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【公開】道徳の教材研究法(時短)

こんにちは。
今日は「【公開】道徳の教材研究法(時短)」
このテーマでお話しします。

道徳に限らず、教材研究って難しいですよね。

指導書を開いて授業を組み立てますが、
結局のところ読むだけになっていたり、
教材研究を「する」ことが目的になったりして、
面白くない授業になってしまいます。

もちろん、自分ではそんなこと気付いています。
でも、明日も5時間、6時間授業をしなければならない。
他にもやる仕事がたくさんある。

だから教材研究だけに時間をかけていられないんだよ!
つまらないとわかっていながら、
授業を作って前に進むしかないんだよ!

わたしも、ずっとそう思っています。
今でもその思いは変わりません。

今日の記事では、わたしがおこなっている教材研究の方法を紹介します。
目新しいポイントは入っていません。
ですが、順番がポイントです。

今日の記事を実践すると、短い時間で、面白い授業ができるようになります。

ぜひ、最後まで読んで実践してみてください。

 

では公開します。

ジャーン!

 

これだけだとよくわからないので、順番に解説しますね。

もくじ
  1. 1 教材を素読
  2. 2 内容項目を確認
  3. 3 発問を考える
  4. 4 板書を組み立てる
  5. 5 導入、まとめを考える
  6. 6 評価のポイントを考える
  7. 7 授業
  8. 8 板書写真を撮る

1 教材を素読

まずは教材を素読(そどく)します。

素読とはなにかというと、
余計な情報を入れずに純粋に本文だけを読むこと、です。

教科書の構成として、どうしても次のことが目に入ってきます。

■内容項目はなんなのか。
■どんな視点で考えればよいのか。
■活動はどんなことをすればよいのか。

分かりやすくするための構成ですが、素読はそれすらも見ないようにします。
(まあ、目には入ってきますが意図的に無視ということで。)

 

前情報を入れずに教材を読むので、
この教材がどの内容項目かもわかりません。

 

でも、わからないことが大切なんです。
内容項目を先に知って教材を読むと、
内容項目に合うように教材からそのエキスを見つけてしまうからです。

 

例えば、「希望と勇気、努力と強い意志」の内容項目だと知って、
『桃太郎』を読んだとします。

 

そうすると、「希望と勇気を教えないといけないんだ。」という意識が先行して、
『桃太郎』の話から、希望や勇気がある部分を自然と探してしまいます。

 

そうなると、なにがいけないと思いますか?

多面的・多角的に見る視点が、教師の教材研究の時点で狭くなっているのです。

『桃太郎』は「希望と勇気」だけではありません。

おじいさん・おばあさんの桃太郎への愛情は「家族愛」
鬼退治の思考はそもそも「公正、公平」
犬・猿・キジとの「友情、信頼」

このように、たくさんの内容項目、つまり道徳的価値が詰まっています。

これらの視点を、教師の教材研究の時点で見落としてはもったいないですよね。
だから素読をオススメするのです。

 

内容項目を知らずに素読をすると、
教材はたくさんの視点があることに気付きます。

それがまさしく、「多面的・多角的な見方」なのです。
教師は真面目ですから、「内容項目からはみ出してはいけない」と思う人が多いですが、
それは古い考え方です。

新学習指導要領で求められている道徳は、
内容項目という幹を押さえつつ、枝葉の部分をどれだけ広げられるか,
という授業です。

視点は多くの方向に広がる方が、面白いのです。

 

ここまで読んだ人は、こう思うかもしれません。
「いや、素読をしても教師が全ての視点をもっておくのは無理でしょ。」

確かに無理ですね。
教師が考えていること以上の視点を、子どもは必ずと言っていいほど出してきます。

 

しかし、教師が素読をして、新しい視点に気付くという感覚をもっていれば、
授業中に子どもが想定外の見方をしたとしても、
新しい視点を受け止める心構えができているのです。

 

だから、素読をして新しいものを受け入れる心をつくること、
これが大切なポイントなんです。

 

2 内容項目を確認

素読をしたら、内容項目を確認します。

 

自分が予想した内容項目だった!
当たった、外れたということではなく、
「なるほど、そういう考え方もあるのか。」と
1つの視点としてもっておきます。

最低限、その内容項目の自分の学年の目標は確認しましょう。
余裕があれば、指導要領解説の自分の学年の部分を読んでください。

多くても20行ほどですので、すぐ読めますよ。

 

