
こんにちは。
今日は『4年「ゲームのやくそく」【友情、信頼】の指導案はこうする!』
このテーマで教材解説をします。
友情、信頼
道徳のど真ん中の内容項目ですね。
いざ授業をしようとすると、
「友達と仲良くするのがいいこと」
「信頼しあうことは大切」など
『月並みなまとめ』しかたどりつかないことが多いですよね。
でもそんなこと、
子どもたちは知っています。
知っていることを45分かけて確認する授業なんて、
なんとつまならないことか・・・・
せっかくなので、今日の記事を読んで、
グッと深まる道徳をしましょう!
では、解説です!
1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ
順番に解説します。
1 教材について
B 主として人との関わりに関すること
「友情、信頼」
3・4年の目標・・・・友達と互いに理解し、信頼し、助け合うこと。
4年生「ゲームのやくそく」(光文書院)
ますみ、かほ、千秋は近頃オンラインゲームで遊んでいる。
約束した時間に1時間だけと決めて、ゲームの世界にみんな入る。
今日もいつものようにゲームの世界で遊んでいると、千秋が10分ほどでいなくなった。
その次の日も10分ほどでいなくなってしまいました。
その次の日、ますみとかほは千秋に言いました。
「もしかしてわたしたちと遊びたくないんじゃない?」
「勝手にやめちゃってごめん。でも今日は・・・・」
2人の言葉に、千秋は悲しくなった。
その日の帰りの会。
先生から、千秋が家の人の都合で急に転校することを聞いた。
ますみとかほは顔を見合わせた。
(だから、千秋は少ししかゲームができなかったんだ。わたしたちひどいことを言っちゃったかも。)
「ごめんね。」
「わたしも転校するって言えなくてごめんね。」
「離れていたってインターネットでつながれるもんね。」
「うん。でもたまには本物にも会いたいよね。」
2 内容項目と教材
(1)友情とは
「友情、信頼」はその順番に意味があります。
「信頼」よりも「友情」が先にあります。
つまり、信頼よりも友情を優先して考える必要があります。
広辞苑で意味を調べると、
友情・・・友達の間の情愛
信頼・・・信じて頼りにすること
とあります。
信頼よりも友情が大切であることの例を挙げます。
あなたは道を歩いています。
通行する見知らぬ人に、
いきなり住所などの個人情報を伝えることはできますか?
きっとほとんどの人が「できない」と答えるでしょう。
「何で教えないといけないの?」
「どこにばらされるか分からない。」
「そもそも、だれ?」
そう思うのは「信頼」という基礎が、人間関係の中にできていないからです。
つまり、友情がないと信頼もできないのです。
では「友情」とは何でしょう。
広辞苑の意味の通り,
「友達との情愛」略して「友情」なのです。
では、情愛とはなんでしょうか。
再び広辞苑で調べると、
情愛・・・情け、いつくしみ、愛情
具体的には、
☆友達の気持ちに共感する
☆友達に対して好感をもつ
これらのことを数十回、数百回くり返して、
「友情」と呼べる関係ができあがるのです。
その過程の中では、自己開示が必ず必要です。
自分のことをさらけ出したり、
本音を言い合ったりして、
関係が深まっていくのです。
そうしてできた「友情」があるから、
初めて次の「信頼」が成り立つのです。
教材研究の場面では、
①「友情」か「信頼」か、どちらに重きを置いているのか考える。
②例えば「友情」に重きが置かれているなら、登場人物同士は
なぜ友達と呼べるのか、本当の友達と呼べるのか、などという発問を考える。
この流れで教材研究をすると、本質に向かう授業ができます。
(2)友情に重きを置く
「ゲームのやくそく」では、『友情』に重きを置きましょう。
友達だった3人が、ゲームの約束を通じて関係にヒビが入ってしまう話です。
ネットでの話は、今の子どもたちにとって身近な問題です。
3人の関係が怪しくなった根本は、
約束の時間に遅れてきて、早くゲームをやめたこと
です。
きっかけはささいなことですが、このささいなことが
大きな亀裂となって「ネットいじめ」に発展する可能性があるのです。
怖いですよね。
小さなズレが大きなズレになっていくのが、
顔の見えないネットの世界の怖いところなのです。
一昔前なら、「ネットは怖いからできるだけ触らないでおこう」という指導がとおりましたが、今はもうネットは子どもですら「使わないと生活できない」レベルで生活に浸透しています。
『使わない』ではなく、『うまく使う』スキルが子どもにも求められる時代なのです。
(3)よい友達とは
ますみ・かほは自分の都合や自分の事情だけを考えて、
それを一方的に相手に求めていました。
・遅れないのは当然
・6時までやるのも当然
相手の気持ちや状況を想像すること
です。
・無理しているかもしれないな。
・どんなことを思っているか聞こう。
相手のことを想像すると思いやりが生まれる。
また、転校しても友情には物理的な距離は関係なく、
心がつながっているということも言えます。
心がつながっていると、相手を想う時間が長くなります。
本当の友情とは、
・離れていても心がつながっている
この2点が大切であると言えます。
3 導入
T:教師 C:子ども
T:友達ってどんな人のことですか?
C:一緒に遊ぶ
C:たくさん話をする
T:ということは、遊ばなかったりたくさん話をしなかったら、
友達とは言えないのですね。
C:うーん・・・・
T:今日は、「本当の友達」について考えましょう。

4 発問
・3人は「いい関係」と言えるのだろうか。
・千秋は、なぜ転校することを言わなかったのだろう。
・本当の友達なら、転校することはすぐ言ったほうがよかったのではないか。
・ますみは千秋のことを大切に思っていないのだろうか。
・もし、千秋が転校せず「塾が忙しいからゲームができなかった」という理由だったら、3人の関係はどうなるだろうか。
・なぜ、ますみとかほは、千秋の事情を考えることをしなかったのだろう。
5 まとめ
・相手のことを想像する。
・離れていても心がつながっている
繰り返しますが、この2点が、子どもの言葉でまとめられるといいですね!
はい、ということで今日は
『4年「ゲームのやくそく」【友情、信頼】の指導案はこうする!』
このテーマでお送りしました!
また明日もお楽しみに。
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