こんにちは。
今日は『3年「おじいちゃんとの楽しみ」【親切、思いやり】の指導案はこうする!』
このテーマで教材解説をします。
「親切にしましょう」って子どもの頃から
よく言われましたよね。
困っている人を助けるとか
力を貸してあげるとか
その対象はお年寄りだったり子どもだったり
身近な人だったりと、いろいろです。
親切にすると、相手は当然喜びますよね。
じゃあ相手が喜んで、
自分は苦しい、もしくは悲しい気持ちになる行動は
親切と呼べるのでしょうか。
普通に親切にしたら、
自分はどんな気持ちになるのでしょうか。
親切という当たり前にわかっていることを
改めて聞かれると、「あれ?」となりますよね。
さらに、親切と一口に言っても
いろんな親切があるのか?
と考えたくなります。
これが、道徳の面白さです。
そして、これが多角的な考え方です。
今日は、親切について教材を使って考えてみましょう!
では、解説です!
1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ
順番に解説します。
1 教材について
B 主として人との関わりに関すること
「親切、思いやり」
3・4年の目標・・・・相手のことを思いやり、進んで親切にすること
3年生「おじいちゃんとの楽しみ」(日本文教出版)
「わたし」の家にはねたきりのおじいちゃんがいる。
元気な頃は、弟・妹も含めて3人をとても大切にしてくれた。
突然倒れて入院して、今は家に帰ってきているが寝たきりだ。
わたしは、毎朝おじいちゃんに「おはよう。」と言っている。
おじいちゃんは小さい声だけどしゃべるときがあるからだ。わたしは、おじいちゃんがしゃべれるようになってほしいと、いつも声をかけている。
あんなに元気ではたらいていたおじいちゃんなのに、今は天井を見ているだけです。
さみしいしつらいだろうと思います。わたしが話しかけることでよろこんでもらえるなら、とてもうれしいです。
わたしは、町で会ったお年寄りに声をかけるようにしています。お年寄りの人が楽しくなってくれると思うからです。
2 内容項目と教材
もう一度、目標を確認してみましょう。
「相手のことを思いやり、進んで親切にすること」とあります。
『進んで』とありますね。
この部分がポイントになります。
人は相手の気持ちを考えることができます。
相手の気持ちを考えて、自分の感情と共通する部分が見つかったり、
悲しみの気持ちや同情の気持ちが芽生えたとき、
何かをしてあげたくなります。
それが、「進んで」の部分なのです。
相手が求めていないのに、進んでやることは親切ではありません。
相手の気持ちを考えずに行う親切は、もはや「大きなお世話」です。
親切にもいろいろな形がある
という多角的な見方をここでは大切にしましょう。
そして、本当の親切とは何か、
まとめの段階で再定義をできると、
授業が締まります。
「わたし」は、おじいちゃんに毎朝声をかけています。
おじいちゃんからは反応があったり、なかったりするにも関わらずです。
では、なぜ「わたし」は声をかけるのでしょうか。
それは、本文にもあるとおり、
「おじいちゃんがしゃべれるようになってほしいから」です。
なんとなく納得してしまいそうになりますが、さらに一歩踏み込んでみましょう。
◯なぜ、おじいちゃんがしゃべれるようになってほしいのでしょうか?
◯おじいちゃんがしゃべれるようになると、
「わたし」にはどんないいことがあるのでしょうか?
この2つ、深堀りして考えてみたいですね。
「わたし」は、おじいちゃんが元気なころ、たくさんお世話をしてもらいました。
昔の話を聞かせてくれたり、物の名前を教えてくれたりしました。
そのとき、おじいちゃんは孫3人に「思いやり」をずっとあげていたのです。
それが、おじいちゃんが倒れたことで「思いやり」のプレゼントが止まってしまった。
「もうおじいちゃんと一緒に遊べないのかな・・・」
「わたし」はそう思って残念だったに違いありません。
でも、今度は「わたし」がおじいちゃんに「思いやり」をあげる番です。
今までもらった「思いやり」をおじいちゃんに返す。
ここに、この内容項目の本質があります。
思いやりはつながっていく
このことが子どもの中にストンと理解として落ちればOKです。
あまり難しく考えず、「思いやりはリレーのようだ」のような子どもの言葉でまとめられるようにしましょう!
3 導入
T:教師 C:子ども
T:「思いやり」ってなんですか?
C:相手を思うこと
C:優しいこと
T:今日は、「思いやり」についてみんなで深く考えていきましょう。
4 発問
・もし、おじいちゃんがいやがっていても、親切と呼べるのだろうか。
・町で会ったお年寄りは、声をかけられたくなかったら、親切と呼べるのだろうか。
・弟・妹は声をかけないのだろうか。
・両親は、「わたし」のことをどう思っているのだろう。
・『おじいちゃんとの楽しみ』は、昔と今で変わっているだろうか。
・おじいちゃんは幸せだろうか。
5 まとめ
思いやりはつながっている
思いやりはリレー
このようなポイントを押さえてまとめられるといいですね!
はい、ということで今日は
『3年「おじいちゃんとの楽しみ」【親切、思いやり】の指導案はこうする!』
このテーマでお送りしました!
また明日もお楽しみに。
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