよ」
「先生に怒られるよ」
これは、今目の前にしている事象は、
先生は許さないということを知っているために
出る発言です。
そんな子は、先生のことをよく理解しているので、
プラスに捉えてよいでしょう。
問題は、先生の理解をマイナス面に活用している子です。
「先生はいつも○○から入ってくる」
「先生は宿題をチェックする時、○○するから、こうすればやっていないことがバレない。」
「先生は『私が悪いんです』と言った人は、その後怒らない。」
などなど、
先生の死角を上手に突いてきます。
先生の怒りのラインも知っているので、
「ギリギリ怒られない」行動が増えていきます。
先生は怒れないどころか、そもそも気付かないこともあります。
そのため、この時期はいじめが起きやすい時期とも言えます。
【解決策】
いつもと違う言動を心がけましょう。
「今日は○○先生みたいに動く」
「今日は違う側の廊下から教室に向かう」
など、同僚の先生を参考にしたり
通る道を変えて
『変化』を子どもに感じさせましょう。
「油断できない」といい意味で思わせるのです。
引いてはそれが、問題行動の防止につながります。
「あと○日だしもういいか。」
そして一番怖いのがこれです。
3学期は多くても50日ほどしか学校に来ません。
あっという間に過ぎる学期と言ってもいいでしょう。
何か問題行動が起きると、
担任のあなたは思います。
「あと30日か。
1年でこの子は結局伸ばせなかったな。
もう来年の先生に任せよう。
軽く注意するぐらいでいいか。」
しんどいクラスを担任している先生は、
余計にそう思うでしょう。
早く終わってほしいという思い、痛いほど分かります。
私もそうでした。
しかし、ここで諦めてしまうと、
「諦めグセ」がついてしまいます。
きっと来年、同じような状況になった時、
あなたは同じ様に思って、次の学年に期待するでしょう。
そうやって次の学年、次の学年、と
いつも思っていると、いつまでも
「辛い状況を自力でぬけだす力」が身に付きません。
こう考えてみてはどうでしょう。
「1・2学期の指導でまいた種が、3学期のある日、花開く」
あなたは担任として150日前後、共に子どもと過ごしてきたのです。
あなたの価値観や考え方を
子どもたちはよく理解しています。
理解しているけど、
行動につながっていないのです。
それが、
3学期のある授業で、子どもたちの思考回路がつながり
見違えるように変わることがあるとしたら、どうでしょう。
3学期の行事で、子どもたちにふと投げかけた言葉で、
子どもたちが完全に先生のことを理解でき、「先生を困らせない!」とプラスの行動が増えたら、どう思いますか?
教育に魔法はありません。
魔法の杖をキラキラ-っとすれば子どもが変わる、
そんなことはあり得ないと思っています。
しかし、先生が毎日のように
子どものことを思ってまき続けた種が
ある瞬間に一気に開花することはありえます。
先生の諦めない心が身を結んだのです。
今までできなかったから、3学期もだめだろう。
そう考えてしまいがちですが、
逆に
「今までの指導が3学期の指導で、さらに生きる」と考えをみてはどうでしょう。
3学期はたかが50日ですが、
されど50日です。
先生にとっての「あと50日」は
子どもにとっては、違う受け取り方かもしれません。
「あと少しだし、注意するのはいいか。」と
指導をしなかったり、軽い注意だったりするのは
せっかくの子どもの成長の機会を奪っています。
また、「2学期は怒ったのに、最近は怒られない」と
子どもたちがリミッターが外れ、
問題行動が起きやすくなります。
【解決策】
「まだまだ子どもは成長する!」と考えましょう。
先生の諦めは、子どもに察知されます。
先生の指導のズレを、子どもは敏感に感じとります。
最後の最後まで、同じ基準で指導にあたりましょう。
最後に、ツイートでも書いた
【共通の解決策】をお伝えします。
・逆に「厳しい指導」にシフトしましょう。
・4月に伝えた目標やルールを再確認(再指導)しましょう
・目標を作って頑張れるようにしましょう。
・『担任がいなくても頑張れる子』を理想として、任せることを増やしましょう。
3学期は年度末のシメの時期です。
子どもだけでなく、先生も気が緩みがちです。
「そんなことないわ!」と思っている方は、
この記事は必要ない方でしょう。
でも、ここまで読んでくださった方は、
何か参考になることがあったのではないかと思います。
先生のクラスにとって、
よい締めくくりの3学期になることを願っています!
では今回はここまで。
次回をお楽しみに!