仕事術

【学級経営】私がなくしたこと

私がなくしたこと

こんにちは。休校が明けると、慌ただしくなることでしょう。
今日は、先生のヒントになると思って、
私が「なくしたこと」を紹介します。
つまり、『やらないと決めたこと』です。

順に紹介します。

①朝の会の『1分間スピーチ』

朝の会で、日直や当番の子が、1分間でスピーチをする実践があります。
結構有名なので、学級で実践している先生が多いのではないでしょうか。

しかし、私はやめました。

なぜかというと、朝の会の時間が日によって長くなったり短くなったりするからです。
子どもによっては、大勢の前で話すことが苦手な子がいます。
苦手な子は、どうしても話し始める前にもじもじしたり、話していてもゆっくりだったりします。
反対に、話すことが得意な子は、早口で終わらせて「読めばいい」「話せばいい」という意識が先行し、
聞いている人にとってはどんな内容なのか伝わりません。

スピーチの目的は、
・自分の思いや考えをまとめ、文章に表して声に出して伝える
ことです。

それならば、国語や他の授業でできます。
朝の会で当たり前のようにする必要はありません。
「他の先生がしているから」
「なんとなくしないといけないから」という感じで、
『スピーチをすること』自体が目的となっている先生は、きっぱりとやめた方がいいでしょう。

 

②帰りの会の『よいこと見つけ』

これこそ、昔の私は「みんながしているから」という理由でしていました。
実践しているうちは、「ああ、いいことを見つけられたな」といい発言が出てくるので、
心が温かくなり、いいことをしている気になっていましたが、
人は、同じことが続くとマンネリ化してきます。
子どもも同じです。

・同じ子が、同じ子のことを発表
・そもそもいいことがない
・いつも同じ内容

こんなことが続いて、理想とする姿と違う私は、
「もっと他の子の他のことを言いなさい!」と子どもたちを叱り、
心のほっとする時間に、叱られるという
子どもにとっては最悪の時間となっていました。

帰りの会は、子どもたちの意識は
「1秒でも早く帰りたい。」です。

いくらよい実践でも、子どもは帰ることしか考えていません。
そうであるならば、帰りの会はできるだけ短い方がいいのです。

『よいこと見つけ』は、授業中や先生の話、学級活動、係活動、学級通信などで充分に代替できます。
帰りの会で子ども同士が発表している雰囲気を作るだけが目的になっているのであれば、
きっぱりとやめた方がいいでしょう。

③発表後の『同意の声』&『拍手』

思い切ってやめたら、とてもよかったです。
授業中、子どもが発表すると、他の子どもが次のように反応することがあります。
「いいです。」
「同じです。」
「わかりました。」
学校で仕組み化されている場合もあるでしょうが、
これは何のために言わせているのか、説明できますか?

友達の発表を聞き流さないための意識付けでしょうか。
友達と自分の考えを比べるための指標となる発言でしょうか。

これらのせりふを言っている子どもたちの様子を分解してみると、
・自分ができていないのに「同じです」と言ってごまかす
・正解かどうかわからない発問に対する発言にも「いいです」と言う
・分かっていないのに「分かりました」と言う

マンネリ化してしまい、子どもが「友達の発表は反応する」という無意識を
口で覚えてしまっているので、思考せずに上の発言をしてしまうのです。

表面的には、子どもの発言に他の子どもが発言しているので、いい雰囲気でしょう。
しかし、それは本当に全員「同じ」なのでしょうか。
本当に全員が「いい」と思っているのでしょうか。
考えてみたいところですね。

加えて、発言ではなく拍手をするルールの学校もあります。

拍手は、子どもにとって邪魔です。

子どもは常に鉛筆を持っています。
友達が発言する度に、鉛筆を置いて拍手をしなければなりません。
鉛筆を持ったまま拍手をしている子は、音の出ない「なんちゃって拍手」です。

思考をせっかくしていても、
「拍手をしないと!」と意識が拍手にいき、
一旦それまでの考えがストップします。

マンネリ化すると、子どもは「音の出ない拍手」を習得します。
発言によっては拍手がふさわしくない場面もあります。

そんなときも、クセで拍手をしてしまうのですが、
他の子が拍手をしていないと、迷います。
そこで、してもしなくてもばれないような「音の出ない拍手」をして、
ごまかすようになります。

ここまでくると、もはや
「友達の発表に反応して自分も考えるきっかけにする」という
反応の目標からは、大きくかけ離れていっていると言えるでしょう。

 

はい、ということで、今日は私が学級経営でやめたこと
①朝の会の『1分間スピーチ』
②帰りの会の『よいこと見つけ』
③発表後の『同意の声』&『拍手』
についてお話ししました。

休校明けは特に時間が限られます。
これまで先生がしていたことの教育的意義を見直すと、
やめた方が教育効果が高いものが実はたくさん眠っているのです。

参考にしてください。