こんにちは。
今日は『3年「水やり係」【相互理解】の指導案はこうする!』
このテーマで教材解説をします。
今日の記事は、こんな人におすすめです。
・道徳の授業が苦手な人
・道徳の授業の作り方に困っている人。
・「水やり係」の授業に困っている人。
そして、今日の記事を読むと、こんなことがゲットできます。
・「道徳って楽しい!」と思う感覚。
・新時代の道徳の授業の作り方。
・「水やり係」の指導案。
では、解説です!
順番に解説します。
1 教材について
内容項目
「相互理解、寛容」3・4年の目標・・・・
自分の考えや意見を相手に伝えるとともに、
相手のことを理解し、自分と異なる意見も大切にすること。
教材
3年生「水やり係」(光村図書)
「水やり係」あらすじ
わたしとゆうかさんは1日交代で水やりをする係になった。
今日、わたしが学級園に行くと、土が乾いていた。
その次も、土が乾いていた。
「ゆうかさんは本当に水やりをしているの?」
わたしは腹が立ってきました。
仲の良いふみさんとみつきさんに言ったら、
「昨日、ゆうかさんは用事があるって言ってたよ。」
「ぼくなら思い切って聞いてみるな。理由があるかもしれないし。」
それを聞いて、わたしはどんなふうに声をかけたらいいか
考えてみました。
2 内容項目と教材
「相互理解、寛容」とは、簡単に言うと
相手の立場に立つ
ということです。
「わたし」は1人で考えているときは、明らかに自分本位で考えています。
そこに、ふみさんとみつきさんの話を聞いて、
立ち止まって考えることができたわけです。
では、最初の「わたし」と最後の「わたし」では、なにが変わったのでしょうか?
最初は、「わたし」はゆうかさんに対して、
自分の思い込みでゆうかさんのことを決めつけています。
■ちゃんと水やりをしていないにちがいない。
■係の仕事を忘れているにちがいない。
■ホウセンカを大切に思っていないんだ。
■わたしだけが大変な思いをしている。
こんな感じで、ゆうかさんのことを決めつけています。
こうなったら、相手に対して怒りや憎しみといった
マイナスの感情しか出てこないでしょう。
しかし、ふみさんやみつきさんの話を聞いて、
「わたし」は立ち止まって考えはじめます。
■用事があって、2回とも水やりができなかったのかもしれない。
■なにか理由があるのかもしれない。
■本当に忘れていたのなら、きちんと話し合おう。
これらは、相手の立場に立って考えています。
全て、「ゆうかさんはこうにちがいない。」と決めつけず、
「~かもしれない。」と相手の可能性を探っています。
さらに「わたし」は、自分だけが思い込んでいたことに気付き、
「相手に聞いてみる」ことが大切だと思います。
この、「聞こう」という気持ちがないと、
相手を理解することは難しいのです。
つまり、こういうことです。
相手を理解するには、相手を理解しようと思うこと。
最初の「わたし」には、この理解しようとする心が足りなかったのです。
「相手のことを考えましょう。」
「相手の立場になって考えましょう。」
こんなことは正直、子どもは今まで何度も言われてきています。
じゃあ、何度も言われているからできているかと言われたら、
完璧でない子もいることでしょう。
「相手の立場に立とう」と言っても、それはゴールの姿です。
いわば山の頂上ですね。
その姿にたどり着く方法を知らなければ、
つまり、山に登る方法を知らなければ、
「頂上は知ってるけど登る方法を知らないんだよ。」となってしまいます。
ということは、今回の授業では次のことをポイントにする必要があります。
◎「相手の立場に立つ」ために大切な心を考える。
■自分だけでなく相手の考え(意見)も聞いて、大切にする。
■自分勝手にならないために「~かも」を考える。
この部分を押さえると、ぶれない授業になりますよ!
3 導入
前回「日曜日の公園で」で、以下のまとめをしました。
・相手のことを大切にする。
・「~かもしれない」と考え、自分の意見が絶対正しいとは思わない
これを子どもと確認します。
ここまでいっていたら、今回の授業もほぼ同じまとめになります。
①新しい視点を加えてもいいし、
②『「~かも」と思うことはやっぱり大切』と
よく確認をする流れでもいいでしょう。
①の場合は、「大切な心がもっと見つかるといいですね。」
②の場合は、「本当に前回のまとめが正しいか、確認しましょう。」
と言って教材に入ります。
4 発問
・ゆうかさんが本当に水やりをサボっていたら、「わたし」はなんと言うだろうか。
・「わたし」はなぜ、ゆうかさんに言いにくいのだろうか。
・ゆうかさんに「きちんとやって」と言うのが、本当の友達ではないか。
・ゆうかさんは用事があったならきちんと「わたし」に言えばいいのだから、
悪いのはゆうかさんではないか。
・わたしとゆうかさん、悪いのはどちらだろう。
・この話で誰と友達になりたいか。
・思い切って聞いてみてケンカになったら、「わたし」の勇気はムダだろうか。
・このクラスはいいクラスだろうか。
・「言い方」を考える前に考えないといけないことはなんだろう。
5 まとめ
◎「相手の立場に立つ」ために大切な心を考える。
■自分だけでなく相手の考え(意見)も聞いて、大切にする。
■自分勝手にならないために「~かも」を考える。
このまとめをしっかりともっておくと、
ぶれない、面白い授業になりますよ!
はい、ということで今日は
『3年「水やり係」【相互理解】の指導案はこうする!』
このテーマでお送りしました!