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特別の教科 道徳

道徳の板書の型12パターン|横書き・縦書きどっち?「3エリア」で作る板書計画【図解】

「道徳の板書、毎回なにを書けばいいのかわからない」「縦書きと横書き、どっちがいいの?」――そんな先生に向けて、小1〜中3の約1,900教材の板書計画をつくる中で見えてきた「板書の型」を12パターンにまとめました。型を知っておくと、初めての教材でも短い時間で板書計画が立てられます。

この記事のポイント(30秒で)

  • 縦書きは「場面の流れ・気持ちの変化」を追う授業に、横書きは「考えを比べる・つなげる」授業に向いています。
  • おすすめは横書きの3エリア:左=導入(いまの考え)、中央=展開(中心発問と図)、右=終末(価値の再定義)。
  • 中央の図は12の型から選びます。よく使うのは比較型・心情曲線型・関係整理型・二項対立型です。
  • 型は教材名ではなく、中心発問の形で選びます。

書いた人:キッシュ先生(元小学校教師16年。道徳の指導案をnoteで約4,000本公開)

道徳の板書は横書き?縦書き?

道徳の板書 縦書きと横書きのちがい

国語の読み物と同じように、場面を右から左へ縦書きで並べる板書は、今も多くの教室で使われています。お話の順に気持ちの変化を追えるので、低学年や、場面の多い教材ではわかりやすい書き方です。

ただ、縦書きは「場面①の気持ち→場面②の気持ち…」と並べるだけになりやすく、子どもの考えを比べたり、つなげたりするのは苦手です。矢印や対比、曲線などの図は、横書きのほうがずっと描きやすくなります。

縦書き横書き
向いている授業場面を追う・気持ちの変化をたどる考えを比べる・つなげる・深める
書きやすいもの文章、セリフ図、矢印、対比、曲線
気をつけること場面の羅列になりやすい図を入れすぎると読みにくい

どちらが正解ということはありません。気持ちの変化を追うなら縦書き、考えを比べ・つないで深めるなら横書きと、授業の目的で選びましょう。ここからは、どの教材にも使いやすい横書きの「3エリア」の作り方を紹介します。

板書は「3つのエリア」に分けて考える

道徳の板書 3エリア(導入・展開・終末)

黒板を左・中央・右の3つに分けます。左から右へ読むと、子どもの考えが深まっていく流れがそのまま見えるのがポイントです。

左=導入「いまの考え」

授業のはじめに「親切ってどんなこと?」のようにテーマを問い、子どもの最初の考えをそのまま書きます。ここは浅い考えでかまいません。授業の中で変わっていくための出発点です。

中央=展開「中心発問と図」

黒板のいちばん広い場所です。中心発問を★で書き、子どもの意見を図にして整理します。この図の形が、次に紹介する「12の型」です。

右=終末「価値の再定義」

「本当の親切とは」のように、授業を通して深まった考えをまとめます。左の「いまの考え」と見くらべられるので、子ども自身が「考えが変わった」と実感できます。左から右へ、黒板の下に点線の矢印を引いておくと、1時間の学びの変化がひと目でわかります。

中央の図は「12の型」から選ぶ

約1,900教材の板書計画をつくってみると、中央の図はおおよそ12の形に分かれました。それぞれの型を使った教材の数もあわせて紹介します。

型こんな教材に教材数
① 関係整理型人物どうしの関係で心が動くお話288
② 二項対立型主人公が「する/しない」で迷うお話229
③ 階段型一歩ずつ成長する伝記・努力の話161
④ 共通解型ちがう行動に同じ思いがある話95
⑤ 心の層型行動の奥の思いを掘り下げる話29
⑥ 複数対立型正解が一つでない話し合い46
⑦ 時系列型出来事が順に起こる話116
⑧ 心情曲線型気持ちが大きく上がり下がりする話351
⑨ 比較型比べると大切なことが見える話446
⑩ 持ち上げ型支えられて今があることに気づく話43
⑪ 二項対立・比較型立場で見え方が変わる話6
⑫ つながり型むかし・いま・未来のつながりの話92

① 関係整理型

道徳の板書 関係整理型

人物を丸で描き、「したこと」「返ってきた反応」を矢印でつなぐ型です。登場人物が2人以上いて、関係の中で心が動くお話(親切、友情、家族愛など)に向いています。中心発問は「〇〇と△△の関係から、何が見えてくる?」の形になります。

この型を使った教材の例:『わたしのしたこと』(3年)、『温かい言葉』(4年)、『移動教室の夜』(6年)

