寛容の授業が「許すことは大切」という美談で終わってしまう、となやんでいませんか。この記事では『恩讐の彼方に』を、了海と実之助の二人をくらべる切り口で、お話の流れと授業のゴールを図でまとめます。
この記事のポイント(30秒で)
- 教材:『恩讐の彼方に』(中学3年・道徳/相互理解、寛容)
- あらすじ:過去に罪を犯した僧・了海は、つぐないのために崖に洞門を掘り続けます。そこへ父の仇を討とうとする実之助がやってきます。体がぼろぼろになっても掘り続ける了海の姿を見た実之助は、最後に了海を討たず、涙を流します。
- ねらい:許す=がまんして水に流す → 相手の本気の思いに触れ理解が生まれる。相手の見えていなかった本気の思いに気づいたとき、人は相手を理解できる
- おすすめの発問:了海と実之助、正反対の二人に同じものはあった?
- 板書:左「いまの考え」・中央「中心発問で深める」・右「価値をとらえ直す」の3分割
書いた人:キッシュ先生(元小学校教師16年。道徳の指導案をnoteで約4,000本公開)
恩讐の彼方にのあらすじ(どんなお話?)

過去に罪を犯した僧・了海は、つぐないのために崖に洞門を掘り続けます。そこへ父の仇を討とうとする実之助がやってきます。体がぼろぼろになっても掘り続ける了海の姿を見た実之助は、最後に了海を討たず、涙を流します。
ねらい(この授業のゴール)

授業の前は「許す=がまんして水に流す」という見方です。授業の後は、相手の見えていなかった本気の思いに触れたとき、人ははじめて相手を理解できると、生徒が自分の言葉でつかむことがゴールです。
発問のコツ(若い先生がやりがちなこと)

場面ごとに聞くと、「許せてえらい」という美談に流れがちです。出発点が正反対の二人をくらべ、その奥に同じものがないかを問うと、憎しみが理解へ変わった理由が見えてきます。
4コマで見る「放課後の音楽室」

対立している相手には、悪いところばかりが目につきます。相手の本気の姿にふれると、自分と同じ願いをもっていたと気づくことがあります。お話の考え方を、合唱練習の場面に置きかえました。
板書計画は3つのエリア

板書は、左に生徒の「いまの考え」、中央に中心発問での話し合い、右に寛容の意味をとらえ直すことばを置く3つのエリアです。くわしい板書と発問の順番はnoteで紹介しています。
授業の流れ・発問・板書計画をそのまま使いたい先生へ
noteで、この教材の授業づくりを1時間分まとめて解説しています。中心発問と問い返し、45分の流れと導入の台本、テーマ型の発問15個以上、板書計画(画像つき)まで、そのまま授業で使えます。
▶ 中学3年「恩讐の彼方に」【相互理解、寛容】の指導案と発問はこうする!
教材の見方の部分は無料で読めます。
まとめ
- 了海と実之助、正反対の二人をくらべる
- 相手の本気の思いに触れて理解が生まれる
- 「許す」を美談で終わらせない
『恩讐の彼方に』のよくある質問
Q. 『恩讐の彼方に』は何年生・どの内容項目の教材ですか?
A. 中学3年の道徳の教材で、内容項目は「相互理解、寛容」です。
Q. 『恩讐の彼方に』のあらすじは?
A. 過去に罪を犯した僧・了海は、つぐないのために崖に洞門を掘り続けます。そこへ父の仇を討とうとする実之助がやってきます。体がぼろぼろになっても掘り続ける了海の姿を見た実之助は、最後に了海を討たず、涙を流します。
Q. 『恩讐の彼方に』の授業のねらいは?
A. 許す=がまんして水に流すという考えから、相手の本気の思いに触れ理解が生まれるという考えへ深めることです。授業の前は「許す=がまんして水に流す」という見方です。授業の後は、相手の見えていなかった本気の思いに触れたとき、人ははじめて相手を理解できると、生徒が自分の言葉でつかむことがゴールです。
Q. 『恩讐の彼方に』の発問はどうすればいいですか?
A. 場面ごとに気持ちを聞くだけだと、答えが同じようになりがちです。「了海と実之助、正反対の二人に同じものはあった?」のように、お話全体を見て考える問いがおすすめです。場面ごとに聞くと、「許せてえらい」という美談に流れがちです。出発点が正反対の二人をくらべ、その奥に同じものがないかを問うと、憎しみが理解へ変わった理由が見えてきます。
Q. 『恩讐の彼方に』の板書計画は?
A. 板書は、左に生徒の「いまの考え」、中央に中心発問での話し合い、右に寛容の意味をとらえ直すことばを置く3つのエリアです。くわしい板書と発問の順番はnoteで紹介しています。












