こんにちは。
今日は『2年「さて、どうかな。」【礼儀】の指導案はこうする!』
このテーマで教材解説をします。
今日の記事は、次の人にオススメです。
■道徳の授業の教材研究をしたい。
■道徳が苦手。
■礼儀の授業について考えたい。
この記事を読むと、こんなお得なことがあります。
■道徳の内容項目についての理解が深まる。
■「礼儀」の授業づくりがわかる。
■切れ味のいい発問が手に入る。
では、解説です!
順番に解説します。
1 教材について
B 主として人との関わりに関すること
「礼儀」
1・2年の目標・・・・
礼儀の大切さを知り、誰に対しても真心をもって接すること
2年生「さて、どうかな」(日本文教出版)
「さて、どうかな」あらすじ
学校で、「わたし」は先生にあいさつをしました。
次に学級の友達に会ったけど、あいさつはしませんでした。
遠足で、昼の集合時刻に「わたしたち」は遅れました。
先生に、「忘れ物を取りにもどったので遅れました。」と報告しました。
その後、みんなのところにもどり、すぐにお弁当を食べ始めました。
他のグループの子達が、わたしたちをじろじろ見ています。
2 内容項目と教材
2年生に「礼儀を重んじる」と言っても難しいので、
「礼儀を使う」という表現を使ってみましょう。
「わたし」は礼儀を使う人を先生だけだと思っていましたが、
それだと友達がイヤな思いをしている。
しかし「わたし」はそれに気がついていない。
礼儀を使う人が先生だけではダメなのかと気付き始めています。
「わたし」の立場からすれば、先生にだけ挨拶や報告をすれば、
友達に同じことをする必要はないように思います。
学校では先生は勉強を教えてくれる重要な人なので、先生の話だけ聞いておけばよい。
友達には必要はない。
なぜ、この考えがダメだとみんな感じているのでしょうか。
子どもたちと考えてみたいですね。
わたしの考えを述べます。
挨拶は「人と人をつなぐクサリ」だからです。
挨拶をすることで人との関係ができ、
関係ができると信頼が生まれます。
信頼が生まれると、相手に伝えよう、話そうという気持ちが高まります。
「わたし」は、挨拶を先生にだけすることで、
先生としか信頼が生まれておらず、
友達との間には信頼が生まれていません。
だから、挨拶をしなかったり、遅れたことを報告しなかったりして、
友達からイヤな目で見られるのです。
信頼がなければ、「挨拶をしない」「遅れた理由を言わない」という
表面的な事象から、マイナスの想像が膨らみます。
好きな人にしか挨拶しないんだ。
遅れて平気でいるなんて、信じられない。
このように、信頼がなければ、マイナスの想像が膨らみ、
また信頼がなくなる。再びマイナスの想像が膨らむ、という
負のループに陥ってしまうのです。
そうならないためにも、目標にあるとおり
「誰に対しても真心をもって接すること」が大切なのです。
授業では、周りの友達になって
マイナスの想像を膨らませる活動をしてもよいでしょう。
そうすることで、挨拶をしなければよくない想像が膨らむことを
実感でき、道徳的価値に迫ることができるはずです。
この教材は、「友情、信頼」と「相互理解、寛容」の要素も含まれています。
☆礼儀を大切にしなければ、友情の中の信頼は生まれない。
☆相手の立場に立って考えなければ、礼儀の必要性が分からない。
この観点も、触れられれば触れてもよいでしょう。
3 導入
『「あいさつ」や「返事」はなぜしなければならないのですか?』
☆きまりだから。
☆先生に怒られるから。
などと答えるでしょう。
しかし、本質的な答えではありません。
『「あいさつ」や「返事」はなぜ大切なのか、考えていきましょう。』
と言い、教材を読みます。
4 発問
・「わたし」は悪い子だろうか。
・先生は「わたし」のことをどう思っているだろうか。
・みんなは「わたし」のことをどう思っているだろうか。
・なぜ、友達にあいさつをしなければならないのだろうか。
・「わたし」はみんなのことがきらいなのだろうか。
・「わたし」たちは、先生に嘘の報告をしているのではないか。
・「わたし」はいつも先生にだけ挨拶をしているのだろうか。
・このクラスはいいクラスだろうか。
5 まとめ
指導要領の目標に準じると「あいさつはだれにもですることが大切」となりますが、
それは適切なものではありません。
道で会った知らない人にも、
お店の店員さんにも、
学校で会う人全員にも、
だれにでも同じように挨拶をしなければいけなくなります。
それは現実的に考えると、生活につながる学びとは言えません。
それよりも、
時と場所、相手によってちょうどいい礼儀を使う
というほうが、状況によって判断して使えるまとめではないでしょうか。
この教材では「あいさつ」と「報告」に限っていますが、
「返事」「会話」「質問」なども、礼儀に含まれます。
それらを含められるようなまとめになるといいですね!
はい、ということで今日は
『2年「さて、どうかな。」【礼儀】の指導案はこうする!』
このテーマでお送りしました!