② 二項対立型

道徳の板書 二項対立型

中央の下に主人公、上に「する/しない」の2つの道を置き、それぞれの理由を書く型です。主人公が迷うお話(正直、きまりを守る、節度など)に。どちらが正しいかを決めるのではなく、「迷う心の奥にあるもの」を右のまとめへつなげるのがコツです。

この型を使った教材の例:『金の おの ぎんの おの』(1年)、『心にひびくかねの音』(3年)、『道子の赤い自転車』(4年)

③ 階段型

道徳の板書 階段型

主人公が一段ずつ成長していく様子を階段で表す型です。偉人の伝記や、努力・希望と勇気・個性をのばす教材に。いちばん上の段を「?」にしておき、「何が主人公を上へ進ませたのか」を考えます。

この型を使った教材の例:『七つぼし』(1年)、『ヘレン・ケラー物語』(4年)、『さばくを緑の農地に――中村哲医師』(6年)

④ 共通解型

道徳の板書 共通解型

ちがう2つの場面(人物)を並べ、下にその共通点を置く型です。「ちがう行動なのに、同じ思いがある」ことに気づかせたいとき(礼儀、国際理解、伝統と文化など)に使います。

この型を使った教材の例:『スポーツと おじぎ』(1年)、『こまったときは、おたがいさま』(3年)、『ある和菓子店』(中3)

⑤ 心の層型

道徳の板書 心の層型

半円を重ね、外側=行動、内側=気持ち、中心=本当の願い、と心の深さを表す型です。「なぜそうしたのか」を一段ずつ掘り下げたい教材(よいことと悪いこと、よりよく生きる喜びなど)に。

この型を使った教材の例:『ねこが わらった』(2年)、『悪いのはわたしじゃない』(3年)、『あの子のランドセル』(中2)

⑥ 複数対立型

道徳の板書 複数対立型

3〜4つの選択肢を並べ、それぞれのよさを考える型です。正解が一つではない話し合いの教材(きまりの意味、公共の精神、社会参画など)に向いています。中学校でよく使います。

この型を使った教材の例:『心の優先席』(3年)、『四本の木』(5年)、『おじいさんの100ドル』(中1)

⑦ 時系列型

道徳の板書 時系列型

横に時間の流れを置き、主人公とまわりの人の変化を2段で比べる型です。出来事が順に起こる教材(勤労、郷土愛、自然愛護など)に。「時間とともに何が変わったのか」を問います。

この型を使った教材の例:『かねつきどう』(3年)、『二十分間の出来事』(5年)、『帰ってきたクニマス』(6年)

⑧ 心情曲線型

道徳の板書 心情曲線型

場面ごとの気持ちの上がり下がりを、1本の曲線で表す型です。気持ちが大きく変わるお話(希望と勇気、友情、生命の尊さなど)に。いちばん下がったところと、上がり始めた「きっかけ」に注目させるのがコツです。縦書きの「場面ごとの気持ち」を、ひと目で見えるようにした型とも言えます。

この型を使った教材の例:『四人五脚』(3年)、『栄光の架橋』(6年)、『熱球の軌跡』(中3)

⑨ 比較型

道徳の板書 比較型

黒板を縦線で2つに分け、AとBを並べる型です。いちばん多く使った型で、「〇〇したとき/しなかったとき」「はじめ/終わり」など、比べると大切なことが浮かび上がる教材に向いています。「何がちがいを生んだのか」を問います。

この型を使った教材の例:『おとす 人、ひろう 人』(2年)、『ハチドリのひとしずく』(3年)、『どれい解放の父 リンカン』(6年)

⑩ 持ち上げ型

道徳の板書 持ち上げ型

主人公を板の上にのせ、それを下で支える人たちを並べる型です。感謝、家族愛、生命の尊さなど、「支えられて今がある」ことに気づかせたい教材に使います。

この型を使った教材の例:『五百人からもらった命』(4年)、『助け合い傘』(5年)、『バスと赤ちゃん』(中1)

⑪ 二項対立・比較型

道徳の板書 二項対立・比較型

2つの立場を、それぞれ「よさ(○)」と「心配(×)」で整理する型です。立場によって見え方が変わる教材(相互理解・寛容、公正など)に。どちらにも大切なものがあることを確かめます。

この型を使った教材の例:『耳の聞こえないお母さんへ』(3年)、『先着100名様』(6年)、『東京大空襲の中で』(6年)