3 発問を考える

次に発問を考えます。

「え!? いきなり発問? 導入じゃないんですか?」

わたしは、道徳の授業の核になるものは発問だと提唱をしています。
発問を軸に授業を組み立てることで、授業がブレにくくなります。

 

発問は家で例えると、柱です。
柱は家をどっしりと支えています。
この発問があることで、全てが成り立つのです。

 

わたしの教材研究の非常識さは、この部分でしょう。
授業は「順番に考えなければならない。」なんて法律はありません。

授業の核になる部分に時間をかけて、
その方向に合わせて、導入や板書、まとめを組み立てていくと、
驚くほどまとまった授業になります。

発問で授業の核、授業の芯をつくりましょう。

 

発問の作り方については別記事を参考にしてほしいですが、
簡単に言うとこの画像のとおりです。

①当たり前をくつがえせ!
②比較せよ!
③へりくつをこねよ!
発問の作り方

 

参考にしてみてください。

 

4 板書を組み立てる

いろいろな板書のパターンがあります。
縦書き、横書きいずれにしろこだわる必要はありません。

子どもの実態、教材から判断、そして、授業者の納得感によって決めるのがいいでしょう。

参考に、わたしのツイートを貼っておきます。

結構バズったツイートです。

https://twitter.com/kishdoutoku/status/1292636453780905985

5 導入、まとめを考える

導入は、前回のつながりがあれば、そのまとめを想起させて導入とします。

まとめは、こちらの用意した言葉で終わらせるのではなく、
子どもの言葉を使って表現できるようにします。

ここは、あまり時間をかけなくても大丈夫です。

詳しく知りたい方は、過去の記事をどうぞ。

 

【参考】道徳導入の心構え

道徳導入の心構え こんにちは。Kishです。今日は「道徳導入の心構え」についてお話しします。道徳の授業って難しいですよね。その中でも,導入って特に難し...

【参考】道徳のまとめ方4つのポイント

道徳の『まとめ』はこうする! こんにちは。Kishです。今日は道徳科の授業のまとめ方についてお話します。道徳の授業って難しいですよね。特に話し合いが盛り上がれば盛...

6 評価のポイントを考える

毎時間の評価をためていくことによって、大くくりな評価がしやすくなります。

毎時間、膨大な量の評価を集めようとすると大変ですから、
負担なくできて、後で見返しやすい評価の方法、記録の方法を考えましょう。

 

授業での評価のポイントは、

①発言
②ノート(ワークシートの記述)

この2つがメインになることが多いです。

方法は実態に合わせて選んでもらったらいいのですが、
ポイントは「決めた方法でしばらく続ける」ということです。

毎回方法を変えると、自分の中になじまないからです。
毎時間、発言なら発言で評価の方法を固定しておくと、
定点観察のように前回、前々回と比較して見るなど、
見方がわかってきます。

そうなると、評価をみとりやすいですね。

発言なら覚えておいてメモ、
ノートやワークシートなら写真を撮ったり、コピーをしたり、
記録する方法も様々です。

大事なのは、方法ではなく
同じ方法を継続することです。

ぜひ、やってみてくださいね!

7 授業

ここまでやったら、あとは実行あるのみ!

この部分が一番書きたいところですが、
ここだけで2万字ぐらいになりそうなのでやめておきます。

わたしの過去の記事全てが、
この「7 授業」だと言っても過言ではありません。

いつも読んでくださっているあなたは、きっと大丈夫です。
勇気をだして、いってらっしゃい!

8 板書写真を撮る

授業が終わったら、ホッと一息つきたいところですが、
もう1つだけ!

板書写真を撮りましょう。

子どもの列だと前から2~3列目の位置に行って、
引きで撮るのがオススメです。

写真を撮るのを忘れていて、
職員室にカメラを取りに行ったら、係の子が全て消していた・・・・
なんてプチ事件が起きることもあるので、
カメラ、もしくはスマホを道徳の時には持って行くことを忘れないようにしましょう。

そのデータは、「2020 道徳」というフォルダを作って、
放り込んでおくだけです。

ファイルに「④はしのうえのおおかみ」と教材順と教材名をつけておくと、
あとで見返しやすいですね。

 

はい、ということで今日は
『【公開】道徳の教材研究法(時短)』というテーマでお話ししました。

 

明日からまた教材解説再開しますね!