こんにちは。
今日は『【今さら聞けない】健康観察はこうする!』
このテーマでお話します。
健康観察について、同僚の先生から質問をされたので
まとめたものを掲載します。
1 健康観察とは
○健康観察は、子どもの状態を把握するための大切な手段であり、1日のできるだけ早いうちにするのが望ましい。
○人は(ましてや子どもは)自分の体の状態を言葉で表現することは難しい。
(例)「元気です」という状態は
・昨日と比べて良い。
・最近の数日と比べて良い。
・人生で最高に良い。
など、様々な状態がある。
このように「元気」の状態1つとっても、それぞれ微妙な違いがある。
○子どもは,自分の体の状態を正確に正直に言うとは限らない。
・調子が悪くても我慢する子
・調子がよくても「調子が悪い」という子
・言葉にはできないけど,先生にしんどいことを気付いてほしい子
・調子が悪いと言いながら,休み時間に汗をかくほど遊んでいる子
・学校が楽しいから,しんどいことを絶対に言わず,周りにも口止めをしている子 etc
○担任は、できるだけ健康観察の様子から、子どもの状態を把握しておくことが大切である。
○毎日行うことなので、システム化できていると、子どもの様子だけを集中して見ることができる。
2 私はこうしてる
【朝の会での日直のセリフ】
司会「健康観察をします。先生お願いします。」
全員「お願いします。」
司会「○○さん元気ですか。(出席番号1番の子の名前)」
以下,呼ばれたら「元気です。」などと答えて,次の人の名前を呼ぶ。
「はい元気です。○○さん元気ですか。」
※聞きながら担任は観察カードに記入
このように子どもが次の番号の人の名前を呼ぶ方式。
メリットは2点
①子どもが次の人を呼ぶので、担任が一人で順に呼んだときに起こる「点呼漏れ」がない。
②「はい元気です。」と「○○さん元気ですか。」の二言発するので、その日の調子を見とる材料が増える。
※観察カードへの記入は担任が行う。
※観察カードは個人情報。子どもに記入をさせない。
忌引の理由や出席停止の理由、ときには家庭の事情と書かず具体的な理由を書く時もある。それらの記録を見られたくない子がいるかもしれない。ということは、子どもに見せるのはよろしくない。
健康観察は、毎朝養護教諭が全校児童の様子を把握するものである。
調子の悪い子を記入しておくことで,何かあればすぐに職員室で対応してもらえる可能性がある。
3 過去の私の例 ※は教訓
(例1)
健康観察で「しんどい」と言っていたが、体育の授業の前に体調を確認すると、「大丈夫です」と言ったので授業に参加させた。
その子は家に帰って不調を訴え、次の日欠席した。
保護者から「どうして調子が悪いのに体育をさせたんですか。」という主旨の連絡があった。
※子どもと相談して決めることも多いが、いくつかはこちらで判断すべき場面もある。
(例2)
明らかに調子が悪そうだが、健康観察では「元気です。」と言った。
本人の言葉を信じ、特に何もしなかったが、4時間目の授業中、突然教室で嘔吐をした。
※調子の悪そうな子は、我慢している可能性があるので、注意して見ておく必要がある。
場合によっては保健室に行くよう促すことが必要。
(例3)
朝、行事の練習が長引いて健康観察をする時間が少なかった。
「調子が悪い人は手をあげましょう。」と言ったが、誰も手が上がらなかった。
その日、給食後に熱を出して保健室に行った。
私:いつからしんどかったの?
子:朝からです。
私:どうして健康観察で言えなかったの?
子:みんなが手を上げていなくて、上げにくかったです。
※控えめな子は,自ら調子を訴えにくいことがある。時間がなくても,1人ずつ聞く必要がある。
(例4)
私の高校時代の話。
体育の授業で持久走をしていた。突然同じクラスの女の子が倒れ、救急車で運ばれた。
そのまま意識が戻らず、亡くなった。
隣のクラスと合同体育の最中に起きた事案なので、健康観察をしていたかどうかは定かではないが、家族はこう言っていた。
「家を出るときはいつもと変わらない元気な様子でした。」
登校中や学校に滞在中に様子が急変することも充分に起こりうる。
やや大げさな表現ではあるが、命に関わる仕事でもある、と私は自覚している。
健康観察の時間をおざなりにしているということは、
子どもの命をおざなりにしていると言えます。
毎日している健康観察。
なんとなく通過儀礼のように流してしまうようになってしまいますが、
今日の記事で改めて、健康観察の大切さの理解が深まりますように!