⑫ つながり型

道徳の板書 つながり型

丸を線でつなぎ、「むかし→いま→未来」「わたし→家族→地域」などのつながりを表す型です。生命の尊さ、伝統と文化、郷土愛、自然愛護などの教材に向いています。

この型を使った教材の例:『いのちのまつり』(3年)、『受けつがれてきた命―屋久島三代杉―』(4年)、『二番目の悪者』(中2)

型の選び方は「中心発問」から

型は教材名ではなく、中心発問で選びます。発問の言葉の形を見ると、合う型がわかります。

中心発問の形合う型
「〇〇と△△の関係から、何が見える?」関係整理型
「なぜ迷ったのか」二項対立型(道が3つ以上なら複数対立型)
「何がちがったのか」比較型
「なぜ気持ちが変わったのか」心情曲線型
「何が主人公を前へ進ませたのか」階段型
「時間とともに、何が変わったのか」時系列型
「ちがう行動に共通する思いは?」共通解型
「行動の奥には、どんな思いがある?」心の層型
「主人公を支えていたのは、だれか」持ち上げ型
「どちらの立場にも、大切なものはある?」二項対立・比較型
「わたしたちは、何とつながっている?」つながり型

道徳の板書でよくある3つの失敗

1. 場面ごとの気持ちを並べるだけになる

「そのとき、どんな気持ち?」を場面ごとに書くと、答えが似たものになり、考えが深まりません。中央には、中心発問で子どもの考えを整理した図を置きましょう。

2. 文字が多すぎる

子どもの発言をすべて書くと、大事なことが見えなくなります。発言は短いキーワードにして、図と矢印でつなぐと読みやすくなります。

3. 終末が「〜しよう」で終わる

「これからは〇〇しよう」という行動の約束で終わると、きれいごとの発表会になりがちです。右のエリアには「本当の〇〇とは」という価値の再定義を書き、行動を生む心に目を向けさせましょう。

教材ごとの板書計画を、そのまま使いたい先生へ

このブログでは、教材ごとに「3分でわかる図解」の記事を公開しています(上の例のリンクから読めます)。中心発問と問い返し、45分の流れ、発問15個以上、板書計画(画像つき)は、noteで1教材ずつまとめています。

道徳(小1〜中3・約4,000本)の指導案がすべて読めるメンバーシップ(月5,500円)もあります。1本3,000円の記事を月に2本読めば元が取れます。

▶ メンバーシップの案内を見る

▶ キッシュ先生のnote(教材名で検索できます)

まとめ

  • 道徳の板書は、気持ちの変化を追うなら縦書き、考えを比べ・つなげるなら横書き。
  • 横書きは「左=いまの考え/中央=中心発問と図/右=価値の再定義」の3エリアで。
  • 中央の図は12の型から、中心発問の形に合わせて選ぶ。

道徳の板書のよくある質問

Q. 道徳の板書は横書きと縦書きのどちらがいいですか?

A. どちらが正解ということはありません。場面の流れや気持ちの変化を順に追う授業なら縦書き、子どもの考えを比べたり、つなげたりして深める授業なら横書きが向いています。図や矢印を使いたいときは横書きが描きやすく、おすすめです。

Q. 道徳の板書計画はどう立てればいいですか?

A. 黒板を左・中央・右の3つのエリアに分けます。左に導入の「いまの考え」、中央に中心発問と子どもの意見を整理した図、右に終末の「価値の再定義(本当の〇〇とは)」を書きます。左から右へ読むと、考えが深まった流れが見える板書になります。

Q. 道徳の板書の型にはどんなものがありますか?

A. 関係整理型、二項対立型、階段型、共通解型、心の層型、複数対立型、時系列型、心情曲線型、比較型、持ち上げ型、二項対立・比較型、つながり型の12の型があります。約1,900教材のうち、よく使うのは比較型・心情曲線型・関係整理型・二項対立型です。

Q. 板書の型はどうやって選べばいいですか?

A. 中心発問の形で選びます。「何がちがったのか」なら比較型、「なぜ気持ちが変わったのか」なら心情曲線型、「なぜ迷ったのか」なら二項対立型、「関係から何が見えるか」なら関係整理型、というように、発問と図の形をそろえます。

Q. 低学年でも横書きの板書でいいですか?

A. はい。低学年では文字を少なくして、顔の絵や矢印、色チョークを多めに使うとわかりやすくなります。気持ちの変化を追う教材では、心情曲線型が低学年でも使いやすい型です。

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